見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

木版口絵の作者たち/鏑木清方と鰭崎英朋(太田記念美術館)

〇太田記念美術館 『鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵-朝日智雄コレクション』(2021年5月21日~6月20日) 明治20年代後半から大正初期、文芸雑誌や小説単行本の巻頭には、木版による美しい口絵があしらわれた。木版口絵は、江戸時代から続く浮世絵版…

畑の中の美術館/遠山記念館の50年(遠山記念館)

〇遠山記念館 特別展『遠山記念館の50年』(2021年4月3日~5月30日) 緊急事態宣言下で開いている美術館・博物館を探していると、あまり縁のなかった施設の情報が網にかかってきて面白い。遠山記念館は埼玉県比企郡川島町にあり、同町出身で日興證券の創立者…

人生は続く/八九六四 完全版(安田峰俊)

〇安田峰俊『八九六四 完全版:「天安門事件」から香港デモへ』(角川新書) 角川書店 2021.5 2018年5月に刊行された単行本『八九六四』は必ず読もうと思いながら、果たせていなかった。そのおかげで図らずも、2019年の香港デモを取材した新章を含む本書『完…

美人画と戦争画/雑誌・芸術新潮「キャバレー王は戦後最高のコレクター『福富太郎』伝説」

〇雑誌『芸術新潮』2021年5月号「特集・キャバレー王は戦後最高のコレクター『福富太郎』伝説」 新潮社 2021.5 東京都の緊急事態宣言は5月31日で解除になるのか、それとも延長か。私が気になっているのは、美術館・博物館の対応、とりわけ東京ステーションギ…

グローバリゼーションの中で/モダン語の世界へ(山室信一)

〇山室信一『モダン語の世界へ:流行語で探る近現代』(岩波新書) 岩波書店 2021.4 山室信一さんといえば『キメラ:満洲国の肖像』や『思想課題としてのアジア』を読んできたので、勝手に中国史とか東アジア史の人だと思っていた。奥付を見て、その山室さん…

麦殿大明神再び/疫病・たいさ〜ん!(アーツ千代田3331)

〇アーツ千代田3331 特別企画展『疫病・たいさ〜ん!江戸の人々は病いとどう向き合ったか』(2021年4月17日〜 5月30日) 感染症がたびたび蔓延した江戸時代に着目し、魔除けの赤を用いた疱瘡絵や麻疹絵など、疫病退散の願いから生まれた様々なものを通して、…

中国時代劇の虚と実/戦乱中国の英雄たち

〇佐藤信弥『戦乱中国の英雄たち:三国志、「キングダム」、宮廷美女の中国時代劇』(中公新書ラクレ) 中央公論新社 2021.5 まさかこんな本が出るとは思わなかったので、驚きながら喜んでいる。韓ドラや日本の大河ドラマを題材にした新書は見たことがあるが…

ポストコロナへ向けて/大学は何処へ(吉見俊哉)

〇吉見俊哉『大学は何処へ:未来への設計』(岩波新書) 岩波書店 2021.4 大学に関する根本的な論考を発表し続けている著者の最新作。本書では、2020年の新型コロナウイルス感染症のパンデミックが浮かび上がらせた大学の窮状と、ポストコロナ時代の大学に対…

金峯山寺の金剛力士立像そのほか(奈良博・名品展)

〇奈良国立博物館・なら仏像館 名品展(2021年3月23日~)+特別公開『金峯山寺仁王門 金剛力士立像-奈良・金峯山寺所蔵-』(2021年2月23日~) 吉野の金峯山寺の仁王像(金剛力士像)(南北朝時代)が来ているというので見に行った。館内に入るとすぐ、最…

桃山・江戸文化の輝き(大和文華館)+聖徳太子と法隆寺(奈良博)

■大和文華館 『桃山・江戸文化の輝き』(2021年4月9日~ 5月16日) 午前中に京都で展覧会を2つ見て、奈良へ移動。本展は、美術作品を愛好する層が広がり、多様な文化が育まれた桃山・江戸時代の絵画や書・工芸を展示し、活気に満ちた時代が生み出した文化の…

鑑真和上と戒律の歩み(京博)+鋳物・モダン(泉屋博古館)

週末は1日だけ関西に行ってきた。金曜日、在宅勤務を終えたあと、東京駅から新幹線で京都へ。自由席は1人空けでなんとか座れる程度で、そこそこ混んでいた。京都駅に着いたのは午後8時過ぎで、飲食店はほぼ閉まっていたので、駅弁を買ってホテルに落ち着い…

2021ワークデスクと椅子を買う

4月から新しい職場に変わって、週3出勤+週2在宅でスタートしたのだが、4月末の緊急事態宣言に伴い、「可能な限り在宅勤務を」という指示が下された。そのため5月はまだ1回しか出勤していない。 少し在宅環境をよくするため、思い立って、ワークデスクと椅子…

復讐と家族愛/中華ドラマ『無証之罪』

〇『無証之罪-Burning Ice-』全12集(愛奇藝、2017年) 近年、話題作続出の華流サスペンスドラマの先駆けとなった作品である。公開当時はこのジャンルに興味がなかったのだが、今でも評判を聞くので、あらためて視聴してみた。いや納得である。見逃したまま…

5月8日は鎌倉へ/若き清方と仲間たち(鏑木清方記念美術館)

■鏑木清方記念美術館 特別展・烏合会結成120年記念『若き清方と仲間たち-浮世絵系画家の新時代-』(2021年4月15日~5月19日) 連休終盤、家に籠っているのも気が滅入るので、鎌倉に来てみた。期待していた牡丹や藤は跡形もなかった。人出が少ないので、い…

錦絵にみる明治時代(神奈川歴博)+中華街

■神奈川県立歴史博物館 特別展『錦絵にみる明治時代-丹波コレクションが語る近代ニッポンー』(2021年4月29日~6月20日) 同館としては、昨年(明治錦絵×大正新版画)に続く明治錦絵の特別展。今回は、丹波恒夫氏(1881-1971)旧蔵コレクションから、西南戦…

「とらのゆめ」の作者/大・タイガー立石展(千葉市美術館)

〇千葉市美術館 『大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師』(2021年4月10日~7月4日) 連休中は、都内の美術館・博物館が軒並み休業になってしまったので、千葉や神奈川に遠征して、いくつか展覧会を見てきた。県外移動になるが、よく気を付けて、ひとりで行動…

覆水盆に返らず/一度きりの大泉の話(萩尾望都)

〇萩尾望都『一度きりの大泉の話』 河出書房新社 2021.4 萩尾望都さん(1949-)が大泉時代のことを語った書き下ろしエッセイが出版されたという情報が流れてきた。私がSNSで最初に見かけたのは、どこか奥歯にものの挟まったような、煮え切らない感想だったの…

アイスショー"Prince Ice World 2021" 横浜公演初日

〇プリンスアイスワールド2021-2022 Brand New StoryⅡ~Moving On !~ 横浜公演(2021年5月1日、11:30~) 連休中にこの公演があると知って、チケットを購入したのは3月の末頃だった。せっかくの5連休、海外旅行は無理としても国内移動はできると思っていた…

古筆を知る(五島美術館)+国宝燕子花図屏風(根津美術館)

■五島美術館 館蔵・春の優品展『古筆を知る』(2021年4月3日~5月9日) 緊急事態発令前に行った展覧会レポート続き。五島美術館はしばらく行っていなかったし、好きな古筆なので見に行った。本展は、五島美術館と大東急記念文庫の収蔵品から、平安・鎌倉時代…

洋行帰りの職人気質/渡辺省亭(藝大美術館)

〇東京藝術大学大学美術館 『渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画』(2021年3月27日~5月23日) 先週の土曜日、翌日から緊急事態が始まると分かって、慌てて出かけた展覧会のレポートを書いておく。渡辺省亭(1852-1918)の名前は、なんとなく知っていた(このブ…