見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

のどかなオリエンタリズム/マイセン 西洋磁器の誕生(大倉集古館)

○大倉集古館 『開窯300年 マイセン 西洋磁器の誕生』展(2010年10月2日~12月19日) ヨーロッパで最初の磁器を誕生させた「マイセン工房」は、1710年、アウグスト強王によって創設され、後続のヨーロッパ各地の磁器窯の器形、文様、装飾技法を60年間リードし…

雨過天青雲破処/南宋の青磁(根津美術館)

○根津美術館 『南宋の青磁-宙(そら)をうつすうつわ』(2010年10月9日~11月14日) 青磁の展覧会といえば、2006年の出光美術館の『青磁の美』や2007年の静嘉堂文庫の『中国・青磁のきらめき』展を思い出す。まだ「やきもの」初心者だった私には、え?これ…

奇を好む人々/東文研公開講座「アジアの奇」

○東京大学東洋文化研究所 第10回公開講座『アジアを知れば世界が見える-アジアの奇』 ■菅豊「中国の『奇』の文化誌」 はじめに、中国・日本をフィールドに民俗学を専門としている菅先生から「奇とは何か」という総論的な講演。「奇」とは「普通とは異なる不…

書物の下に自らを置く/書誌学のすすめ(高橋智)

○高橋智『書誌学のすすめ:中国の愛書文化に学ぶ』(東方選書) 東方書店 2010.9 たとえば静嘉堂文庫や五島美術館が「古籍」を特集する展覧会を開催すると、私は欠かさず見に行く。日本の古書、華やかな料紙に散らされた古筆も美しいが、中国の古籍、四角い…

本屋カフェ/UCCカフェコンフォート(三省堂本店)

忙しい日々。ちゃんと仕事があって1日が過ぎていくのは悪くないが、ちょっとモタモタすると振り落とされる感じがする。 この週末も、実はいろいろと宿題を持ちかえってしまった。でも本も読みたいし、美術館も行きたいし。さて、2日間をどう過ごそう。 気分…

余白と遠近法/円山応挙 空間の創造(三井記念美術館)

○三井記念美術館 特別展『円山応挙 空間の創造』(2010年10月9日~11月28日) 余白を活かし、絵画という平面に奥行きのある立体的な世界を描き出した応挙の特質に注目する展覧会。前半では、応挙が若き日に描いた眼鏡絵を紹介。眼鏡絵とは、遠近法によって描…

梟雄の死/マンチュリアン・リポート(浅田次郎)

○浅田次郎『マンチュリアン・リポート』 講談社 2010.9 思い起こせば、私が「満洲某重大事件」(張作霖爆殺事件)を初めて知ったのは、小学生時代、愛読していた『学習漫画 日本の歴史』を通してだったと思う。マンガには、坊主頭の張作霖が、明日は奉天だ……

見もの・売りもの/東美特別展(東京美術倶楽部)

○東京美術倶楽部 『第18回東美特別展』(2010年10月15~17日) 東京美術商協同組合が主催する特別展示・販売会。毎年、この時期には「東美アートフェア」という3日間の展示即売会が行われている。一昨年、山下裕二氏のギャラリートークにつられて、初めて行…

自由と解放、そして幻滅/ポピュリズムへの反撃(山口二郎)

○山口二郎『ポピュリズムへの反撃:現代民主主義復活の条件』(角川Oneテーマ21) 角川書店 2010.10 私は、もともと政治に関心があるほうではない。90年ごろまで日本の政治状況は、素人があれこれ論ずる必要を感じなかった。小さなトラブルや対立はあっても…

川越祭り2010

埼玉に3年間住んでいて、あまりいいことはなかったが、川越祭りだけは楽しかった。誰に教えられたわけでもないが、通っているうちに、だんだん見どころが分かってきた。 「川越まつり」公式サイトを見ると、29台の山車が掲載されている。毎年、全ての山車が…

関西・秋の展覧会(4)おまけ:東大寺散歩

展覧会めぐりの合い間に、朝の東大寺を散歩した(10/10)。 立派な角の雄ジカ。しかし、10/10-11の2日間、恒例の「鹿の角切り」行事が行われ、今年は32頭の角が切られたというから、これが最後の雄姿だったかもしれない。 めずらしく人の姿のない裏参道。一…

描かれたイタリア/グランドツアー(岡田温司)

○岡田温司『グランドツアー:18世紀イタリアへの旅』(岩波新書) 岩波書店 2010.9 グランドツアーとは、イギリスの支配階級や貴族の子弟たちが教育の最後の仕上げとして体験する、数ヵ月から2年程度のイタリア旅行のこと。17世紀末に始まり、18世紀後半にピ…

関西・秋の展覧会(3):京博、大津市歴史博物館、名古屋城

■京都国立博物館 特別展覧会『高僧と袈裟-ころもを伝え こころを繋ぐ-』(2010年10月9日~11月23日) 3連休旅行、2日目の続きから。本展は「袈裟を通して見えてくる日本の仏教と染織の歴史を辿る、初めての試み」。この企画を知ったときは、あまりにマニア…

関西・秋の展覧会(2):奈良県立美術館、大和文華館

■奈良県立美術館 平城遷都1300年祭特別展『花鳥画-中国・韓国と日本-』(2010年9月28日~11月14日) 2日目は奈良からスタート。朝、久しぶりに平時の(特別な行事のない)東大寺を散歩したが、そのことは別稿としよう。本展は「古くから日本へ感銘を与えて…

関西・秋の展覧会(1):徳川美術館、名古屋市博物館

■徳川美術館+蓬左文庫 名古屋開府400年、徳川美術館・蓬左文庫開館75周年記念 秋季特別展『尾張徳川家の名宝-里帰りの名品を含めて-』(2010年10月2日~11月7日) この秋、注目は開府400年の名古屋である。遷都1300年の奈良なんて目じゃない(悪いけど)…

ユーラシアを駆ける/モンゴル帝国と長いその後(杉山正明)

○杉山正明『モンゴル帝国と長いその後』(興亡の世界史09) 講談社 2008.12 この夏、中国の内モンゴル自治区を旅行してきた。ジンギスカンの陵墓を訪ね、内蒙古博物院でモンゴルの歴史に関する出土文物や民俗資料を多数見た。そこで、この機会に少しモンゴル…

ドラマ『蒼穹の昴』日本語吹き替え版、始まる

○NHKドラマ『蒼穹の昴』(2010年9月26日~、全25回) 『蒼穹の昴』日本語吹き替え版の放送が、NHK総合テレビで始まった。2009年の春、日中共同制作を伝えるニュースにアクセスして以来、待ちに待っていた放送である。既に中国では、今年3月14日~27日に北京…

懐かしい小さな国/オランダ絵図(K・チャペック)

○カレル・チャペック著、飯島周訳『オランダ絵図』(カレル・チャペック旅行記コレクション)(ちくま文庫) 筑摩書房 2010.9 著者描く、オランダ風景の愛らしいイラストを多数収録した楽しい文庫本。オランダへは一度しか行ったことがない。それも仕事に追…

フィギュアスケート《ジャパンオープン2010/カーニバル・オン・アイス》

○ジャパンオープン2010/Japan Open 2010(2010年10月2日、13:00~)カーニバル・オン・アイス/Carnival on Ice(同、19:00~) また見に行ってしまった、フィギュアスケート。そっと書いておこう。私はアイスショー初体験が、この夏、新潟のFaOI(Fantasy on…

発明も世につれ/公文書にみる発明のチカラ(国立公文書館)

○国立公文書館 平成22年度秋の特別展『公文書にみる発明のチカラ-明治期の産業技術と発明家たち-』(2010年10月2日~10月21日) 毎年楽しみにしている国立公文書館の特別展。冒頭には、第1回・第2回内国勧業博覧会の会場図が広げられている。博覧会→発明?…

「話せばわかる」人になる/ヒューマニティーズ 歴史学(佐藤卓己)

○佐藤卓己『歴史学』(ヒューマニティーズ) 岩波書店 2009.5 発行元の岩波書店のサイトに行ってみても、詳しいことは書かれていないが、たぶん本シリーズは、主にこれから人文科学(ヒューマニティーズ)を学ぼうとする若い世代に向けて執筆されたのではな…