見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

離れても並んでも/〈対〉で見る絵画(根津美術館)

〇根津美術館 企画展『〈対〉(つい)で見る絵画』(2020年1月9日~2月11日) 複数の掛幅からなる対幅や、右隻と左隻で1双となる屏風など、〈対〉で成り立つ作品の見どころの多様さを紹介する。館蔵以外の作品も多く出ていて面白かった。 おお、これこれ!と…

スサノオの末裔/出雲の神楽(国立劇場)

〇国立劇場 第135回民俗芸能公演『出雲の神楽』(2020年1月25日 ) 東京に住んでいると、なかなか見る機会のない神楽の公演があるというので見に行った。佐陀神能(さだしんのう)は、松江市の佐太神社(出雲二の宮)に伝わる神楽で、採物舞(とりものまい=…

無謬のPDCAサイクル/大学改革の迷走(佐藤郁哉)

〇佐藤郁哉『大学改革の迷走』(ちくま新書) 筑摩書房 2019.11 新書としては法外な分量(478頁)にひるんでいたのだが、信頼している大学人の方が「大学業界内部の人が皆わかっているのに、外部の人がわかってくれないことを、ほんとうに丹念に丁寧に説明」…

厨子甕と十王図/祈りの造形(日本民藝館)

〇日本民藝館 特別展『祈りの造形-沖縄の厨子甕を中心に』(2020年1月12日~3月22日) 世界各地で作られた「祈りの造形」を紹介する特別展。その中心は沖縄の厨子甕(ジーシガーミ)、すなわち骨壺である。屋根をかぶせた家型のものを、何度か同館で見たこ…

縄文に始まる/やきもの入門(出光美術館)

〇出光美術館 『やきもの入門-色彩・文様・造形を楽しむ』(2019年11月23日~2020年2月2日) 出光美術館の「やきもの」企画展には何度も行っているので、あまり新味はないかな、と思いながら出かけた。そうしたら、やっぱり面白かった。 会場に入ってすぐは…

没落する貴種/公家源氏(倉本一宏)

〇倉本一宏『公家源氏:王権を支えた名族』(中公新書) 中央公論新社 2019.12 「源氏」と聞くと、どうしても清和天皇もしくは陽成天皇から出た武家の源氏に目が行きがちだが、実はほとんどの源氏は京都で貴族として活躍していた。本書は、日本の権力中枢に…

この世界に生きる意味/中華ドラマ『慶余年』

〇『慶余年』第1季:全46集(騰訊影業他、2019年) 架空世界を舞台にした古装ドラマ。しかし、いろいろと仕掛けがある。大学生の張慶は、ウェブ小説コンクールに投稿するSF小説を、尊敬する葉教授に読んでもらおうとする。その小説の主題は「生命重来(生ま…

2020博物館に初もうで(東博)+KANNON HOUSE

■東京国立博物館 本館・特別1-2室 特集陳列『博物館に初もうで 子・鼠・ねずみ』(2020年1月2日~1月26日) 新春恒例、干支にちなんだ「博物館に初もうで」展。今年は三が日を台湾で過ごし、次の週末は関西旅行に出かけていたので、ずいぶん遅くなったが見て…

先史時代~唐・安史の乱/中華の成立(渡辺信一郎)

〇渡辺信一郎『中華の成立:唐代まで』(シリーズ中国の歴史 1)(岩波新書) 岩波書店 2019.11 新たに刊行が始まった岩波新書の「中国の歴史」シリーズの第1巻。全5巻で、時間的には先史時代から20世紀(中華人民共和国の成立)まで、空間的には草原・中原…

関東人の大阪新春散歩2020

国立文楽劇場で初春公演を見て、高津宮に参拝したあと、もう1ヵ所、行きたいところがあった。 昨年9月にリニューアルオープンした大丸心斎橋店本館である。2015年12月30日に閉館したあと、アメリカ人建築家ウィリアム・メリル・ヴォーリーズの名建築として名…

錣太夫さん襲名披露/文楽・傾城反魂香、他

〇国立文楽劇場 開場35周年記念・令和2年初春文楽公演 第1部(1月11日、11:00~) 朝は四天王寺に参拝し、大阪人の気分を身にまといながら劇場へ。1階ロビーには、まだお正月気分のお供え餅とにらみ鯛。しかしお供え餅の海老は明らかにつくりものだった。例…

2020年新春関西旅行:京博、大和文華館、奈良博

■京都国立博物館 新春特集展示『子づくし-干支を愛でる-』(2020年1月2日~ 2月2日)他 この数年、正月は大阪へ新春文楽公演を見に行き、そのついでに京博の新春特集展示を見るのが恒例となっている。今年は年末年始と台湾に出かけていたので、どうしよう…

〈地域〉基盤の再構築/社会保障再考(菊池馨実)

〇菊池馨実『社会保障再考:〈地域〉で支える』(岩波新書) 岩波書店 2019.9 持続可能性という概念をひとつの切り口として、日本の社会保障制度のあり方を再考する。持続可能性といえば、高齢化と少子化の進展によって、年金、医療、介護などの社会保障費用…

貴族たちの中国/侯景の乱始末記(吉川忠夫)

〇吉川忠夫『侯景の乱始末記:南朝貴族社会の命運』 志学社 2019.12 『侯景の乱始末記』(中公新書、1974年)は面白いのに絶版で入手できないのが惜しい、という噂をSNSで見かけて気になっていた。そうしたら、2018年に創設された小さな学術出版社が、これを…

台湾旅行2019-20より帰宅

大晦日から今日(1/3)まで年末年始の台湾旅行から無事帰宅。楽しかった!よく歩いた!! 台湾には、これで4年連続で出かけている。いつも2泊3日や3泊4日の小旅行だが、少しずつ違うエリアに足を運ぶのが楽しい。今回も、いろいろ新しい発見があった。 しか…

台湾旅行2019-20【最終日/4日目続き】古亭、龍山寺、西門紅楼

国立台湾大学を離れ、見ておきたかったところを最後にいくつか訪ねた。 ひとつは、雑誌『東京人』2019年11月号「特集・台湾 ディープ散歩」に紹介されていた、古亭という地名の由来となった「古亭地府陰公廟」。資産家の家に仕えていて非業の死を遂げた侍女…

台湾旅行2019-20【最終日/4日目】国父紀念館、国立台湾大学

最終日。今日もいい天気だ。午後2時頃まで観光できるので、台北駅のロッカーに大きい荷物を預けて街へ出る。こちらへ来るまで考えていなかったのだが、ふと思い立って、定番の観光名所である国父紀念館に行ってみることにした。初台湾旅行のとき以来、約20年…

台湾旅行2019-20【3日目】故宮博物院、北投温泉

正月2日は朝から気持ちよく晴れた。しかし今日は基本インドアの予定。故宮博物院に向かう。 館内は、この数年ではいちばん空いていて静かだった。前日の元旦が無料開館日なのを避けたのがよかったかもしれない。マイクを使った館内ツアーを見かけなかったの…

台湾旅行2019-20【2日目続き】台北賓館、国立台湾博物館、迪化街

台湾近代建築の旅(今回のテーマ)は始まったばかり。総統府の南側にある司法大廈(写真)、その向かいの台北市立第一女子高級中学は外観だけ。 続いて台北賓館(旧・台湾総督官邸)を見学する。月1回、総統府の休日見学日に合わせて一般開放日が設けられて…

台湾旅行2019-20【2日目】総統府見学

2020年元旦。台北の天気は、どんよりした曇り空だが、幸い雨は落ちていない。台湾は旧暦で新年を祝うが1月1日だけは国定の休日。ただしこれは新暦の元旦を祝っているのではなくて「中華民国開国記念日」であることは、ネットで調べて初めて知った。 ホテルで…