見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

碁盤の上の姫君/出光美術館

○出光美術館『源氏絵―華やかなる王朝の世界―』 http://www.idemitsu.co.jp/museum/ 源氏物語の世界を視覚化した作品、特に室町~江戸の屏風絵を多数展示している。コマ仕立ての名場面を区切る金泥の雲が美しい。うーむ。しかし私は「源氏物語」って、平安の…

九博への期待/東京国立博物館

○東京国立博物館 特集陳列『ホップ・ステップ・九博』展 http://www.tnm.jp/ ”九州大好き!”な私は、2005年10月の九州国立博物館の開館を心待ちにしている。そこで、今回の特集陳列を、さっそく覗きに行ってきた。そしたら入口付近は「唐招提寺展」と「踊る…

個性際立つ十大弟子/金沢文庫

○神奈川県立金沢文庫開館75周年記念特別展『仏教美術の華』 http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm 金沢文庫は、毎年、この時期に仏教美術に関する企画展示会をやっているはずだ。毎年、通りみちの民家の梅の咲き具合を気にしながら訪ねてい…

ネット言葉と聯想のPC(記事2題)

■「ネット言葉」は表現の破壊? それとも進化?(Hotwired Japan, 2005/02/22) http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20050225206.html 私は大学で国文学を学び、塾と学校で、小学生、中学生、高校生に国語を教えたこともある。今でも「言語」とい…

市場への抵抗/自由を耐え忍ぶ

○テッサ・モーリス-スズキ『自由を耐え忍ぶ』岩波書店 2004.10 テッサさんの本を「おかわり」って感じでもう1冊。 本書の主要テーマは、自由=自由市場主義の容赦ない拡大と深化が、世界の各地で、とりわけ貧しい国々で、人々の生活と生命を脅かしているこ…

すでに佳境の《白銀谷》

○電視連続劇『白銀谷』全45集 http://ent.sina.com.cn/v/f/byg/index.html 例によってCCTVの古装劇。全45集の半ばを過ぎたところから見始めた。放映開始から気にはなっていたのだが、複数のドラマを並行して見始めるとキリがないので、『人生幾度秋涼』の終…

メディアに学ぶ歴史/過去は死なない

○テッサ・モーリス-スズキ『過去は死なない:メディア・記憶・歴史』岩波書店 2004.8 (以下は、厳密には公言してはいけないことだが)私は、数年前、つとめていた図書室のカウンター越しに著者と対面したことがある。彼女は写真に関する図書を大量に借りて…

歩き始める民主主義/大統領の理髪師

○イム・チャンサン監督 映画『大統領の理髪師』 http://www.albatros-film.com/movie/barber/ 先月、京都の高麗美術館に行ったとき、「セヌリ」という在日韓国・朝鮮人向けらしい無料のミニコミ誌が置いてあった。「パッチギ!」の特集があったので貰ってき…

「自己責任」再考/日常・共同体・アイロニー

○宮台真司、仲正昌樹『日常・共同体・アイロニー:自己決定の本質と限界』双風舎 2004.12 2004年2月、3月、5月、6月の4回に渡って、三省堂本店で行われたトークセッションの記録である。なんだか「拾いもの」的におもしろかった。宮台真司の本はときどき読ん…

モダン・ライフ/芹沢介展

○そごう美術館(横浜そごう)『生誕110年 芹沢介展-用の美に魅せられた生涯-』 http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/index.html 日本民藝館でこの展覧会を知って、ふらりと出かけた。芹沢介は「民藝」同人のひとり。沖縄の紅型(びんがた) に学び…

伊万里ふたたび/戸栗美術館

○戸栗美術館 『館蔵 古伊万里、色絵の誕生と変遷』 http://www.toguri-museum.or.jp/ 性懲りもなく、また伊万里を見に行ってきた。戸栗美術館は、昭和62年に旧鍋島藩屋敷跡地(!)に開館した古陶磁専門の美術館だというが、これまでこの方面に興味がなかっ…

ムコクセキ・モダン/日本民藝館

○日本民藝館 特別展『大津絵』 http://www.mingeikan.or.jp/ 週末、思い立って駒場の日本民藝館に出かけたのは、特別展『大津絵』に惹かれたわけではなく、『藤森照信の特選美術館三昧』を読んだためである。 同書の著者は、民藝館の外装にふんだんに用いら…

藤森照信の特選美術館三昧

○藤森照信著、藤塚光政写真『藤森照信の特選美術館三昧』TOTO出版 2004.6 私は美術品を見るのが好きで、美術館にはよく足を運ぶ。それから、建築を見るのも好きだ。しかし、美術館自体を建築として見ることには、これまであまり熱心でなかった(例外は、著者…

語られる性/感じない男

○森岡正博『感じない男』(ちくま新書)筑摩書房 2005.10 なぜ私はミニスカに欲情するのか。なぜ制服に惹かれるのか。私にとってポルノとは何か。なぜ私はロリコンの気持ちが分かるのか。 著者は生命学を専門とする大阪府立大学のセンセイ(教授)であり、こ…

俳句的な写真/新・正体不明

○赤瀬川原平『新・正体不明』東京書籍 2004.10 赤瀬川さんが町で見つけた「気になるもの」「気になる風景」に短い文章を添えた写真集。書店で立ち読みしてもすぐ終わってしまうほどの分量だが、やっぱり手元に欲しくて買ってしまった。 著者が語っているとお…

吉野の寺社/大日寺

○日雄山大日寺(奈良県吉野郡吉野町) 先々週のことになってしまうが、久しぶりに訪ねた吉野では、蔵王堂で時間をとられ、あまり多くの寺社に詣でることができなかった。唯一、収穫だったのが、この大日寺である。 スタンダードな観光ガイドには載っていない…

大結局《人生幾度秋涼》

○連続電視劇 『人生幾度秋涼』31集 春節快楽! 今日は旧正月の元旦なので中国ネタで。 昨年の秋から見ていたこのドラマが、先週の日曜日に終わった。盛り上がって、劇的な最終回だった。主人公の富嗣隆を演ずる張鉄林、敢えて、老醜をさらし、不様な最期を受…

祀る国、戦う国/国家と祭祀

○子安宣邦『国家と祭祀:国家神道の現在』青土社 2004.7 戦う国家とは、祀る国家である。国家は、国に命を捧げる国民を必要とし続ける。だから、英霊を顕彰する祭祀システムの整備は「国家安全保障政策上の第一級の課題」であり、それゆえ、イラク派兵を推進…

若冲の承天閣美術館

○承天閣美術館 常設展 http://www.shokoku-ji.or.jp/jotenkaku/ 北山の高麗美術館を訪ねたあとで、相国寺境内にある承天閣美術館に足を伸ばした。ここも以前から来たい来たいと思っていたが、初めての訪問である。玄関で靴を脱ぐ。スリッパがないので躊躇し…

高麗美術館と洛北の神社

○高麗美術館 冬季企画展『朝鮮の「四君子」-梅・蘭・菊・竹-』と常設展 http://www.koryomuseum.or.jp/default.htm 高麗美術館の存在は以前から知っていたが、なかなか訪ねてみる機会がなかった。最近、関西に行く機会が増えて、有名どころは回りつくした…

暴力的な息子たち/パッチギ!

○井筒和幸監督 映画『パッチギ!』 http://www.pacchigi.com/ 先々週の封切り以来、気になっていた『パッチギ!』をようやく見てきた。客席は人影がまばらで拍子抜けした。まあ、午前中の回だったので、あんなものかもしれないけど。ひとりで来ている50代か6…

中世に遊ぶ/日本史の快楽

○上横手雅敬『日本史の快楽:中世に遊び、現代を眺める』(角川ソフィア文庫)角川書店 2002.5 元来、雑誌「週刊現代」に連載されていたものだという。へえ、あの雑誌にこんな高尚なコラムが連載されていたとは、ちょっと意外な感じがした。 私は「源平」「…

仏像と写真/京都国立博物館

○京都国立博物館 新春特集陳列『仏像と写真』 http://www.kyohaku.go.jp/ 京都国立博物館の新春特集のひとつ。仏像とその写真を併せて展示し、鑑賞してみようという試み。見る角度やライティングにこだわることによって、ふだん信仰の対象である仏像を、「美…

平安仏画勢ぞろい/京都国立博物館

○京都国立博物館 新春特集陳列『十二天画像と山水屏風-平安の雅-』 http://www.kyohaku.go.jp/ 新春特集とは言いながら、あまりの贅沢さに、涙が出るほどびっくりした。私はこの「十二天」掛幅画が大好きなので、このうち数点でも見られるなら、東京から新…