見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

王朝伝奇小説/道長の冒険

○平岩弓枝『道長の冒険:平安妖異伝』新潮社 2004.6 ついさっき、街のカフェで最後の10ページほどを読み切ったところである。 本書は、2000年に刊行された「王朝妖異伝」(これは短編の連作らしい)の後に続く物語である。前編のことは知らないが、本編に限…

7人の社会科学者/<帝国>を考える

○的場昭弘編著『<帝国>を考える』双風舎 2004.10 7人の社会科学者が「<帝国>を考える」と題して行った連続講演の記録。7人とは、編者の的場昭弘のほか、宇波彰、藤原帰一、中村政則、鳴瀬成洋、尹健次、後藤晃である。 このうち、私が(著書もお人柄も…

早すぎた?実験小説/十三妹

○武田泰淳『十三妹(シイサンメイ)』(中公文庫) 2002.5 たまには息抜きになる小説でも読もう。と思っていたら、たまたま書店で本書を見つけた。カバーには、ごつい弾弓と剣を腰に下げた凛々しい美少女が、ファンタジーマンガのタッチで描かれている。中高…

板橋区はエライ/板橋区立美術館

○板橋区立美術館 館蔵品展「これであなたも狩野派通!!~正信から暁斎まで~」 http://www.city.itabashi.tokyo.jp/art/ 板橋区立美術館に行くのは7、8年ぶりではないか。ときどき、面白そうな企画展をやっているなあと思いながら、私の生活圏と縁のない美…

紙と墨/金沢文庫

○神奈川県立金沢文庫 企画展「十五代執権 金沢貞顕の手紙」 http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm 休日はあまり混んでない電車に乗って、本を読みながら、少し遠くに出かけるのが好き。というわけで、今日はこの展覧会を見てきた。 金沢文…

今年の夏は江南へ/西湖案内

○大室幹雄『西湖案内:中国庭園論序説』(旅とトポスの精神史)岩波書店 1985.11 今年の夏は江南に行くことになりそうだ。そこで、古い本棚から引っ張り出して読み始めた1冊。 私は江南の景勝地にほとんど行ったことがない。20年前、初めての中国旅行では蘇…

300円の至福/鎌倉国宝館

○鎌倉国宝館「常設展」 http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/lives/map/kokuho.htm この週末は持ち越した仕事で手一杯だったのに、日曜の午後からまた鎌倉に出かけてしまった。特にお目当てがあるわけではない。春の特別展が終わって、常設展に戻った鎌倉…

また朝鮮半島/アメリカ・北朝鮮抗争史

○島田洋一『アメリカ・北朝鮮抗争史』(文春新書)文藝春秋社 2003.3.20 最近、気がつくと朝鮮半島に関する本を手に取っている。 著者の立場は本書の最後の一文に集約される。「北朝鮮政権を、何よりも、長期共存不可能な安全保障上の脅威と捉え、その崩壊を…

ある追悼サイト/人民網

○人民網「人民的好衛士、任長霞」 http://www1.people.com.cn/BIG5/shizheng/8198/34064/34067/index.html 最近、中国のニュースサイトで、たびたび見かける人名がある。最初に気づいたのは、人民網のトップページを見に行ったときだ。画面の上方に「人民的…

唐三彩の夢/サントリー美術館

○サントリー美術館『唐三彩展-洛陽の夢』 さきにこの展覧会を見てみた友人から「唐三彩というのは発見されてから、まだ100年らしい」と聞いて、えっ?と思った。買ってきた図録冒頭の「ごあいさつ」によれば、「約100年前、洛陽市郊外の鉄道工事現場で、緑…

夏の準備

週末、また鎌倉に行ってしまった。海岸で、たぶん「海の家」を建てていた。まだ骨組だけの屋根の上で、強い潮風に吹かれているお兄ちゃんたちがカッコよかった。 そうか、「海の家」って、こうして夏が来ると作り、秋が来るとこわすんだな。覚えていたら、ま…

朝鮮戦争という時代/悪の三国志

○芹沢勤『悪の三国志:スターリン・毛沢東・金日成』(講談社+α新書)200.5 「朝鮮戦争の『真実』を、旧ソ連、中国の極秘資料をもとに炙り出す」というのがオビのキャッチコピー。スターリンのソ連、毛沢東の新生中国、そして金日成の北朝鮮を三国志に見立…

本命の恋人は/ゴシップ的日本語論

○丸谷才一『ゴシップ的日本語論』文藝春秋 2004.5 わ~い、丸谷さんの新刊だ!!! 私は、20年来の丸谷才一ファンである。学生時代に出会って、当時、手に入るものは、エッセイから評論、小説、対談に連句集まで全て読んでしまった。その後は本屋で彼の新…

平和と平等をあきらめない

○高橋哲哉、斎藤貴男『平和と平等をあきらめない』晶文社 2004.6 本のオビに「ポスト団塊世代の論客、渾身の対論」とあるが、それほど面白くはない。半分以上は、最近の社会の風潮に対する漠とした不安と不満の表出に終始している。飲み屋で愚痴をこぼしあっ…

源満仲・頼光

○元木泰雄『源満仲・頼光』(ミネルヴァ日本評伝選) ミネルヴァ書房 2004.4 ときどき、現実と縁の切れた古代史や中世史の研究書を読んで精神を休める。 源(多田)満仲という人物は、よく知らないのだが、漱石の「坊っちゃん」の主人公が「俺は生粋の江戸っ…

ナショナリズムを学ぶ

○浅羽通明『ナショナリズム:名著でたどる日本思想史』(ちくま新書)2004.5 日本ナショナリズムの諸相を、主要な10冊のテキストとその周辺の「読書ノート」を題材に語る、ブッキッシュな日本思想史講義。 10冊の選び方がうまい。石光真清というほとんど…

浄土教の絵画と彫刻

○神奈川県立歴史博物館 コレクション展示「浄土教の絵画と彫刻」 http://ch.kanagawa-museum.jp/ 雨の日曜日。アジサイを見に鎌倉に出かけたが、あまりの土砂降りに外歩きをあきらめ、帰りに横浜の歴史博物館に寄った。 この催しは特別展ではなく、常設展に…

中学校の再生/杉並校長日記

○朝日新聞連載コラム「杉並校長日記」(区立和田中学校校長・藤原和博) 私はふだん新聞を読まない。時々、父母の家に帰ると、時間つぶしに新聞を広げる。先週の土曜日(5/29)、久しぶりに帰った実家で、この記事を始めて読んだ。 著者は2003年4月に、東京…

カモの親子

私は東京住まいだが、一時期、逗子に住んでいたことがあるので、鎌倉近辺をよく歩きに行く。 先週の日曜日(5/30)、逗子から鎌倉まで海岸まわりルートを歩いていたら、小坪の住宅地で、水路を見下ろして騒いでいる家族らしい人々がいた。何かと思ったらカモ…

近代は難しい/中国民族主義の神話

○阪元ひろ子「中国民族主義の神話:人間、身体、ジェンダー」岩波書店 2004.4 近代は難しい。最近、つくづくそう思うようになった。高校生のころ、教室で習った「歴史」は、畢竟、人類の進歩のプロセスだった。生まれや性別による不平等、迷信、無知蒙昧、戦…

犬、犬、犬

最近のお気に入り。中国の検索エンジン「百度 baidu」http://site.baidu.com/ の「貼巴」での拾いもの。合成でなく、本物だよねー。

プレ更年期/ぬるい生活

○「ぬるい生活7:飲む、吸う、塗る」群ようこ 朝日新聞社「一冊の本」2004.6号 群さんは「本と雑誌」の書き手だった頃によく読んでいた。頭の回転の早い女子学生が、気の置けない友だちに「おもしろい、おもしろい」と言われて書いているような文章が好きだ…