見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2023-01-01から1年間の記事一覧

後に残る者たちへ/中華ドラマ『一念関山』

〇『一念関山』全40集( 檸檬影業、愛奇藝、2023年) 架空の王朝を舞台にした武侠劇。中原では、梧国・安国という2つの強国が覇権を争っていた。戦いに敗れた梧国皇帝は安国の捕虜となり、安国は梧国に対して、十万両の身代金を携えて迎帝使として皇子を寄こ…

日本人と日本文化の起源/縄文人と弥生人(坂野徹)

〇坂野徹『縄文人と弥生人:「日本人の起源」論争』(中公新書) 中央公論新社 2022.7 本書のオビの表面には、縄文人と弥生人の復元模型の顔写真を並べて、大きな赤字で「日本人とは何者か?」と書かれていた。裏面には「縄文人と弥生人はいかなる人びとであ…

晴れの日の装い/繍と織(根津美術館)

〇根津美術館 企画展『繍(ぬい)と織(おり):華麗なる日本染織の世界』(2023年12月16日~2024年1月28日) 初代・根津嘉一郎の蒐集品を中心に、法隆寺や正倉院伝来の上代裂、袈裟や打敷などの仏教染織、唐織や縫箔といった能装束、そして江戸時代の小袖ま…

2023東京ジャーミーから笹塚へ歳末散歩

今夜はクリスマスイブ。机の上には去年、ロフトで買った安物のツリー。アラブ・トルコのお菓子をデザートにいただく。 昨日、代々木上原のモスク(東京ジャーミー)の「パレスチナ・デー」と題したイベントに行って買ってきたもの。訪ねたのが午後の遅い時間…

2023年8-12月展覧会拾遺(東博の展示から)

東京国立博物館の展示から。 ■東洋館8室 特集『中国書画精華-日本におけるコレクションの歴史』(前期:2023年10月31日~11月26日)(2023年11月28日~12月24日) 毎年恒例の特集展示。今年は前期・後期とも、伝来の時期による「古渡り」「中渡り」「新渡り…

2023年8-12月展覧会拾遺

書き洩らし展覧会レポートの振り返り。 ■泉屋博古館東京 特別企画展『日本画の棲み家-「床の間芸術」を考える』(2023年11月2日~12月17日) 明治時代以降、西洋に倣った展覧会制度の導入は、床の間や座敷を「棲み家」とした日本絵画を展覧会場へと住み替え…

陶磁器あれこれ/青磁(出光美術館)、古伊賀(五島美術館)他

レポートを書きそびれた展覧会が溜まっているので、思い出せるものから書いてみる。 ■出光美術館 『青磁-世界を魅了したやきもの』(2023年11月3日~2024年1月28日) 青磁の誕生前夜の灰釉陶器から、漢時代に成熟し始める越州窯、日本人が愛してやまない龍…

中国の多元性/物語 江南の歴史(岡本隆司)

〇岡本隆司『物語 江南の歴史:もうひとつの中国史』(中公新書) 中央公論新社 2023.11 「江南」は、一般的には長江下流部の南方を指す用語だが、本書ではもう少し広く、中国語の「南方」の意味で使っている。北方=中原がまさに「中国」であるのに対して、…

鳥取土産「白バラのシュトーレン」

鳥取土産、大山乳業の「白バラのシュトーレン」を開封。 表面にはシュガーパウダーがたっぷり!生地は、たぶんドイツ伝統の焼き方に比べると、軽め、やわらかめ。スパイスやラム酒の風味もあまり強くない。 日本人の好みに寄せた「和風」のシュトーレンとい…

日中近代史の記憶/偉人たちの邂逅(大倉集古館)

〇大倉集古館 企画展・大倉組商会設立150周年『偉人たちの邂逅-近現代の書と言葉』(2023年11月15日~2024年1月14日) 明治6(1873)年の大倉組商会設立から150年を数えた本年、創設者・大倉喜八郎と、嗣子・喜七郎による書の作品とともに、事業や文雅の場…

国宝と天体望遠鏡/皇室のみやび、他(皇居三の丸尚蔵館)

〇皇居三の丸尚蔵館 開館記念展『皇室のみやび-受け継ぐ美-』(第1期:三の丸尚蔵館の国宝)(2023年11月3日~12月24日) 三の丸尚蔵館は、皇室ゆかりの文化財等を展示・公開する施設である。私は、ずっと昔から(戦後すぐくらいから)存在した施設のよう…

画家と刑事のバディ/中華ドラマ『猟罪図鑑』

〇『猟罪図鑑』全20集(愛奇藝、檸檬影視、2022年) 中国では2022年公開。日本でも同時期から『猟罪図鑑~見えない肖像画~』のタイトルで知られているのは、そうか、国際版プラットフォームで日本語字幕版が配信されているためか、と気づき、いい時代になっ…

2023年12月鳥取砂丘と駅前歩き

先週は木・金と鳥取出張だった。私費で後泊をつけて、土曜は現地の知人に鳥取砂丘を案内してもらった。鳥取砂丘は、たぶん20年以上前に、やはり仕事で鳥取に来たついでに観光したことがある。 この日は山陰の12月とは思えない青空だった。馬の背と呼ばれる大…

クリスマスリース2023

今年も幡ヶ谷のラベイユ四季という花屋さんで、手作りのクリスマスリースを買ってきた。 いまブログを検索したら、途中(北海道で暮らした期間)中断はあるものの、2008年から写真を掲載している。年に1回のお付き合いだが、顔なじみのおばさんに会えて嬉し…

徽宗の猫と桃鳩/北宋書画精華(根津美術館)

〇根津美術館 特別展『北宋書画精華』(2023年11月3日~12月3日) 日本に伝存する北宋時代(960~1127)の書画の優品を一堂に集めた展覧会。「きっと伝説になる」をキャッチコピーに、力の入った展覧会で、北宋の絵画作品21件(墨摺、関連作品を含む)、経巻…

覇者の交代/都会の鳥の生態学(唐沢孝一)

〇唐沢孝一『都会の鳥の生態学:カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰』(中公新書) 中央公論新社 2023.6 千葉県市川市に住み、都立高校に勤める著者が、半世紀以上にわたって「都市鳥」を観察してきた経験をまとめたもの。都市鳥とは、都会に生息…

絶望、たまにハッピーエンド/円(劉慈欣)

〇劉慈欣;大森望、泊功、齊藤正高訳『円:劉慈欣短編集』(ハヤカワ文庫) 早川書房 2023.3 『三体』の劉慈欣の短編集。1997年に発表されたデビュー作『鯨歌』から2014年の『円』まで13編を発表順に収録する。豪華なクルーズ船に乗った謎の西洋人たちが登場…

柏原・八幡神社の薬師如来とギャラリートーク(東京長浜観音堂)

〇東京長浜観音堂 『薬師如来立像(高月町柏原・八幡神社蔵)』(2023年11月1日~11月30日) 令和5年度第3回展示の薬師如来立像を見てきた。たまたま18日に訪問したら「18日は観音様のご縁日ですので」ということで、あま茶のティーバッグをいただいた。今期…

浅はかさといじらしさ/文楽・冥途の飛脚

〇国立文楽劇場 令和5年11月文楽公演 第3部(2023年11月8日、17:45~) ・近松門左衛門三〇〇回忌『冥途の飛脚(めいどのひきゃく)・淡路町の段/封印切の段/道行相合かご』 今秋の大阪公演は行かれないかな、と思っていたのだが、直前に調整をつけて、見…

人生の黄昏に/中華ドラマ『漫長的季節』

〇『漫長的季節』全12集(企鵝影視、2023年) 今年前半、中国で大ヒットを記録したサスペンスドラマ。見たいドラマが途切れた隙をねらって、一気に見てみた。確かに上質なヒューマンドラマだが、豆瓣(視聴者投票)9.5は高すぎではないかと思う。いまWOWOWで…

2023深川・富岡八幡宮の酉の市

今年は勤労感謝の日の11月23日が二の酉だった。昼間出かけていたので、夕食後にもう一度、外に出るのは億劫だったが、あまり寒くないのを幸い、近所の富岡八幡宮まで歩いて出た。 例によって、人出は少ない。熊手を売る店は4~5軒ほど、参道の入口にベビーカ…

看板に偽りなし/秘蔵!重要文化財「長谷雄草紙」全巻公開(永青文庫)

〇永青文庫 秋季展『秘蔵!重要文化財「長谷雄草紙」全巻公開-永青文庫の絵巻コレクションー』(2023年10月7日~12月3日) 私の大好きな『長谷雄草紙』が「全巻公開」って本当?と疑いながら、会期が始まってすぐに見にいったら本当だった。そろそろ終了な…

門前仲町でごはん屋呑み再訪

友人二人と、久しぶりに門前仲町の「ごはん屋 おゝ貫」(大貫)に行った。前回(2023年2月)より、コースの値段設定がお高めに変更されていたのは、時節柄、やむをえないところ。味とボリュームは文句なし。 「売り」は羽釜炊きのごはんなんだけど、私は、素…

銀座でドラマ『大奥』衣装展を見る

このブログでは、日本のドラマのことを書かなくなって久しいが、全く見ていないわけではない。いまはNHKドラマ10『大奥』を、けっこう熱心に見ている。原作は読んだことがなかったが、森下佳子さん脚本のドラマは、だいたい私の好みに合う。先週末、銀座蔦屋…

強がりと気苦労/王朝貴族と外交(渡邊誠)

〇渡邊誠『王朝貴族と外交:国際社会のなかの平安日本』(歴史文化ライブラリー) 吉川弘文館 2023.3 中国史に関する本を読んでいると、当時、日本の状況はどうだったんだけ?というのが気になる。たまたまSNSに情報が流れてきた本書が面白そうだったので読…

2023年11月関西旅行:明恵上人伝(和歌山県博)、宗達(久保惣美術館)他

■和歌山県立博物館 生誕850年記念特別展『紀州・明恵上人伝』(2023年10月14日~11月26日) 関西旅行3日目は、行けたら行きたいと思っていた展覧会を行きあたりばったりで回る。朝から南海電鉄で和歌山へ。きれいになった和歌山市駅に下りるのは2回目だが、…

2023年11月関西旅行:東大寺法華堂、長沢芦雪(中之島)他

■東大寺法華堂(三月堂) 『秘仏 国宝・良弁僧正坐像特別拝観』(2023年10月28日〜11月19日) 関西旅行2日目は、朝8:00開館の奈良博の正倉院展に飛び込もうと思っていたのだが、前日、十分楽しめたので予定を変更。「東大寺開山良弁僧正1250年御遠忌法要」の…

2023年11月関西旅行:いぬねこ彩彩(大和文華館)、正倉院展(奈良博)

■大和文華館 特別展『いぬねこ彩彩(さいさい)-東アジアの犬と猫の絵画-』(2023年10月7日~11月12日) 関西旅行初日、京都から移動して奈良方面へ。本展観では、中国、朝鮮半島、日本における、12~20世紀に制作された犬図・猫図を通して、東アジアにお…

2023年11月関西旅行:東福寺(京博)、東寺宝物館

■京都国立博物館 特別展『東福寺』(2023年10月7日~12月3日) 春に東博で見た展覧会だが、もう一回見て来た。はじめは開山の聖一国師・円爾と、その師匠である無準師範を中心に東福寺創建の歴史を振り返る。東博の展示構成も同じだったと思うのだが、京博の…

2023年11月関西旅行:奈良・陰陽町

週末に有休を1日足して、関西大旅行(京都~奈良~大阪~和歌山)をしてきた。2日目は朝から奈良博の正倉院展を見るつもりだったが、1日目にうまく見ることができてしまったので予定変更。先月、歴博の展示『陰陽師とは何者か』を見て以来、ずっと気になっ…