見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

中国青銅器の不思議な世界/不変/普遍の造形(泉屋博古館東京)

〇泉屋博古館東京 リニューアルオープン記念展IV『不変/普遍の造形-住友コレクション中国青銅器名品選』(2023年1月14日~ 2月26日) リニューアルオープン展の掉尾を飾る本展では「住友コレクションの象徴」とも言うべき、中国青銅器の名品を一挙公開。中…

中世を感じる/法会への招待(金沢文庫)

〇神奈川県立金沢文庫 特別展『法会への招待-「称名寺聖教・金沢文庫文書」から読み解く中世寺院の法会-』(2022年12月2日~2023年1月29日) 人と物が集まり、史料が生成する場としての法会という視点から、「称名寺聖教・金沢文庫文書」を読み解き、中世…

色とかたちの取合せ/柚木沙弥郎展(日本民藝館)

〇日本民藝館 特別展『生誕100年 柚木沙弥郎展』(2023年1月13日~4月2日) 柚木沙弥郎(ゆのきさみろう、1922-)氏は、柳宗悦の「民藝」と芹沢銈介のカレンダーとの出会いから染色の道に進んだとも言われており(柚木沙弥郎公式サイト)、日本民藝館とは関…

中国土産のロバとウサギ

昨年11月に母が亡くなったので、年末年始は弟と二人で遺品を整理していた。物持ちな人で、食器やお茶の道具など、趣味の品がたくさん残された。基本的にはどんどん捨ててしまうつもりだが、目について拾ってきたものいくつか。 この布製のロバとウサギは、私…

共生の未来を描く/「移民国家」としての日本(宮島喬)

〇宮島喬『「移民国家」としての日本:共生への展望』(岩波新書) 岩波書店 2022.11 移民に関する本を読むのは、望月優大『ふたつの日本』(講談社現代新書、2019)以来だと思う。望月さんも本書の著者も、外国人労働者を「人」として受入れ、共生社会を目…

中国の地方公務員たち/中華ドラマ『県委大院』

〇『県委大院』全24集(正午陽光、2022年) 大好きな正午陽光の制作だが、今回はちょっと期待外れだった。ドラマは、2015年(中国では、十九大=中国共産党第十九次全国代表大会の前と表現する)から始まる。主人公の梅暁歌(胡歌)は光明県の県長に着任する…

想像で楽しむ茶室/茶道具取合せ展(五島美術館)

〇五島美術館 『館蔵・茶道具取合せ展』(2022年12月10日~2023年2月12日) まだお正月ののんびりした気分で見に行ったコレクション展。懐石道具・炭道具のほか、小堀遠州を中心とした武将や大名ゆかりの茶道具の取合せを展観する。はじめに豊臣秀吉、千利休…

華南というフロンティア/越境の中国史(菊池秀明)

〇菊池秀明『越境の中国史:南からみた衝突と融合の三〇〇年』(講談社選書メチエ) 講談社 2022.12 中国と呼ばれる地域は、とにかく広大で多様である。本書は、多くの日本人にとって、あまり馴染みのない地域「華南」(福建省、広東省とその周辺)の17~19…

唐物多め/国宝雪松図と吉祥づくし(三井記念美術館)

〇三井記念美術館 『国宝雪松図と吉祥づくし』(2022年12月1日~1月28日) 新春恒例、国宝『雪松図屏風』がメインだが、吉祥づくしには、意外と中国美術が多かった。「長寿」「富貴」などの吉祥主題を好む伝統と、日本において唐物が貴重な贅沢品であったこ…

新春は日本画で/日本の風景を描く(山種美術館)

〇山種美術館 特別展『日本の風景を描く-歌川広重から田渕俊夫まで-』(2022年12月10日~2023年2月26日) 先月から始まっていた展覧会だが、なんとなく年初めに見たいと思ってお預けにしていた。そして計画どおり正月休みに見てきた。江戸時代から現代まで…

静嘉堂@丸の内初訪問/初春を祝う(静嘉堂文庫美術館)

〇静嘉堂文庫美術館 静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展II『初春を祝う-七福うさぎがやってくる!』(2023年1月2日~2月4日) 2021年6月に世田谷岡本の地を離れ、2022年10月から東京丸の内の明治生命館1階で展示活動を開始した静嘉堂文庫美術館。しかし…

古代路、街道、高速道路/道路の日本史(武部健一)

〇武部健一『道路の日本史:古代駅路から高速道路へ』(中公新書) 中央公論新社 2015.5 少し古い本だが、たまたま目に留まって、読んでみたら面白かった。工学部出身で建設省・日本道路公団で高速道路の計画・建設に従事した著者が、古代から今日までの日本…

春秋戦国から漢まで/兵馬俑と古代中国(上野の森美術館)

〇上野の森美術館 日中国交正常化50周年記念『兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~』(2022年11月22日〜2月5日) 秦・漢王朝の中心地域である関中の出土品を主として、日本初公開となる一級文物など約200点を展示する。概要の「1974年に秦の始皇帝陵の兵馬俑…

今年はウサギ年/2023博物館に初もうで(東博)

新春恒例、東京国立博物館に行ってきた。過去の記録を見たら、2021年は新型コロナ対応で予約入館のみ、2022年も予約入館が推奨されていたが、今年はようやくフラリと行っても入れるようになった。 ■本館11室 特別企画『大安寺の仏像』(2023年1月2日~3月19…

家族の秘密/中華ドラマ『回来的女児』

〇『回来的女児』全12集(愛奇藝、2022年) 年末に見たもの。愛奇藝「迷霧劇場」の新作である。このシリーズは、2020年の諸作品が名作すぎて、どうしても点が辛くなってしまうが、本作はまあまあ合格点だと思った。以下【ネタバレあり】であらすじを紹介する…

2022年11-12月展覧会拾遺

年明けは、昨年の棚卸しから。 ■府中市美術館 『アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』(2022年9月23日~12月4日) 19世紀後半、産業革命による工業化の波の中で、「すべての人の生活に美を」の理想を掲…