見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

2017年8-9月@東京近郊展覧会拾遺

■太田記念美術館 特別展『月岡芳年 月百姿』(2017年9月1日~9月24日) 『妖怪百物語』に続く月岡芳年展の第2部。『月百姿(ひゃくし)』は明治18-25年(1885-92)に刊行された、芳年(1839-1892)最晩年の傑作である。100点全てを一挙に見られる機会はあま…

感情と合理性/競争社会の歩き方(大竹文雄)

〇大竹文雄『競争社会の歩き方:自分の「強み」を見つけるには』(中公新書) 中央公論新社 2017.8 著者の名前を見て、あ、「競争社会」の人だ、と思った。前著『競争と公平感』(中公新書、2010)がとても面白かったのである。かなり評判にもなったはずだ。…

門前仲町グルメ散歩:あんみつ食べ比べ

今夜も帰りが遅くなって、長い記事を書いている暇がないので、とりあえず、ご近所グルメ日記。 名店「甘味処いり江」の白玉クリームあんみつ。上品な味わい。むかし、グルメの友人と食べにきたときは「白みつが本格派!」と勧められたのだが、私は黒みつが好…

美麗仏画を楽しむ/ほとけを支える(根津美術館)

〇根津美術館 企画展『ほとけを支える-蓮華・霊獣・天部・邪鬼-』(2017年9月14日~10月22日) 仏教の多種多様なほとけを、蓮華、霊獣、邪鬼など「支えるもの」という視点から見てみようという趣向の展覧会。なんとなく彫刻の仏像をイメージしていたが、絵…

南蘋派もいろいろ/江戸の花鳥画(板橋区立美術館)

〇板橋区立美術館 館蔵品展『江戸の花鳥画-狩野派から民間画壇まで-』(2017年9月2日~10月9日) このところ、行きっぱなしでレポートを書いていない展覧会がかなりある。なかなか時間が取れないためだが、頑張って書く。この展覧会は先週、東日本を台風が…

ニッポンの郷土銘菓/地元パン手帖(甲斐みのり)

〇甲斐みのり『地元パン手帖』 グラフィック社 2016.2 食べ物や食べ物屋さんの写真を集めた本は、ときどき、手元に置いて眺めたくなる。これまでも、蕎麦とか餃子とかスイーツとかの本を取り上げてきた。本書は、食パン、メロンパン、菓子パン、総菜パンなど…

中国の白話小説から日本の怪談へ/お化けの愛し方(荒俣宏)

〇荒俣宏『お化けの愛し方:なぜ人は怪談が好きなのか』(ポプラ新書) ポプラ社 2017.7 表紙のあとに「妖怪お化け映画大会」のポスター図版が掲載されているので、近現代のお化けの話かな、と思っていたら、だいぶ違った。「まえがき」は、著者自身の回想か…

インドネシアとともに/海洋国家日本の戦後史(宮城大蔵)

○宮城大蔵『増補 海洋国家日本の戦後史:アジア変貌の軌跡を読み解く』(ちくま学芸文庫) 筑摩書房 2017.8増補 実は、読む前に思い描いていたのとは、ずいぶん異なる内容だった。内容の過半は、インドネシアの戦後政治史、あるいは戦後日本とインドネシアの…

社会派の群像劇/中華ドラマ『人民的名義』、看完了

〇『人民的名義』全55集(DVD版)(2017年、最高人民検察院影視中心等) 今年3月から4月に湖南衛視等で放映され、中国国内で大反響を引き起こしたドラマである。私は、中国ドラマは古装劇ひとすじなので、現代劇は他人事だと思っていた。それが、SNSなどでの…

金色の妖狐再び/文楽・生写朝顔話、玉藻前曦袂

○国立劇場 人形浄瑠璃文楽 平成29年9月公演 ・第1部『生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)・宇治川蛍狩りの段/明石浦船別れの段/浜松小屋の段/嶋田宿笑い薬の段/宿屋の段/大井川の段』(9月10日、11:00~) 『生写朝顔話』は初めて見る演目。今期…

常設展エリアで遊ぶ/徳川将軍家へようこそ(江戸東京博物館)

○江戸東京博物館 常設展+企画展『徳川将軍家へようこそ』(2017年8月11日〜9月24日) 特別展だと思い込んで江戸博に行ったら、常設展エリアの企画展だった。それじゃあ、ごく小規模な展示なんだなとガッカリしたが、久しぶりに常設展を見るのもいいかなと思…

美しい暮らしのお手伝い/民藝の日本(日本橋高島屋)

〇タカシマヤ 日本橋店8階ホール 日本民藝館創設80周年記念『民藝の日本-柳宗悦と「手仕事の日本」を旅する』(2017年8月30日~9月11日) 日本民藝館には何度も行っているので、新鮮味はないかな?と思いながら、寄り道してみた。展示品は見覚えのあるもの…

法勝寺落慶供養の復元/声明と舞楽・荘厳の調べ

〇国立劇場 第54回声明公演『声明と舞楽 荘厳の調べ:法勝寺供養次第による舞楽法会』(2017年9月9日、14:00~) プログラム(冊子)の解説によれば、声明に舞楽を取り入れた伝統的な法要は平安期に隆盛を極めた後、次第に衰退してしまった。国立劇場では、…

雑な歴史談義/習近平と永楽帝(山本秀也)

〇山本秀也『習近平と永楽帝:中華帝国皇帝の野望』(新潮選書) 新潮社 2017.8 タイトルに惹かれて、期待して読み始めたのだが、あまり得るところはなかった。明の永楽帝と習近平には意外なほど共通点がある、というのが本書の見立てである。具体的には、(1…

再訪:源信(奈良国立博物館)+西大寺展(あべのハルカス)

■奈良国立博物館 1000年忌特別展『源信:地獄・極楽への扉』(2017年7月15日~9月3日) 前期に続いて後期も、駆け込みで見てきた。彫刻はだいたい前期のままだったが、絵画資料はがらりと入れ替わった。古い仏書や文書類も、チェックしてみると、けっこう入…

江戸と大坂の干鰯市場を例に/近世商人と市場(原直史)

〇原直史『近世商人と市場』(日本史リブレット) 山川出版社 2017.7 近世は商品経済が次第に社会を覆っておく時代であり、市場(いちば)が発展し、現代の専門化・高度化した市場(いちば/しじょう)の基礎が形づくられた時代だった。本書では魚肥(ぎょひ…

2017京の夏の旅・花山天文台を訪ねる

恒例「京の夏の旅」(2017年7月8日~9月30日)による文化財特別公開。最近、新鮮味に欠けるなあと思っていたら、今年は予想もしていなかった新鮮な文化財の公開が加わった。昭和4年(1929)設立の京都大学仮花山天文台(かざんてんもんだい)である。日本の…