見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

特集陳列・下絵ほか/東京国立博物館

○東京国立博物館 特集陳列『下絵-悩める絵師たちの軌跡』http://www.tnm.jp/ ”悩める絵師たち”と聞いて、それは当然、芸術的な完成を目指す悩みのことだろうと思った。確かに、渡辺崋山の『于公高門図画稿』や『坪内老大人像画稿』には、よりよい作品を目指…

美は信仰にあり/静嘉堂文庫美術館

○静嘉堂文庫美術館 『荘厳された神仏の姿-仏画・仏像・垂迹画』 http://www.seikado.or.jp/menu.htm まだ気づいている人は少ないみたいなので、急いで言っておこう。若冲ファン必見の作品が出ている。 展示室に入ると、意外なほど華やいだ雰囲気が漂ってい…

サーガの始まり/雷鳴(梁石日)

○梁石日(ヤン・ソギル)『雷鳴』(幻冬舎文庫) 幻冬舎 2007.12 私にしては本当にめずらしく、小説を読みたい気分が続いている。たまたま書店で同じ作者の『血と骨』を見つけて、あ、ビートたけし主演で映画化されたとき、見たいと思って見逃した作品だ、と…

文楽・摂州合邦辻/国立劇場

○国立劇場 2月文楽公演『摂州合邦辻』 http://www.ntj.jac.go.jp/performance/1047.html 連日の国立劇場。昨日の舞楽に続いて、今日は文楽である。2月は比較的親しみやすい名作が並ぶのだが、プログラムを見て、行くなら『摂州合邦辻』とすぐに決めた。以前…

舞楽公演・笑いの仮面劇/国立劇場

○国立劇場第61回雅楽公演『舞楽 名曲と稀曲をたのしむ』 出演・宮内庁式部職楽部 http://www.ntj.jac.go.jp/performance/1039.html 国立劇場の雅楽公演は、毎回チェックを入れているのだが、楽器演奏だけだと、ちょっと敷居が高そうな気がして二の足を踏む。…

NHK「柳生十兵衛七番勝負~最後の闘い~」制作開始!

○NHKドラマホームページ:「柳生十兵衛七番勝負~最後の闘い~」制作開始!(2007/1/31) http://www.nhk.or.jp/drama/html_news.html 『柳生十兵衛七番勝負』は、2005年、2006年の春にNHKで放映された時代劇である。生まれてこのかた、時代劇なんて見たことの…

行動描写の魅力/オリバー・ツイスト(ディケンズ)

○チャールズ・ディケンズ、中村能三訳『オリバー・ツイスト』上下(新潮文庫) 新潮社 1955.5 めずらしく洋モノの小説が読みたくなった。何を読んでいいか見当がつかないので、長い時間、文庫本のコーナーをうろうろしていたら、本書が目についた。そうだ、…

光琳の紅白梅図屏風ほか/MOA美術館(続)

○MOA美術館『所蔵名品展-国宝紅白梅図屏風-』 http://www.moaart.or.jp/ 第1室の「岩佐又兵衛と17世紀の風俗画」の続き。第2室の見ものは、なんと言っても古筆手鑑『翰墨城』である。やっぱり、小野道風・藤原佐理・藤原行成の「三蹟」が並んだところが秀…

岩佐又兵衛と17世紀の風俗画/MOA美術館

○MOA美術館『所蔵名品展-国宝紅白梅図屏風-』 http://www.moaart.or.jp/ 熱海のMOA美術館では、毎年、この時期に光琳の国宝『紅白梅図屏風』を展示する。考えてみると、見に行ったのはずいぶん昔のことなので、今年あたり、久しぶりに行ってみたいな、と思…

公開シンポ・知の構造化と図書館・博物館・美術館・文書館

○公開シンポジウム『知の構造化と図書館・博物館・美術館・文書館-連携に果たす大学の役割』 http://panflute.p.u-tokyo.ac.jp/~knowledge/ 図書館、博物館、美術館、文書館、それに大学。題名からして、こんな総花的なシンポジウムでは、発表者はあちらに…

祝・ノイハウス復活

やれやれ、週末。今週はバレンタインデーがあった。 去年(2006年)のバレンタインデー、いつものとおり新宿小田急デパートにノイハウスのチョコレートを買いに行って慌てた。2005年3月に日本を撤退していたのである。 そのノイハウスが、いつの間にか復活し…

愛すべき服妖/楊貴妃になりたかった男たち(武田雅哉)

○武田雅哉『楊貴妃になりたかった男たち:「衣服の妖怪」の文化誌』(講談社選書メチエ) 講談社 2007.1 武田雅哉さんとの付き合いは長い。もちろん著書を通じての一方的な付き合いであるが。「新しい本が出たら必ず読む」と決めている著者のひとりである。 …

ダンスのレッスン・鍋島家の華/泉屋博古館分館

○泉屋博古館分館 企画展『大名から侯爵へ-鍋島家の華-』 http://www.sen-oku.or.jp/ 旧佐賀藩主・鍋島家伝来の装束や調度品を公開する展覧会である。私は佐賀には縁もゆかりもないが、鍋島家はヒイキなのだ。焼きもの好きなら当然のこと。有田・伊万里の窯…

闇の百鬼夜行/幻景の明治(前田愛)

○前田愛『幻景の明治』(岩波現代文庫) 岩波書店 2006.11 恥ずかしながら、前田愛さんの著書を読むのは初めてではないかと思う。学生の頃、先生から勧められたのに、ついに読まなかった。でも「いつかは読もう」と思ってずっと記憶に留めていた著者である。…

「洋画」と「洋風画」/府中市立美術館

○府中市立美術館 企画展『海をこえた出会い-「洋画」と「洋風画」』http://www.art.city.fuchu.tokyo.jp/ 先週、怠けていたのがたたって、仕事を抱えた3連休になってしまった。くぅ~遠出するつもりだったのになあ...と嘆きながら、それでも最後の1日だ…

王朝ゴシップ集/殴り合う貴族たち(繁田信一)

○繁田信一『殴り合う貴族たち:平安朝裏源氏物語』 柏書房 2005.12 『天皇たちの孤独』(角川選書 2006.12)が面白かったので、続けてもう1冊。書かれた順番では、本書のほうが1年ほど早い。『天皇』と同様、本書も、『小右記』などの古記録を素材に、王朝貴族…

筆写と活字/図説韓国の古書(安春根)

○安春根著、文ヨン[女燕]珠訳『図説韓国の古書:本の歴史』 日本エディタースクール出版部 2006.11 出版されてすぐ、カラー図版の多いことに惹かれて買ってしまい、ときどき眺めて楽しんでいたが、ようやく本文を読み終わった。正直にいうと、文章には、やや…

王朝貴族の家庭崩壊/天皇たちの孤独(繁田信一)

○繁田信一『天皇たちの孤独:玉座から見た王朝時代』(角川選書) 角川書店 2006.12 読み終えてから、あらためて著者紹介を見なおした。このひと、何者? 著作一覧を見ると、この数年、陰陽師や安倍晴明に関する本を立て続けに出しているようだ。いずれも書…

葉山の休日ランチ

久しぶりに、葉山の神奈川県立近代美術館に行った。(承前) ランチの時間を外したおかげで、館内のレストラン「オランジュ・ブルー」で食事ができた。メニューはサーモングリル丼。 窓越しに眺める海が気持ちよくて、美術館併設のレストランとしては、私の…

時代と美術の多面体/神奈川県立近代美術館(葉山)

○神奈川県立近代美術館(葉山)『時代と美術の多面体-近代の成立期に光をあてて-』 http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/ この数年、東洋美術ばかり見てきたが、昨年あたりから、少し洋画を見直すようになった。ただし、いま、いちばん面白いと思って…

大人の自問自答/いまこの国で大人になるということ(苅谷剛彦)

○苅谷剛彦編著『いまこの国で大人になるということ』 紀伊國屋書店 2006.5 発売されたときから気になる本だった。教育学者の苅谷剛彦氏が、「さまざまな分野の第一線で活躍中の著者」を選び、「大人になる」ということをキーワードに自由に執筆してもらった…

不安と混沌/中世日本の予言書(小峯和明)

○小峯和明『中世日本の予言書:「未来記」を読む』(岩波新書) 岩波書店 2007.1 中世には、さまざまな予言の書「未来記」が作られた。社会の変化、価値観の動揺、戦乱、国際関係の緊張など、さまざまな不安要因を抱えて、人々は「未来記」なしには生きられ…