見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

武士の美学、茶人の美学/陶芸の美(五島美術館)

○五島美術館 開館50周年記念名品展III『陶芸の美-日本・中国・朝鮮』(2010年6月26日~8月8日) 名品展第3弾は陶芸。当然のように茶道具類を想像して会場に入ると、いきなり古墳時代の水鳥埴輪(でかいなー)が待っていて、フェイントをかまされる。そのあ…

付録が充実/中国の扇面画+橋本コレクションの中国絵画(松濤美術館)

○渋谷区立松濤美術館 『中國美術館所蔵 中国の扇面画』併催『橋本コレクションの中国絵画』(2010年6月8日~6月27日) 迷っていた展覧会だが、最終日に覗きに行った。北京・中國美術館が所蔵する、明末から現代までの扇面画約100点を紹介する展覧会。中国で…

最初の20年間/洋服・散髪・脱刀(刑部芳則)

○刑部芳則『洋服・散髪・脱刀:服制の明治維新』(講談社選書メチエ) 講談社 2010.4 1年ほど前からgooブログを「アドバンス」に変えるとともに、Amazonアソシエイトを利用している。本書は、私の閲覧履歴をもとにAmazonブックストアが「おすすめ」してくれ…

先頭走者の孤独/千利休(赤瀬川原平)

○赤瀬川原平『千利休:無言の前衛』(岩波新書) 岩波書店 1990.1 奥付を見て「1990年刊行か…」としみじみした。勅使河原宏監督・脚本の映画『利休』に赤瀬川さんが共同脚本として参加されたのが1989年。その翌年に本書が出版された。当時、私は、尾辻克彦名…

衆議の中世/日本神判史(清水克行)

○清水克行『日本神判史:盟神探湯・湯起請・鉄火起請』(中公新書) 中央公論新社 2010.5 読み終えてから、ふとネットで検索してみたら、マンガ家・夏目房之介さんのブログがヒットし、”若旦那”と呼ばれる本書の著者が登場していた。発売されたばかりの本書…

童心の異次元/伊藤若冲 アナザーワールド(千葉市美術館)

○千葉市美術館 『伊藤若冲 アナザーワールド』(2010年5月22日~6月27日):後期 小林忠館長の講演会『伊藤若冲の多彩な絵画ワールド』のあと、ほとんどの作品が展示替えとなった後期の会場を見る。初期の作品では『蓮・牡丹図』の荒ぶる蓮図に惹かれる。か…

講演会 「伊藤若冲の多彩な絵画ワールド」(講師:小林忠)

○千葉市美術館 講演会「伊藤若冲の多彩な絵画ワールド」(講師:小林忠)(2010年6月20日) 『伊藤若冲 アナザーワールド』に再び行ってきた。この日は小林忠館長の講演会が予定されていたが、前日、美術館サイトをチェックしたら、6月5日の辻惟雄先生の講演…

サイエンス・ワンダーカマー!/北海道大学総合博物館

○北海道大学総合博物館 学術テーマ展示「ユニバーシティ・ラボ」 仕事で札幌に行ったので、北大(北海道大学)キャンパスにある総合博物館に寄ってみた。緑に覆われた気持ちのいいキャンパスへは誰でも入れる。博物館も入館無料である。1階は、写真パネルや…

北海道に行ってきました

1泊2日、仕事で札幌に行ってきた。空き時間に、北大の植物園を散策。「ライラック並木」では「ライラック(ムラサキハシドイ)」という札をつけた樹は全て花が終わっていたが、類縁種?のヒマラヤハシドイやウスゲハシドイはまだ濃紫や薄紫の花をつけていた。…

あの頃の未来都市/団地の時代(原武史、重松清)

○原武史、重松清『団地の時代』(新潮選書) 新潮社 2010.5 『滝山コミューン一九七四』以来、原武史氏が書き続けている「団地の時代」。私は、同世代のひとりとして、懐かしくってしかたない。私は団地育ちではないけれど、子ども向けSFドラマの舞台になっ…

モノありき/観じる民藝(尾久彰三)

○尾久彰三『観じる民藝』 世界文化社 2010.5 横浜そごうで開催中の『尾久彰三コレクション-観じる民藝』展(2010年5月29日~7月4日)の出口で本書を買った。尾久彰三さんの控えめで生真面目な文字で「美神一如」というサイン入りである。展覧会にあわせて刊…

曲げる、向かい合わせる/屏風の世界(出光美術館)

○出光美術館 日本の美・発見IV『屏風の世界-その変遷と展開-』(2010年6月~7月25日) 出光コレクションより屏風の優品24件を展示。「今回の展示では、屏風を折って見たときの面白さをご紹介いたします」というのが、企画のキモとなっているのだが、そこは…

二人の巨魁/大日本・満洲帝国の遺産(姜尚中・玄武岩)

○姜尚中・玄武岩『大日本・満洲帝国の遺産』(興亡の世界史18) 講談社 2010.5 帝国日本を語る上で、何度も問い直されてきた「満洲国」に、朝鮮民族の視点から新たな光をあて、満州が生んだ日韓の権力者、岸信介と朴正熙の歩んだ軌跡を辿る。 私がこの「興亡…

美に導かれて/「観じる民藝」トークショー(尾久彰三+青柳恵介)

○そごう美術館 『尾久彰三コレクション-観じる民藝』トークショー「尾久さんと友人たちとの語らい」(ゲスト:青柳恵介氏)(2010年6月13日) 2009年まで日本民藝館に勤務し、骨董や民芸に関する著作も多い尾久(おぎゅう)彰三氏の個人コレクションを紹介…

波濤を超えて/阿蘭陀とNIPPON(たばこと塩の博物館)

○たばこと塩の博物館 日蘭通商400周年記念展『阿蘭陀とNIPPON~レンブラントからシーボルトまで』(2010年4月24日~7月2日) 「今年、2010年は、徳川幕府がオランダに貿易許可書としての『朱印状』をはじめて発行してから401年目にあたります」という趣意書…

主語はわたし/夢の痂(井上ひさし)

○井上ひさし『夢の痂(かさぶた)』 集英社 2007.1 ときは昭和22年7月、場所は東北の小さな村。陸軍参謀大佐として敗戦の責任を感じていた徳次は、一度は自殺を企てたが死に切れず、骨董屋として、とある旧家で屏風の修理に励んでいた。旧家の長女は、女学校…

脱力の異次元/伊藤若冲 アナザーワールド(千葉市美術館)

○千葉市美術館 『伊藤若冲 アナザーワールド』(2010年5月22日~6月27日):前期 大入り札止めの辻惟雄先生の講演会が終わったあとは、混雑が収まるまで、レストラン(11階)で小休止。窓際席では広い角度の眺望が楽しめて、晴れやかな気持ちになった。人の…

講演会「伊藤若冲の魅力」(講師:辻惟雄)

○千葉市美術館 『伊藤若冲 アナザーワールド』記念講演会「伊藤若冲の魅力」(講師:辻惟雄)(2010年6月5日) 『伊藤若冲 アナザーワールド』は、若冲の水墨画を中心に165点を展示する展覧会。「首都圏での若冲の大規模な展覧会は昭和46年(1971)に開催さ…

幕末列伝ふうに/「龍馬伝」展(江戸東京博物館)

○江戸東京博物館 2010年NHK大河ドラマ特別展『「龍馬伝」展』(2010年4月27日~2010年6月6日) 水曜に半日休が取れたので、気になっていた『龍馬伝』展に行ってきた。そうしたら、平日の午後というのに、バスで乗り付ける団体客やら、学校帰りの中高生やらで…

「知」の強さと弱さ/伊藤博文(瀧井一博)

○瀧井一博『伊藤博文:知の政治家』(中公新書) 中央公論新社 2010.4 私は伊藤博文(1841-1909)が好きと公言しているのだが、同調してくる人に会ったことがない。どうしてこんなに不人気なんだろう? 2009年は伊藤の没後100周年だったが、著者の言うとおり…

こういう老人に私もなりたい/思い出袋(鶴見俊輔)

○鶴見俊輔『思い出袋』(岩波新書) 岩波書店 2010.3 1922年生まれの著者が、2003年1月号から2009年12号まで、つまり80歳から87歳まで「一月一話」のタイトルで岩波書店のPR誌『図書』に寄稿したエッセイ。 冒頭に、80歳になって、子どもの頃に道で会った「…

さまざまな対話/「知」の現場から(原武史ほか)

○原武史編『「知」の現場から:明治学院大学国際学部付属研究所公開セミナー2』 河出書房新社 2010.5 2009年10月6日から12月15日まで、明治学院大学横浜校舎で行われた10回の公開セミナーを収録。全て対談形式で、ホスト役を同研究所長の原武史氏(計7回)と…

名古屋で一服/徳川のまつり(蓬左文庫)+殿様、ECOを考える(徳川美術館)

岐阜の華厳寺に満願お礼参りのあとは、名古屋で途中下車して、久しぶりに徳川美術館に寄っていくことにした。徳川美術館の常設展から入る。最近、戦国時代に興味が湧いてきたので、以前なら素通りしていた上り藤の馬印(徳川義直所用)とか、青貝柄の槍拵え…