見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

堂々赤天狗/たばこと塩の博物館

○たばこと塩の博物館 特別展『広告の親玉 赤天狗参上! ~明治のたばこ王 岩谷松平~』 http://www.jti.co.jp/Culture/museum/WelcomeJ.html とりあえず、上記のUIRLをクリックして、気合の入った公式サイトを見ていただきたい。赤い軍服に身を包み、奇想天…

決定版!古筆ガイド/ひらがなの謎を解く(芸術新潮)

○「特集・古今和歌集1100年 ひらがなの謎を解く」芸術新潮2006年2月号 昨年から今年にかけて、『書の至宝』『歌仙の饗宴』などの展覧会で、古筆(仮名)の魅力に目覚めた人は多いと思う。私も、以前から控えめに古筆好きを表明していたとはいえ、短期間で、…

1月の小特集いくつか/東京国立博物館

○東京国立博物館 http://www.tnm.jp/ ■本館・歴史資料室 特集陳列『博物館誕生』 毎度、ひいきにしている「日本の博物学シリーズ」の新企画である。昨年、『博物館の誕生:町田久成と東京帝室博物館』という本を読んだ。東京帝室博物館(東京国立博物館の前…

しなやかなメディア/和本入門(橋口侯之介)

○橋口侯之介『和本入門:千年生きる書物の世界』 平凡社 2005.10 仕事の関係で、最近、和本に触れる機会が多くなった。面白くてありがたいが、分からないことが多い。初心者にも読めて実用的な案内書はないものか、と思っていたとき、新刊書の棚で本書を見つ…

丸善のハヤシオムライス

丸善本店の4階「MC Cafe」では、ハヤシライスが人気メニュー。 丸善の創業者、早矢仕有的(はやし・ゆうてき)が考案したと言われているそうだ。 ↓ハヤシオムライスは、白いご飯にふんわり卵が載っている。 ソースは見た目よりさっぱりした味で、美味い。 あ…

福沢諭吉と論語/慶應義塾図書館貴重書展

○丸善本店 慶應義塾図書館貴重書展『論語の世界-現代に生きる論語-』 http://www.maruzen.co.jp/home/tenpo/keio/keio_top.html 会期の短い展覧会なので、取り急ぎ、書いておこう。慶應義塾図書館が所蔵する貴重図書を、丸善のギャラリーで展示する展覧会…

日米開戦への経緯/近衛時代(松本重治)

○松本重治著、蝋山芳郎編集『近衛時代:ジャーナリストの回想』(上下)(中公新書) 中央公論社 1986.1-1987.1 戦前、同盟通信の上海支社長を務めた松本重治氏の回想録。日中戦争の勃発、上海事変、南京事件を経て、1938(昭和13)年に上海を離れるまでを描…

凍れる音楽・書の至宝/東京国立博物館

○東京国立博物館 特別展『書の至宝-日本と中国』 http://www.tnm.jp/ 最近、ようやく「書」を見ていても飽きなくなった。「書」を見るには、一瞬の印象も大事だが、筆の運びに表現された緩急を、ゆっくり追体験してみることが大切なのではないか。「書」は…

雪の東京国立博物館

東京は、雪の土曜日。 お昼近くに布団を抜け出して、よし、鎌倉の雪景色の写真でも撮りに行くか、と思って新宿に出た。そうしたら、既に湘南新宿ラインは運休中。 そこで、計画を変更し、上野に向かった。だいたい月に1度は来ている東京国立博物館だが、こん…

文化研究への接続/ディスクールの帝国(金子明雄)

○金子明雄ほか編『ディスクールの帝国:明治30年代の文化研究』 新曜社 2000.4 明治30年代の文学と文化事象に関する、12人の論文を集めたもの。取り上げられているテーマは「裸体画論争」「公衆衛生と伝染病研究所」「百貨店の女性」「食道楽マニュアル」「…

胡麻のシフォン・ケーキ

昨年、日本橋に開館した三井記念美術館に、初めて行ったときから、瀟洒なミュージアム・カフェがあることには気づいていた。 先週末、このカフェで、胡麻のシフォン・ケーキを賞味。美味でした~!! しかも大きい。写真の朱の塗皿は、実は、カレー皿くらい…

お江戸・日本橋絵巻/三井記念美術館

○三井記念美術館 開館記念特別展II『日本橋絵巻』 http://www.mitsui-museum.jp/index2.html 五街道の出発点「日本橋」を描いた美術品を集めたもの。広重、北斎、国芳らの浮世絵も楽しいが、圧巻は、ベルリン東洋美術館蔵の『熈代勝覧(きだいしょうらん)』…

大部屋の歌仙たち/出光美術館

○出光美術館『古今和歌集1100年記念祭-歌仙の饗宴』 http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkantop.html 例によって、あまり予習もしないで会場に来てしまった。なので、佐竹本三十六歌仙が出るとは聞いていたものの、ずらり、7点も並んだ姿に、えっこんなに…

晴れやかなお正月/山種美術館

○山種美術館『日本の四季―雪月花―』 http://www.yamatane-museum.or.jp/ 昨年暮れから始まっていた展覧会のはずだが、行ってみたら、富士山とか、干支の犬とか、新春ムードの作品が多い。上記のホームページをよく読んだら、年末に一部展示替えをして、「正…

東京・地霊に守られた町/アースダイバー(中沢新一)

○中沢新一『アースダイバー』 講談社 2005.5 私は京王線の幡ヶ谷・笹塚周辺に住んでいる。表通りを歩いていると気づきにくいが、ちょっと小路を折れると、とんでもない急坂に出くわすことがある。このあたりは、台地と低地が入り組んで、坂の多い、複雑な地…

奇跡の古九谷復興/華麗なる吉田屋展

○松屋銀座店『古九谷浪漫-華麗なる吉田屋展』 http://www.city.kaga.ishikawa.jp/yoshidaya/main.html ちょうどこのブログを書き始めた頃から、私は焼き物の楽しみに目覚めた。試しに「古九谷」で検索してみたら、いちばん古い記事は、2004年9月、『古九谷―…

国民の公共圏/「キング」の時代(佐藤卓己)

○佐藤卓己『キングの時代:国民大衆雑誌の公共圏』 岩波書店 2002.9 日本で初めて100万部を突破した伝説の国民雑誌「キング」の誕生から終刊までを追い、「雑誌王」とも「野間氏(ヤマシ)」とも呼ばれた野間清治と、講談社文化が、大正~昭和の「大衆社会」…

小坪から富士山

あ~あ、お正月の付録のような三連休も終わってしまいました。 好調に本が読めて、いい新年だったのにな~。 いや、いい加減、仕事モードでネジをまかないと... 初詣は昨日。今年も逗子の亀岡八幡宮と鎌倉の鶴岡八幡宮のつもりだったが、鎌倉は大混雑のた…

2006博物館に初もうで(その2)/東京国立博物館

○東京国立博物館(本館) 特集陳列『江戸の見世物』 http://www.tnm.jp 以前にもちょっと紹介したが、本館1階のウラ通りで行われている「日本の博物学シリーズ」の一連企画である。「文書(もんじょ)や書籍が中心、たまに絵図が混じるくらいの地味な展示」…

2006博物館に初もうで/東京国立博物館

○東京国立博物館(本館) 特集陳列『新春企画 博物館に初もうで』その他 http://www.tnm.jp 遅ればせながら「博物館に初もうで」である。まず、新春特別展示『犬と吉祥の美術』から。毎年、干支にちなんだ美術品を集めて見せるこの企画を、私は楽しみにして…

非戦のダンディズム/荷風のあめりか(末延芳晴)

○末延芳晴『荷風のあめりか』(平凡社ライブラリー) 平凡社 2005.12 この記事を書こうと思って、いろいろ調べていたら、「荷風ほど女性に人気のない作家はいない」と書かれたホームページに行き当たって、なるほどと苦笑した。それほどではないけれど、私も…

健康は家族のために/ラジオ体操の誕生(黒田勇)

○黒田勇『ラジオ体操の誕生』(青弓社ライブラリー4) 青弓社 1999.11 ラジオ体操といえば、小学生時代の夏休みを思い出す。私が通った会場は、大きな寺の境内だった。私の家が学区のはずれにあったため、学校の友だちに会うことはほとんどなかった。それな…

二人の明治人/福沢諭吉と中江兆民(松永昌三)

○松永昌三『福沢諭吉と中江兆民』(中公新書) 中央公論新社 2001.1 あけましておめでとうございます。実質的に、今年の読書の第1冊目は、この本から。 今からほぼ百年前、ともに1901年(明治34年)に生涯を終えた、2人の思想家を対比的に扱ったもの。福沢は…

過酷な少年期/ある明治人の記録(石光真人)

○石光真人編著『ある明治人の記録:会津人柴五朗の遺書』(中公新書) 中央公論新社 1971.5 柴五朗は安政6年(1859)生まれ。少年時代、会津戦争で肉親を失い、流浪、下僕生活の辛酸を嘗め、のち軍界に入って、陸軍大将、軍事参議官まで栄達した。義和団事件…

マス・コミュニケーション以前/新聞と民衆(山本武利)

○山本武利『新聞と民衆:日本型新聞の形成過程』 紀伊國屋書店 1973.9(新装復刊2005.6) 日本の新聞ジャーナリズムには、いくつかの特異な性格が見出せる。格調ある言論活動を行う高級紙(クオリティ・ペーパー=大新聞)と、娯楽中心の大衆紙(マス・ペー…