見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

パンを求めて/ロシア革命(池田嘉郎)

〇池田嘉郎『ロシア革命:破局の8か月』(岩波新書) 岩波書店 2017.1 今年2017年は、ロシア革命から100年目に当たる。そのことに気づいて本書を読んでみたが、難しかった。旧勢力側は皇帝ニコライ二世、革命勢力はレーニンとトロツキーくらいしか名前を知ら…

適正な働きかた/正社員消滅(竹信三恵子)

〇竹信三恵子『正社員消滅』(朝日選書) 朝日新聞出版 2017.3 竹信さんの本は『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書 2009.4)『ルポ賃金差別』(ちくま新書 2012.4)などを読んできた。いま、これらの感想を読み返してみたら「あまり感心しない本だった」「あまり…

大阪あいりん地区の経験/貧困と地域(白波瀬達也)

〇白波瀬達也『貧困と地域:あいりん地区から見る高齢化と孤立死』(中公新書) 中央公論新社 2017.2 東京育ちの私も「あいりん地区」の名前くらいは聞いたことがある。たぶん「愛隣」なのだろうと推測していたが、それが正しかったことを初めて確認できた。…

裁判官の仕事と胸のうち/裁判の非情と人情(原田國男)

〇原田國男『裁判の非情と人情』(岩波新書) 岩波書店 2017.2 著者の名前は全く知らなかった。オビの紹介文を見て、裁判官のエッセイだと知り、ぱらぱら中をめくって、読みやすそうだったので読んでみた。原田國男(1945-)は、刑事を専門とする日本の裁判…

爆弾低気圧の夜/函館の大火(宮崎揚弘)

〇宮崎揚弘『函館の大火:昭和九年の都市災害』 法政大学出版局 2017.1 東京の大型書店で、めずらしい主題の本を見つけて、思わず買ってしまった。まあ法政大学出版局の本だから、東京で売られていてもおかしくはないが、ローカルな災害の調査記録である。昭…

空襲は怖くない/「逃げるな、火を消せ!」戦時下トンデモ「防空法」(大前治)

〇大前治 『「逃げるな、火を消せ!」戦時下トンデモ「防空法」』 合同出版 2016.11 かつて「防空法」という法律があったことを、私は、2013年下半期のNHKの朝ドラ「ごちそうさん」で知った。主人公のめ以子の夫である西門悠太郎は、大阪市役所の建築課に勤…

意図しない交流/漂流ものがたり(国立公文書館)

〇国立公文書館 企画展『漂流ものがたり』(2017年1月14日~3月11日) なんとか最終日に間に合って見てきた。最近の公文書館は、狭くテーマをしぼった資料展示をいろいろやっているが、これは私の日頃の関心とピタリ合っていて、とても面白かった。海に囲ま…

昭和生まれの犯罪簿/殺人者はそこにいる(「新潮45」編集部)

〇「新潮45」編集部編『殺人者はそこにいる:逃げ切れない狂気、非情に13事件』(新潮文庫) 新潮社 2002 実はこの本、清水潔さんの『殺人犯はそこにいる』を探していて、間違えて購入してしまった。同じ新潮文庫で、ここまで似た題名で、しかも著者記号まで…

春近し札幌:片岡球子(北海道近美)+あったかい住まい(北海道博物館)

■北海道立近代美術館 特別展『片岡球子 本画とスケッチで探る画業のひみつ』(2017年1月4日~3月20日) 週末、久しぶりに北海道に行ってきた。むかしの仕事仲間が集まる飲み会が目的だった。土曜の午後は、約束の時間まで少し余裕があったので、この展覧会を…

阿蘭陀人と唐人/長崎版画と異国の面影(板橋区立美術館)

〇板橋区立美術館 『江戸に長崎がやってきた! 長崎版画と異国の面影』(2017年2月25日~3月26日) 長崎版画とは、オランダ船や唐船など、異国趣味に溢れた長崎の風物に題材を求めた版画で、18~19世紀に長崎で版行され、主に土産物として親しまれた。蘇州版…

なごみと新奇のうつわ/古唐津(出光美術館)

〇出光美術館 開館50周年記念『古唐津-大いなるやきものの時代』(2017年2月11日~3月26日) 「出光コレクション草創期を代表する古唐津コレクションから、約180件を厳選し、展観」という。180件ってほんと?と疑ったが、行ってみたら、確かに見れども見れ…