旅行2日目。友人たちとは朝の近鉄車内で合流し、室生口大野駅で下車、満員の路線バスで室生寺に向かった。受付を入ってすぐの宝物殿の開館(9:00)まで、まだ時間があったので、さきに境内を散策することにする。
仁王門をくぐって石段を上がると、弥勒堂、金堂、本堂が点在する。弥勒堂は中に入れないので、扉前から覗き込むのみ。ここの隅に釈迦如来坐像がいらっしゃったんだよね、と昔を懐かしむ。金堂は「特別拝観」を実施中で、外陣まで入ることができた。堂々とした肉付きの釈迦如来立像を中心に、右に小柄な薬師如来、左に文殊菩薩。いずれもこの地方らしい、華麗な板光背を背負う。前列には十二神将像が6躯。諸仏もスマホで写真撮り放題だったが、申し訳なくて撮影できなかった。なお、堂内の左右の隅には、聖観音菩薩、大日如来、蔵王権現も隠れて(?)いらっしゃったことを付記しておく。長い年月の間に、あちこちから集まってきた客仏と思われる。
本堂は堂内で御朱印をいただくことができる。厨子に安置されているのは、室生寺の本尊である如意輪観音像で、お顔立ちもポーズもエキゾチック。観心寺、神咒寺(かんのうじ)とともに「日本三如意輪」と称されているそうだが、室生寺、魅力的な仏像が多すぎて、あまり記憶に残っていなかった。
五重塔は、1998年の台風で損傷したあと、2000年に復興。当時はピカピカすぎてあまりいい印象を持たなかったが、いい感じに古色が付いてきたように思う。

そのまま友人たちが奥の院に向かうので、えっと思いながら付いて行った。私が奥の院まで行ったのは、たぶん高校の修学旅行が最初で最後。険しい道だった記憶が抜けなくて、その後はずっと敬遠してきたのである。ひたすら石段かと思ったら、途中、登ったり下ったり、意外と距離と変化のある道で面白かった。

最後に宝物殿へ。私は2022年3月にも来ているので再訪になる。ガラスの映り込みを気にする必要が全くないのは素晴らしい環境だと思う。大好きな十一面観音、地蔵菩薩、それに釈迦如来坐像。この展示室は「公開収蔵庫」を名乗っており、確か前回来た時は、仏像展示の背後に収蔵棚が見えたと思うのだが、今回は白い布で収蔵棚が目隠しされていた。嫌がる人がいたのかなと思う。
門前の橋本屋(土門拳も泊まったという料理旅館)で簡単な昼食、参道のお店で「よもぎ入り回転焼き」100円を購入し、バスに乗車。近鉄を乗り継いで、午後は西ノ京へ向かった。薬師寺は思っていたよりも団体客が少なく、のんびりしていい感じだった。特に南門側の風景が一昔前の奈良を感じさせてよかった。

薬師寺の仏像では、やはり東院堂の聖観音が何度見てもよい。木造のお堂は、歩き回るとキュッキュッと小さな音がするので、ああ古いお寺に来ているなあとしみじみした。
次いで唐招提寺を訪ね、開館期間中の新宝蔵で奈良時代の木造仏を拝観。今年は奈良博の『超国宝』展でお会いした方々もいらっしゃるのだが、やはりホームのお姿を拝見するのは格別である。丸っこくて平和な感じの持国天立像・増長天立像も好き。金堂では、え?中に入れなかったっけ?という声が出たが、中に入れたのはずいぶん前の話だと思う。金堂の屋根の下に隅鬼(昔の名前は邪鬼)がいるのは、全く忘れていたか、気づいていなかった。
この日は大和八木駅前の「豊祝」で打ち上げ。酒も肴も美味しかった。大和八木のホテルも家庭的でよかったし、今後の奈良旅行の宿泊先は、奈良市中心部に拘らなくてもいいかもしれない。