見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「共働き社会」を目指して/仕事と家族(筒井淳也)

○筒井淳也『仕事と家族:日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか』(中公新書) 中央公論新社 2015.5 特に話題になった記憶がないのだが、非常に面白かった。歴史的視点と国際比較を踏まえて、日本の「仕事と家庭のありかた」を論じ、今後進むべき道を考えた…

アイスショー"Fantasy on Ice 2016 幕張"

○Fantasy on Ice 2016 in 幕張(2016年5月28日14:00~) 昨年は計3回も見に行って大満足だったアイスショーFaOI(ファンタジー・オン・アイス)。今年も当然、見に行くつもりでチケット発売日を待ち構えていたら、瞬殺で完売してしまった。仕方ないのでチケ…

文楽・絵本太功記

○国立劇場 平成28年5月文楽公演(5月14日、17:00~) ・『絵本太功記(えほんたいこうき)・本能寺の段/妙心寺の段/夕顔棚の段/尼ヶ崎の段』 5月の公演は、文楽鑑賞教室と重なったせいか、日数が少なく、いい席が取れなかった。主力の太夫さんや人形遣いの…

貧民・娼妓・女工/東京の下層社会(紀田順一郎)

○紀田順一郎『東京の下層社会』(ちくま学芸文庫) 筑摩書房 2000.3 明治初期から昭和戦前にかけての都市層の実態を探り、そこから焙り出しにされる日本の社会福祉思想の特異な性格や政策面での限界を究明しようとしたもの。実態の記述は、著者の紀田順一郎…

生物学の学び方/カラスの補習授業(松原始)

○松原始『カラスの補習授業』 雷鳥社 2015.12 前著『カラスの教科書』(2013年)が面白かったので、職場でずいぶん吹聴してまわった。その結果、まわりの同僚は、私をいっぱしのカラス好きと思い込んだフシがある。あれから3年、職場と住環境が変わって、カ…

変わるボーダー/入門 国境学(岩下明裕)

○岩下明裕『入門 国境学:領土、主権、イデオロギー』(中公新書) 中央公論新社 2016.3 境界研究(ボーダー・スタディーズ)という学問があるのだという。初めて知った。本書は、はじめに著者が実際に体験してきた世界各地の国境や境界地域(ボーダーランズ…

今年も300歳/雑誌・芸術新潮「若冲・水墨ニューウェイヴ」

○雑誌『芸術新潮』2016年5月号「若冲・水墨ニューウェイヴ」 新潮社 2016.5 表紙では一直線に急降下する叭々鳥が「今年も300歳だぜぇ、ハッハー」とつぶやいている。「今年も」ってなんだよ、「も」って。誤植じゃないのか?と思ったら、1716年生まれの伊藤…

42の事例から/研究不正(黒木登志夫)

○黒木登志夫『研究不正:科学者の捏造、改竄、盗用』(中公新書) 中央公論新社 2016.4 研究不正の防止について、文科省が大学に対し、うるさく対応を求めていることは知っていた。しかし、個人的には、2014年にSTAP細胞問題があったなーくらいの関心しかな…

淵源を探る/日本会議の研究(菅野完)

○菅野完『日本会議の研究』(扶桑社新書) 扶桑社 2016.4 最近の政治状況をネットで追いかけていると「あのひとは日本会議の…」という話をよく聞く。議員、もしくは有識者(政府の諮問委員会メンバーなど)で、憲法に関して、あるいは教育、家族・男女共同参…

守成のトップリーダー/貞観政要(守屋洋訳)

○呉競;守屋洋訳『貞観政要』(ちくま学芸文庫) 筑摩書房 2015.9 このところ見ていたドラマ『隋唐演義』に影響されて読んでみた。「貞観政要」は唐太宗(李世民、598-649)の言行録である。太宗の死後40~50年後、史家の呉兢(670-749)によって編纂された…

中華ドラマ『隋唐演義』2013年版、看完了

○『隋唐演義~集いし46人の英雄と滅びゆく帝国~』全62集(2013年、浙江永楽影視制作有限公司) 久しぶりに中国ドラマが見たくなって、いろいろ探しているうち、この作品に行きついた。YouTubeで中国語版も見つけたが、GYAO!ストアで日本語字幕版を購入しな…

墨画もおすすめ/我が名は鶴亭(神戸市立博物館)

○神戸市立博物館 特別展『我が名は鶴亭(かくてい)~若冲、大雅も憧れた花鳥画(かっちょいいが)!?~』(2016年4月9日~5月29日) ちょっと若冲を思わせる雰囲気の花鳥画を描く鶴亭という画家。気になってはいたが、まさかこんな大々的な回顧展が開かれよ…

オールスターズ/王羲之から空海へ(大阪市立美術館)

■大阪市立美術館 特別展 大阪市立美術館開館80周年記念、公益社団法人日本書芸院創立70周年記念『王羲之から空海へ-日中の名筆 漢字とかなの競演』(2016年4月12日~5月22日) 大阪市立美術館にはよく来ていると思っていたが、振り返ったら2014年7月以来の…

禅文化の香気/禅-心をかたちに-(京都国立博物館)

○京都国立博物館 特別展覧会 臨済禅師1150年、白隠禅師250年遠諱記念『禅-心をかたちに-』(2016年4月12日~5月22日) 連休の前半(4月末)に行った展覧会について、思い出せる限り書いておく。京博は本館が休館中のため、新館(常設展示館)でこの特別展…

台湾旅行余話2・故宮博物院(台北)一日遊

○國立故宮博物院(台北)(2016年5月5日) 見て歩いた順に、記憶をたどりながらレポートする。 【103,104室】「唵嘛呢叭咪吽(オンマニペメフン)-国立故宮博物院所蔵チベット仏教文物特別展」 朝イチだったので人がいなかった。はじめに、あまりチベットふ…

台湾旅行余話・霹靂(ピリ)系列布袋劇

明日から仕事なのに、台湾の人形劇(布袋戯)のことが気になって、いろいろ調べている。布袋戯は中国・台湾の民間芸能の一つ。むかし、シンガポールの街頭で実際に見たことがある。侯孝賢の『戯夢人生』(1993年)は、布袋戯の名人の半生を描いた映画だった。…

台湾旅行2016【最終日】台北→羽田

昨日のうちにお土産のパイナップルケーキ(李製餅家)も購入済みなので、荷物のパッキングを済ませ、朝はホテル周辺をちょっとだけ散歩に行く。 朝食は駅前地下街で、連日こんな感じ。10年以上前に台湾に来たときは、やっぱり台北駅周辺で、店先で出来立てサ…

台湾旅行2016【3日日】安平、台南

台湾旅行3日目は台北→台南日帰り。前日、窓口で高鉄(台湾高速鉄道)のチケットを買っておいた。 高鉄台南駅に着くと、駅前は何だか閑散とした広場で、おとなしい野犬が気持ちよさそうに寝ていた。 まず安平に行こうと思い、タクシーで「安平古堡」に連れて…

台湾旅行2016【2日日】台北故宮博物院

泊まったホテルは台北駅正面の「五鉄秋葉原(Wutu Akiba Mall)」という商業ビルの中にあった。 2日目の予定は故宮博物院の観光のみ。MRT士林駅前から、関二哥の勧めるバスに乗る(関羽がこんなにイケメンでいいのか)。 故宮博物院は8時30分開館だが、さす…

台湾旅行2016【初日】羽田→台北(龍山寺、迪化街)

ひとりで3泊4日の台湾旅行に行ってきた。 思い立ったのは3月頃。このところ仕事が忙しくて、ゆっくり遠出ができないストレスを感じていたのと、2月の台南地震の後、観光で台南を応援しようという趣旨の「#台南はいいぞ」タグを眺めているうち、台南に(つい…

2016年4月展覧会拾遺@関西、東京

明日から台湾に行ってきます。海外に完全な一人旅に行くのは十数年ぶり? まあ台湾なら、なんとかなるでしょう。(前回も台湾だった) 3-4月に行った東京の展覧会。 ・国立西洋美術館 『カラヴァッジョ展』(2016年3月1日~6月12日) ・国立公文書館 平成28…

震災と苦しみを超えて/語り出す奈良(西山厚)

○西山厚『語り出す奈良:118の物語』 ウェッジ 2015.10 近所(茨城県)の書店で見つけて買った。京都の本は全国どこでも売っているけど、奈良の本は少し珍しいように思った。著者の名前にはもちろん覚えがあった。奈良国立博物館の学芸部長として、数々の特…

なつかしの風林火山/武田二十四将(山梨県立博物館)

○山梨県立博物館 開館10周年記念特別展『武田二十四将-信玄を支えた家臣たちの姿-』(2016年3月19日~5月23日) 武田信玄を支えた家臣として著名な「武田二十四将」を中心に、彼らの古文書、武具や肖像などの関連資料をとおして、その実像に迫る展覧会。ち…