見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2022-01-01から1年間の記事一覧

皇帝と「官場」の人々/中華ドラマ『天下長河』

〇『天下長河』全40集(湖南衛視、芒果TV他、2022) 配信開始前は全く注目していなかったが、本国でも日本の中国ドラマファンの間でも、やたら評価が高いので見てみたら、かなり私好みの作品だった。清・康熙帝時代の黄河治水を扱った作品である。 康熙15年…

屏風と歌仙絵を中心に/遊びの美(根津美術館)

〇根津美術館 企画展『遊びの美』(2022年12月17日~2023年2月5日) 公家が和歌の上達につとめた歌合や家の芸にまで高めた蹴鞠、武家が武芸の鍛錬として位置づけた乗馬や弓矢など、文化としての遊びの諸相を、屏風を中心に、絵画や古筆も含めて紹介する。メ…

曹操注で読む/孫子(渡邉義浩)

〇渡邉義浩『孫子-「兵法の真髄」を読む』(中公新書) 中央公論新社 2022.11.25 中国古典が好きで10代の頃から読んできたが、『孫子』はきちんと読んだ記憶がない。どうせ軍事マニアが喜ぶようなことが書いてあるのだろう、と軽く見てきたためだ。 はじめ…

眼福の仏画/信仰の美(大倉集古館)

〇大倉集古館 企画展『大倉コレクション-信仰の美-』(2022年11月1日~2023年1月9日) 大倉喜八郎が蒐集した仏教美術作品を中心に、信仰の歴史をたどり、そこに託された人々の祈りと美のかたちを紹介する。冒頭近くに出ていた『古経貼交屏風』は、むかしか…

『鎌倉殿の13人』大河ドラマ館とゆかりの地

■『鎌倉殿の13人』大河ドラマ館 2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を楽しんで見た。前半の源平の戦いは、それほどハマらなかったが、後半、頼朝没後の御家人たちの権力闘争になってから、俄然、面白くなった。先週、最終回を視聴したので、大河ドラマ館を…

郷愁の江戸/闇と光(太田記念美術館)

■太田記念美術館 『闇と光-清親・安治・柳村』(2022年11月1日~12月18日) 小林清親(1847-1915)は、西洋からもたらされた油彩画や石版画、写真などの表現を取り込むことにより、これまでにない東京の風景を描いた。本展は、小林清親を中心に、これまで紹…

日常と非日常/鉄道と美術の150年

〇東京ステーションギャラリー 『鉄道と美術の150年』(2022年10月8日~2023年1月9日) 2022年は日本の鉄道開業150周年に当たる。奇しくも「美術」という語が初めて登場したのも明治5年(1872)のことだった。本展は、鉄道と美術150年の様相を、鉄道史や美術…

世界のアイドル/中国パンダ外交史(家永真幸)

〇家永真幸『中国パンダ外交史』(講談社選書メチエ) 講談社 2022.3 中国四川省と、陝西省周辺の山岳地帯にしか生息していない稀少動物のパンダ。本書は、パンダが発見されて以来、長い時間をかけて中国が鍛えてきたパンダ外交の歴史をひもとく。 パンダ発…

戦国大名たちの謀略ドラマ/文楽・本朝二十四孝

〇国立劇場 令和4年12月公演(2022年12月17日、17:00~) ・『本朝二十四孝(ほんちょうにじゅうしこう)・二段目:信玄館の段/村上義清上使の段/勝頼切腹の段/信玄物語の段・四段目:景勝上使の段/鉄砲渡しの段/十種香の段/奥庭狐火の段/道三最期の…

笹塚でビャンビャン麺

先週末、むかし住んでいた幡ヶ谷にクリスマスリースを買いに行ったついでに、笹塚でビャンビャン麺を食べた。ガード下の商店街「京王クラウン街」を幡ヶ谷方面に歩いていくと、どん詰まりにある「西安ビャンビャン麺」笹塚店である。 初めてなので、まずは王…

2022年12月関西旅行:よみがえる川崎美術館(神戸市立博物館)

〇神戸市立博物館 開館40周年記念特別展『よみがえる川崎美術館-川崎正蔵が守り伝えた美への招待-』(2022年10月15日~12月4日) 最終日に駆け込みで見てきた展覧会である。「川崎美術館」という名前は初耳だった。展示は、創設者の川崎正蔵とその美術コレ…

2022年12月関西旅行:明清の美(大和文華館)

〇大和文華館 特別企画展『明清の美-15~20世紀中国の芸術-』(2022年11月18日~12月25日) 忙しくてブログが書けていないが、12月第1週の週末の関西旅行の続きである。日曜は、奈良と神戸の展覧会をハシゴしてきた。本展は、主に15世紀~20世紀初頭におけ…

クリスマスリース2022とおまけ

いろいろ忙しくて例年より遅れてしまったが、今年もいつもの花屋さんで手作りリースを買ってきた。むかし住んでいた幡ヶ谷にあるラベイユ四季というお店である。 今年はスタンダードな緑の生リースにした。参考までに値段は税込み3300円。以前は同じ値段でひ…

2022年12月関西旅行:大原、洛中大通寺

土曜日、京博のあとは、久しぶりに大原観光に出かけることにした。いったん京都駅に戻って地下鉄で国際会館駅に出て、大原行きのバスに乗る。10年ぶりくらいかなあとぼんやり考えていたが、あとでブログをチェックしたら、2013年の初夏以来だった。 終点の大…

2022年12月関西旅行:茶の湯(京都国立博物館)再訪

〇京都国立博物館 特別展『京(みやこ)に生きる文化 茶の湯』(2022年10月8日~12月4日) 金曜に名古屋へ日帰り出張の予定が入ったので、自費で足を伸ばして、週末、関西で遊んできた。目的の1つ目は『茶の湯』展を再訪すること。土曜の朝、開館10分前くら…

家族のかたち/中華ドラマ『喬家的児女』

〇『喬家的児女』全36集(東陽正午陽光、2021年) 新作ドラマの見たいものが途切れたので、気になっていた1年前の話題作を見てみた。中国ドラマファンにはおなじみ、東陽正午陽光の制作で、さすが期待は裏切られなかった。 始まりは1977年、南京市の陋巷に暮…

古筆・絵画の中のイメージ/西行(五島美術館)

〇五島美術館 特別展『西行 語り継がれる漂泊の歌詠み』(2022年10月22日~12月4日) 本展は、世に数点しか伝わらない稀少な西行自筆の手紙をはじめ、西行をテーマとした古筆・絵画・書物・工芸の名品約100点を展観し、中世から近代に至るまで、西行が時を越…

鎌倉殿の浄土庭園/永福寺と鎌倉御家人(神奈川県立歴史博物館)

〇神奈川県立歴史博物館 特別展『源頼朝が愛した幻の大寺院 永福寺と鎌倉御家人-荘厳される鎌倉幕府とそのひろがり-』(2022年10月15日~12月4日) 鎌倉・二階堂の永福寺(ようふくじ)跡に初めて行ったのは、鎌倉在住の友人に誘われた歴史散歩だったよう…

洞戸の地蔵菩薩立像(東京長浜観音堂)を見る

〇東京長浜観音堂 『地蔵菩薩立像(鞘仏/胎内仏)(長浜市高月町洞戸自治会蔵)』(2022年11月1日~11月30日) 何も考えずに立ち寄ったので、ケースの中のお姿を見て、おや、今期は地蔵菩薩像だったか!と新鮮に感じた。この施設は、湖北の観音文化の発信を…

「写生」へのこだわり/竹内栖鳳(山種美術館)

〇山種美術館 特別展・没後80年記念『竹内栖鳳』(2022年10月6日~12月4日) 没後80年を記念し、山種美術館が10年ぶりに開催する竹内栖鳳(1864-1942)の特別展。探してみたら、2012年に『没後70年・竹内栖鳳-京都画壇の画家たち』という展覧会が開催されて…

絶え間ない交流/惹かれあう美と創造(出光美術館)

〇出光美術館 『惹かれあう美と創造-陶磁の東西交流』(2022年10月29日~12月18日) 「展示概要」の文章がとてもよいので、その最後の部分をそのまま転記しておく――陶磁器は各時代で、互いの美しい装飾や技術に惹かれあって発展してきました。他の国や地域…

サッポロクラシックで晩酌

多事多端の週末が終わって、夕食に晩酌。 金土日と、2022フィギュアスケートNHK杯を3日間現地観戦するつもりで、チケットも札幌旅行のフライトもホテルも取っていたのだが、諸般の事情により断念したのである。 今年もいろいろドラマがあったようで、見たか…

葬儀私記(その2-2)

※葬儀私記(その2-1)の続き。 11/18(金)弟が世田谷北部病院から介護タクシーで母を連れてくるのを、私は久我山の介護施設で待った。到着してベッドに寝かされた母は、目も開かず、呼びかけてもほとんど反応を示さなかった。けれどもスタッフの皆さんが…

葬儀私記(その2ー1)

2022年11月20日に90歳の母が永眠した。父の例に倣って、その前後のことを書き留めておく。 父と母は2017年5月から武蔵境にある老人ホームで暮らしていたが、2022年2月に父が息を引き取った。以後、私は毎週末、1人暮らしになった母を見舞うようにしたが、新…

2022深川・富岡八幡宮の酉の市

在宅勤務を終えて買い物に出かけて、今日は二の酉だったと気づいたので、富岡八幡宮に寄ってみた。ここの酉の市は小規模で、参道の中ほどに4~5軒の熊手屋が身を寄せ合っているだけ。食べもの屋も、ベビーカステラの屋台が1軒出ていただけだった。 照明も暗…

引き裂かれる自己認識/アメリカとは何か(渡辺靖)

〇渡辺靖『アメリカとは何か:自画像と世界観をめぐる相克』(岩波新書) 岩波書店 2022.8 アメリカといえば、リベラルな民主党と保守的な共和党が交代を繰り返す二大政党制で、比較的分かりやすい政治形態だと思っていた。それが最近いろいろと混沌としてき…

迷妄を乗り越える/レイシズム(ベネディクト)

〇ルース・ベネディクト;阿部大樹訳『レイシズム』(講談社学術文庫) 講談社 2020.4 書店で平積みにされていたので、思わず手に取ってしまった。原著は1942年の出版で、日本語翻訳は何度か出ているが、本書は学術文庫のための新訳である。原題「Race and R…

2022年11月関西旅行:正倉院展(奈良国立博物館)

〇奈良国立博物館 『第74回正倉院展』(2022年10月29日~11月14日) 今年も正倉院展に行ってきた。前夜は奈良公園内のホテルに泊まったので、ぶらぶら歩いて、開館1時間前の8:00頃に到着したら、先頭から3組目だった。今年も完全予約制なので、もちろんチケ…

木場でうどん屋呑み

門前仲町の角打ち呑み屋で、ときどき一緒になるおじさんから、木場に日本酒の呑めるうどん屋があるという話を聞いたので、友人と行ってきた。「饂飩乃風 楽翔(らくと)」というお店である。 「ちょい飲みセット」の天ぷらともつ煮。どちらも注文を受けてか…

2022年11月関西旅行:茶の湯(京都国立博物館)

〇京都国立博物館 特別展『京(みやこ)に生きる文化 茶の湯』(2022年10月8日~12月4日) 各時代の名品を通して、京都を中心とした茶の湯文化を紹介する。展示替えを含め、出品点数は245件。質量ともにスゴい展覧会だと思うのに、いまいち盛り上がっていな…