見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「日本」のできるまで/黄金国家(保立道久)

○保立道久『黄金国家:東アジアと平安日本』(シリーズ民族を問う 3)青木書店 2004.1 奈良時代後半から平安前期(8-10世紀)の日本と東アジア地域の関係を「通史的に」著述したもの。私は、まさか『中世の愛と従属』(平凡社, 1986)『平安王朝』(岩波書店…

韓半島とともに/同時代批評(和田春樹)

○和田春樹『同時代批評2002年9月~2005年1月:日朝関係と拉致問題』彩流社 2005.3 小泉首相が北朝鮮を訪問し、日朝平壌宣言が出されたのが2002年9月。しかし、拉致問題の衝撃によって、日本国民に北朝鮮バッシングが沸き起こり、日朝交渉は後退を余儀なくさ…

さあ週末・キキョウ

今週は、後半が外まわりの仕事で落ち着きませんでした。 浴衣の柄を思い出すキキョウ。 先週末に盛りだったけど、今週末はどうかしら。

三国志映画に渡辺謙が主演

中国関係の記事が続くが、 ■ジョン・ウーの三国志映画に渡辺謙が主演!(eiga.com 05/07/26) http://www.eiga.com/buzz/050726/08.shtml ...というニュースをYahoo!で見た。びっくりして調べてみたら、中国語圏の芸能サイトでは、今月の初めに、既に「噂…

遣唐使の墓誌/東京国立博物館

○東京国立博物館 特別展『遣唐使と唐の美術』 http://www.tnm.go.jp/ この日は常設展だけのつもりだったのに、入口のディスプレイを見たら、やっぱり素通りできなくて入ってしまった。淡い水色に白文字で「おかえり。」のポスターは、中国考古・美術展のイメ…

清代出版うらばなし/紀暁嵐3

○48集電視連続劇 《鉄歯銅牙紀暁嵐3》 http://ent.sina.com.cn/v/f/jxl3/index.html 清朝盛期を舞台にした古装劇。スカパーで日曜日の夜に2話ずつ放映されている。期待どおり面白いので、ビデオに録って、毎週2回ずつ見ているが、飽きない。 7、8話でひとつ…

夏の花・ルリマツリ

ルリマツリ、つまり、瑠璃色(水色)の茉莉花(マツリカ、ジャスミン)。 むかしから私の憧れである。 偏見かもしれないが、都心ではあまり見かけない。 郊外のこじゃれた住宅地を歩くと、ときどき、洋風の生垣に植わっていて、 はっと胸がときめく。 スペイ…

逸品・中国の陶芸/五島美術館

○五島美術館『館蔵 中国の陶芸展』 http://www.gotoh-museum.or.jp/ 同館が所蔵する中国陶磁器の名品展。もと、創立者の五島慶太氏が収集したものだ。個人コレクションというのは、博物館の学芸員が「学術的」な視点で集めたものとは、どこか違う。状態のい…

その日が来る前に/八月十五日の神話

○佐藤卓己『八月十五日の神話:終戦記念日のメディア学』(ちくま新書) 筑摩書房 2005.7 はじめに、1945年8月15日の新聞紙面を飾った代表的な報道写真の数葉が、実は「やらせ」や、異なる日付・異なる状況を撮影したものであることを検証する。写真だけでは…

夜のヒマワリ

週末は死ぬほど暑かったので(やれやれ)、近所の花屋で買ってみました。 室内においておくのは、ちょっと可哀相かな。 もう夏ですね。

中国★美の十字路/森美術館

○森美術館『中国★美の十字路展:後漢から盛唐へ』 http://www.mori.art.museum/html/jp/index.html 森美術館で、この夏、中国美術展をやっていると気づいたのは、つい最近のことだ。だいたい国立や公立の美術館に行くと、同種の施設のポスターやチラシがある…

熊本のやきもの/永青文庫

○永青文庫 夏季展『熊本のやきもの-八代焼』 http://www.eiseibunko.com/ 展示品の主となるのは、別名を高田焼(こうだやき)とも言われる八代焼である。永青文庫のサイトには、茶色の地に大きな牡丹の花を描いた陶器の写真が上がっていて、ふーん、磁州窯…

小さな物語/なぜ「話」は通じないのか

○仲正昌樹『なぜ「話」は通じないのか:コミュニケーションの不自由論』 晶文社 2005.6 講演会で、演者の「話」を聴かない人々が増えている。私語やケータイいじりをやめられない若者だけではない。悪質な聴衆は、ウズウズしながら質問タイムを待っている。…

おじさんたちの放談/言論統制列島

○鈴木邦男、森達也、斎藤貴男『言論統制列島:誰もいわなかった右翼と左翼』講談社 2005.6 斎藤貴男は高橋哲哉との対談本を、森達也は姜尚中との対談本を読んだことがある。私の整理では、2人とも、どっちかといえば「サヨク」の側の発言者である。鈴木邦男…

立ち読み写真集/渋谷道

○Beretta P-05撮影『渋谷道』 雷鳥社 2005.6 http://www.raichosha.co.jp/photo/pt9.html これは立ち読みしただけで、結局、買わなかったのだが、無視するには惜しい本なので、敢えて紹介しておく。 日本全国、どこへ行っても街に掲げられた「○○区○○○丁目○○…

再登場/帰ってきたもてない男

○小谷野敦『帰ってきたもてない男:女性嫌悪を超えて』(ちくま新書) 筑摩書房 2005.7 『負け犬』(続編)の後に『もてない男』(続編)というチョイスもどうかと思うが、実際、書店の棚で、両者が微妙な距離をおいて並んでいるのを見たときは苦笑してしま…

負け犬実践編/その人、独身?

○酒井順子『その人、独身?』 講談社 2005.6 『負け犬の遠吠え』の著者による最新エッセイ集。前著『負け犬』は、主に女性読者をターゲットにしており、「あなたにも、分かるでしょ?」的なトーンがあり、実際”負け犬”のひとりである私も、「分かります」と…

夢見る官僚たち/博物館の誕生

○関秀夫『博物館の誕生:町田久成と東京帝室博物館』(岩波新書)岩波書店 2005.6 東京国立博物館には、よく通っている。しかし、私は、東京帝室博物館(東京国立博物館の前身)の実質的な創設者である町田久成(1838-1897)という薩摩藩士の名前を、本書で…

ソロモン王の都/北京物語

○林田愼之助『北京物語:黄金の甍と朱楼の都』(講談社学術文庫)講談社 2005.6 3000年前、燕国の首都「薊城」として、初めて歴史に登場して以来、さまざまな王朝の盛衰をくぐりぬけ、近代に至る北京の歴史を概括したもの。人物史中心で読みやすく、おもしろ…

被虜と漂流人/中世日朝海域史の研究

○関周一『中世日朝海域史の研究』 吉川弘文館 2002.10 14世紀後半~16世紀後半にかけての東アジア海域における、主に日朝間の交流の変化を論じたもの。著者が2001年に筑波大学に提出した同名の博士論文に加筆訂正したものである。もとが学術論文であるだけに…

雪舟、明へ/根津美術館

○根津美術館 特別展『明代絵画と雪舟』 http://www.nezu-muse.or.jp/ 中国絵画といえば、宋・元代がひとつのピークである。日本の水墨画の雄たちも、つねにこの宋元画を意識してきた。雪舟も例外ではない。試しに雪舟について書かれた文献やサイトを検索して…

なごみの陶器/出光美術館

○出光美術館 やきものに親しむIV『中国・磁州窯―なごみと味わい―』 http://www.idemitsu.co.jp/museum/ 何度も繰り返すが、私は焼き物初心者である。「中国・磁州窯」と言われたって、それがどんな種類の焼き物を表すのか、皆目見当もつかない。しかし、初心…

二項対立を疑う力/メディア危機

○金子勝、アンドリュー・デウィット『メディア危機』(NHK Books)日本放送出版協会 2005.6 昨秋、両氏は藤原帰一氏、宮台真司氏とともに『不安の正体!-メディア政治とイラク戦後の世界』という対談集を公刊した。しかし、同書は、論客を揃え過ぎて、かえ…

山水の理想郷/大和文華館

○大和文華館 『山水-東洋の理想郷-』 館蔵作品の中から、山水を通して自然観や美意識を表現した作品を展示したもの。絵画の展示なんだろうなという思い込みで行ったら、最初にあったのが、染付け陶器で、なるほどと思った。その中に富士山のかたちをした平…

世俗の仏師たち/奈良国立博物館

○奈良国立博物館 特別陳列『宿院仏師-戦国時代の奈良仏師-』 http://www.narahaku.go.jp/ 16世紀、初めて俗人の仏師が登場する。彼らは奈良宿院町(しゅくいんちょう)に仏像製作の工房、仏師屋(ぶっしや)を構え、奈良を中心に、3世代、80年余りの活躍を行っ…

歴史は繰り返すか/上海時代

○松本重治『上海時代:ジャーナリストの回想』(上中下)(中公新書)中央公論社 1974.10-1975.3 私にはめずらしく、図書館で見つけて、読んでみようと思った本である。松本重治という著者のことは何も知らなかった。ただジャーナリストの書いた戦前の中国、…