見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

南画ってなに?/板橋区立美術館

○板橋区立美術館 江戸文化シリーズNo.21『関東南画大集合』 http://www.city.itabashi.tokyo.jp/art/ 「南画」というタームを、私は明治の文学、特に夏目漱石との関連で覚えた。漱石は、随筆『思い出す事など』で「画のうちでは彩色を使った南画が一番面白か…

江戸・明治の書画/書道博物館

○書道博物館 企画展『江戸・明治の書画―不折コレクションのなかから―』 http://www.taitocity.net/taito/shodou/ 書道博物館には珍しく、絵画作品を含めた展示会である。なんとなく展示ケースが明るい。伊藤若冲の「鶴図」は、縦長の画面からはみ出しそうな…

民藝館で椅子を買う

連休初日、日本民藝館のグッズ売り場で、椅子を見つけた。産地と価格を示す「中国 張家界¥8,000」という札が付いている。幼稚園で座っていたような小さな椅子だが、しっかりした背もたれがついている。おそるおそる座ってみると、なんとか私のお尻でもおさ…

夏は沖縄/日本民藝館

○日本民藝館 特別展『琉球の美』 http://www.mingeikan.or.jp/ 7月から始まっていた特別展「琉球の美」を、ようやく見に行った。チケット売り場の前に、「館内でご自由にお使いください」と書かれた団扇が用意されていたので、これを使いながら見学する。冷…

妖精国の終わり/逝きし世の面影(渡辺京二)

○渡辺京二『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー)平凡社 2005.9 めずらしく文庫の新刊棚をチェックしていて、本書を見つけた。オビに「読書人垂涎の名著、ペーパーバック版でいよいよ刊行!」とある。読書人垂涎の名著? そう言えば、このタイトルには覚…

旅と発見・美しき日本/江戸東京博物館

○江戸東京博物館 『美しき日本-大正昭和の旅』展 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/ タイトルを見て、具体的な内容が思い浮かぶだろうか? 私は思い浮かばなかった。想像が付かないまま、会場に行ってみて、おや、こんなものが、ああ、そういう解釈もあっ…

日本リベラルと石橋湛山(田中秀征)

○田中秀征『日本リベラルと石橋湛山:いま政治が必要としていること』(講談社選書メチエ)講談社 2004.6 名前は聞いたことがあるが、それ以上は何も知らない有名人というのがいる。私の場合、近代以降の日本の政治家は、圧倒的にこのカテゴリーに入る。石橋…

絵地図いろいろ/金沢文庫

○神奈川県立金沢文庫 開館75周年記念企画展『繪地圖(えちず)いろいろ』 http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm 金沢文庫所蔵の「武蔵国鶴見寺尾郷絵図(むさしのくにつるみてらおごうえず)」が、国の重要文化財に指定されたことを記念し…

研究と大衆/はい、こちら国立天文台(長沢工)

○長沢工『はい、こちら国立天文台:星空の電話相談室』(新潮文庫)新潮社 2005.9 東京・三鷹に本拠を置く国立天文台は、日本で唯一の国立の天文観測研究機構である(ハワイのすばる望遠鏡も、国立天文台の附属施設だ)。国立天文台には広報普及室(現在は普…

読者への共感/劇場としての書店(福嶋聡)

○福嶋聡『劇場としての書店』 新評論 2002.7 著者はジュンク堂池袋本店の副店長。『書店人のしごと』(三一書房 1991)『書店人のこころ』(同 1997)などの著作で知られる書店人だ。本書は、やや旧刊に属するが、たまたま書店で見つけて立ち読みしているう…

秋萩の散り過ぎにける

先週に続き、再びヒガンバナの様子を見にいってきたが、まだでした。 そのかわり、萩は見ごろ。 萩は、咲き始めよりも、ちょっと散った風情がいいのです。 さを鹿の 胸別けにかも 秋萩の 散り過ぎにける 盛りかも去ぬる (大伴家持 万葉1599)

抗日ドラマ《八路軍》を楽しむ

○25集電視連続劇 《八路軍》 http://ent.sina.com.cn/v/m/f/blj/ CCTV(中国中央電視台)で、抗日戦争勝利60周年を記念した連続ドラマ『八路軍』が始まった。つい、最初の数話を見てしまった。 八路軍は、中国共産党の紅軍が、国共合作の成立によって、国民…

二大政党制嫌い?/明治デモクラシー(坂野潤治)

○坂野潤治『明治デモクラシー』(岩波新書)岩波書店 2005.3 近代日本のデモクラシーは、明治維新からGHQの占領政策に至るまで、「上からの改革」によって与えられた、ということになっている。しかし、この俗説は正しくない。明治・大正・昭和(戦前)いず…

八幡宮+天神さま/鎌倉国宝館

○鎌倉国宝館 特別展『国宝鶴岡八幡宮古神宝』 http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/index.htm 久しぶりの鎌倉である。国宝館では、鶴岡八幡宮に伝わる古神宝の特別展が始まっていた。「螺鈿蒔絵硯箱」や「螺鈿太刀」は、鎌倉通いの長い私には、…

禅宗と書画とインド更紗/根津美術館

○根津美術館 特別展『墨蹟と中世漢画-常盤山文庫・根津美術館の名品-』 http://www.nezu-muse.or.jp/ 中世の墨蹟及び絵画(中国宋元時代の舶載品を含む)の展覧会である。いずれも、禅僧や禅文化との関連性が強い。 正直なところ、墨蹟というのは、どう見れ…

アジアの結節点/日露戦争の世紀(山室信一)

○山室信一『日露戦争の世紀:連鎖視点から見る日本と世界』(岩波新書)岩波書店 2005.7 昨年から今年にかけて、日露戦争(1904~1905)百周年を記念した書籍が次々に刊行された。しかし、私は本書を読んで、この1冊こそ、それら全てに「止めを刺す」価値の…

近代日本のウラ側/神秘家列伝(水木しげる)

○水木しげる『神秘家列伝』(其ノ2)(其ノ3)(角川ソフィア文庫)角川文庫 2004.10/2005.1 先日、1巻と4巻を読んだ同シリーズの続きである。2巻、3巻の登場人物は、コナン・ドイル(名探偵ホームズの作者)を除いて、他は全て日本人だ。時代は古代から近現…

再会・蕭白の群仙図/東京国立博物館

○東京国立博物館 特集陳列『新たな国民のたから-文化庁購入文化財展』 http://www.tnm.go.jp/ 文化庁が新たに購入した文化財を公開するミニ展示会である。この春、京都国立博物館の曽我蕭白展に出ていた『群仙図』(重要文化財)を、見ようと思って行ってき…

長いつきあい/VOW17

○宝島編集部編『VOW17:街のヘンなもの大カタログ』宝島社 2005.9 私は、ナンバー付き「VOW」は第1巻から全て買っている(個別テーマによる「VOW××」は別)。本棚のあちこちに散乱しているが、きちんと集めて50年も寝かせておいたら、昭和~平成の、いい風俗…

再訪・関野貞アジア踏査/東大総合研究博物館

○東京大学総合研究博物館 特別展示『東京大学コレクションXX:関野貞アジア踏査―平等院・法隆寺から高句麗古墳壁画へ』展 http://www.um.u-tokyo.ac.jp/ 国際交流基金フォーラムの高句麗壁画古墳展を見た翌日、もう1回、東大の関野貞アジア踏査展に行ってき…

「怪」に親しむ/妖異博物館(柴田宵曲)

○柴田宵曲『妖異博物館』(ちくま文庫)筑摩書房 2005.8 2005年6月、文庫版のための解説(東雅夫)によれば、「ここ数年来、怪談文芸復興の気運がいちじるしい」のだそうである。それは気がつかなかった。 私は子供の頃から、怖がりのくせに怪談好きで、大人…

燃え立つ四神・高句麗古墳/国際交流基金フォーラム

○国際交流基金フォーラム『世界遺産 高句麗壁画古墳展』 http://kk.kyodo.co.jp/is/products/event.html#kita ふう、間に合った。8月後半は中国旅行で日本を留守にしていたので、帰国したら、忘れずにこの展覧会に行かなくては、と思っていた。最終日直前の…

皇室三代/おことば(島田雅彦)

○島田雅彦編著『おことば:戦後皇室語録』新潮社 2005.6 著者の島田雅彦氏は、私と同世代である。ということは、徳仁皇太子とも同世代である。さらに私の父母は明仁天皇・美智子妃と同世代であり、祖母は昭和天皇と同い年だった。昭和天皇より8年長く生きて…