見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

《リレー対談》日本・アジア・世界'07

○朝日カルチャー公開講座《リレー対談》日本・アジア・世界'07 参議院選挙前日の土曜日、新宿・住友ホールで行われた、上記の公開講座を聴きにいってきた。企画者によれば、当初は、参議院選挙の結果を踏まえて、今後の日本の針路について語る予定だったが、…

ひ弱な青年たち/大帝没後(長山靖生)

○長山靖生『大帝没後:大正という時代を考える』(新潮選書) 新潮社 2007.7 「大正青年と平成の若者は驚くほど似ている」というのが著者の着眼点である。大正は、圧倒的なカリスマ性で君臨した明治天皇と、彼に表象される「英雄」「闘争」「建設」の時代が…

恩人たちの晩年/お雇い外国人(梅溪昇)

○梅溪昇『お雇い外国人:明治日本の脇役たち』(講談社学術文庫) 講談社 2007.2 幕末から明治初頭にかけて、日本は多数の欧米外国人に助けられて、猛スピードで近代化を成し遂げた。キリスト教の伝道のため、志願して来日した宣教師もあったが、多くは、幕…

自由は土佐の山間より/高知市立自由民権記念館

○高知市立自由民権記念館 常設展示 http://www.minken.city.kochi.kochi.jp/ 四国旅行2日目。金毘羅さんの観光を終え、土讃線で再び高知駅に戻った。帰りの飛行機まで、まだ2時間ほど、市内観光の余裕がある。私はすぐに路面電車に乗って、自由民権記念館に…

初探訪・讃岐の金毘羅さん

○金刀毘羅宮~高橋由一館~金丸座 http://www.konpira.or.jp/ 四国旅行2日目。本当は3連休を使って、高知1泊+高松1泊を予定していた。しかし、台風で1週延期した結果、今日(日曜)のうちに東京に帰らなければならない。でも、せっかく四国まで来たので、金…

絵金まつりの夜:その2

(前日の続き) 簡単な夕食を済ませて、再び町内に戻る。絵金蔵では、6時からの夜間開館が始まっていた(昼のチケットで再入館可)。暗闇の展示室は、ビデオシアターに様変わり。収蔵庫の「蔵の穴」では、笑い絵(春画)が見られるようになっていた。私がい…

絵金まつりの夜:その1~絵金蔵

「土佐の絵金」の名前を、私は、いつ、誰から教わったのだったろう? もう20年も前になる学生時代、歌川国芳や月岡芳年の名前と一緒に覚えたのではないかと思う。けれど、版画という複製メディアを通じて”全国区”的に名を馳せた国芳や芳年と違って、作品のほ…

速報・土佐の絵金まつりに行ってきた!

先週、台風で断念した四国旅行に1泊2日で行ってきた。目的は、高知近郊の赤岡町で行われる「絵金まつり」。絵金は、幕末に土佐で活躍した異端の画家である。飛び散る血しぶきの中、狂気の白刃が閃き、美女が身をよじる、こんな絵を描いた。 これら、絵金の作…

眉唾の一冊/ワーキングプア(門倉貴史)

○門倉貴史『ワーキングプア:いくら働いても報われない時代が来る』(宝島社新書) 宝島社 2007.4 最近は、ワーキングプア(働く貧困層)という言葉をよく聞くようになった。私は見ていないが、NHKスペシャルが『ワーキングプア~働いても働いても豊かになれ…

名品で学ぶ陶磁史/中国・朝鮮陶磁(戸栗美術館)

○戸栗美術館 『開館20周年記念 戸栗美術館名品展II-中国・朝鮮陶磁-』 戸栗美術館といえば、伊万里・鍋島ゆかりの美術館だと思っていたが、中国・朝鮮陶磁のコレクションもすごいということが、よく分かった。 中国陶磁は、仰韶文化(新石器時代)の彩陶に…

夕映えの花/室町和歌への招待(林達也ほか)

○林達也、廣木一人、鈴木健一『室町和歌への招待』 笠間書院 2007.6 本書を手に取ったのには、他ならぬ理由がある。以前にも書いたとおり、このところ、NHKの大河ドラマ『風林火山』にハマっている。ドラマの魅力はいろいろあるが、私が面白いと感じたことの…

中国文学史あれこれ/随筆三国志(花田清輝)

○花田清輝『随筆三国志』(講談社文芸文庫) 講談社 2007.5 たまたま書店で立ち読みしたときは、張飛を論じた一段が目に入った。直情径行で無教養な乱暴者、張飛について、著者はいったん「わたしには語るべきなにものもない」と断じながら、小川環樹の『中…

いつものおなじみ/袖のボタン(丸谷才一)

○丸谷才一『袖のボタン』 朝日新聞社 2007.7 出たら即買いと決めている、丸谷さんのエッセイ。本書収録分は、2004年4月から2007年3月まで、「朝日新聞」朝刊に、月1回、掲載されたもの。雑誌連載に比べると、各回の分量がやや短い。そのため、丸谷エッセイの…

掌(たなごころ)から世界まで/「旅」(三井記念美術館)

○三井記念美術館 企画展『美術の遊びとこころ「旅」~国宝「一遍聖絵」から参詣図・名所絵、西行・芭蕉の旅まで』 http://www.mitsui-museum.jp/index2.html 昨日、旅行に出発するつもりで羽田空港まで行ったのだが、台風の影響で飛行機が飛ばなくなってしま…

台風直撃の三連休初日

国内旅行といえば、ほとんど鉄道旅行しかしたことがない。 実は、いいトシをして、国内線の飛行機に乗る(チケットを取る)方法がよく分かっていなかった。 一念発起して、この三連休は、四国旅行(高知+高松)を計画していたのに... 朝、羽田空港まで行…

要らなかった戦争/戦争解禁(藤原帰一)

○藤原帰一『戦争解禁:アメリカは何故、いらない戦争をしてしまったのか』 ロッキング・オン 2007.7 藤原先生のことは、かなり前から存じ上げていたが、著書を読み始めたのは2001年以降である。というか、同氏は、その頃から一般向けの著作活動を始められた。…

あるユートピア/図説・着物柄にみる戦争(乾淑子)

○乾淑子『図説・着物柄にみる戦争』 インパクト出版会 2007.7 昨日、たまたま東京駅に出た。ひとを待ちながら丸善で時間をつぶしていたら、人文科学のコーナーに平積みになっていた本書を見つけた。 表紙には、1枚の着物の後ろ姿が小さく写っている。よく見…

市場原理を離れて/下流志向(内田樹)

○内田樹『下流志向:学ばない子どもたち、働かない若者たち』 講談社 2007.2 近著『街場の中国論』が面白かったので、内田樹さんをもう1冊。2月に刊行された本だが、気づいていなかった。最近、やたらと出版点数の多い格差社会ものであるが、教育論と表裏一…

女・子ども・聖性/イタリア・ルネサンス再考(池上俊一)

○池上俊一『イタリア・ルネサンス再考:花の都とアルベルティ』(講談社学術文庫) 講談社 2007.4 最近、ちょっとマイブーム気味のイタリア・ルネサンスもの。まあ、イタリア観光局の公式サイトによれば、2007年3~6月は、日本におけるミニ・イタリア年「イ…

クール・ビューティ/中国・青磁のきらめき(静嘉堂文庫)

○静嘉堂文庫美術館 『中国・青磁のきらめき-水色から青、緑色の世界-』 http://www.seikado.or.jp/menu.htm 昨年の夏も出光美術館で『青磁の美-秘色の探求-』と題した展覧会があった。行きはしたものの、やっぱり地味だった。「焼きものは青磁に限る」な…

金毘羅さん・書院の美(東京藝大美術館)

○東京藝術大学大学美術館 『金刀比羅宮 書院の美-応挙・若冲・岸岱-』 http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2007/kotohiragu/kotohiragu_ja.htm 香川県の金刀比羅宮(こんぴらさん)境内にある2つの書院、表書院と奥書院の障壁画を公開するもの。2004…

森の奥へ/プラハ国立美術館展(Bunkamura)

○Bunkamuraザ・ミュージアム 『プラハ国立美術館展-ルーベンスとブリューゲルの時代』 http://www.bunkamura.co.jp/shokai/museum/index.html 上野の「パルマ」展の翌日、興が乗って、また西洋絵画を見に出かけた。本展は、プラハ国立美術館が所蔵する作品…

Google「本の中身」検索サービス

○NIKKEI NET(日経ネット):米グーグル、「本の中身」検索サービス開始(2007/07/05) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070705AT1D0505J05072007.html 「米グーグルは5日、書籍の全文をキーワードで検索し、内容を見られる『グーグル・ブック検索』サ…

よみがえるディティール/明治の話題(柴田宵曲)

○柴田宵曲『明治の話題』(ちくま学芸文庫) 筑摩書房 2006.12 原本は、明治30年(1897)生まれの著者が、昭和37年に上梓したもの。「提灯行列」「憲法発布」あるいは「ミルクホール」「苗売り」「幻燈」など、硬軟取り混ぜた明治の風物について、それぞれ60…

消費社会の中で/作家の誕生(猪瀬直樹)

○猪瀬直樹『作家の誕生』(朝日選書) 朝日新聞社 2007.6 本書は、明治34年(1901)雑誌『女子之友』の誌友懇話会の場面で幕を開け、1970年の三島由紀夫の自決に至るまでを、作家たちのエピソードでつづった近代日本文学史である。 作品(表現)中心ではなく…

階級社会の昨日と明日/階級社会(橋本健二)

○橋本健二『階級社会:現代日本の格差を問う』(講談社選書メチエ) 講談社 2006.9 たまたま、本屋で手に取って、パラパラめくっている際、『愛と誠』に言及した部分が見えた。不良少年・大賀誠と財閥の令嬢・早乙女愛の純愛を描いた1970年代の少年マンガで…

優美、ドラマチック/パルマ展(国立西洋美術館)

○国立西洋美術館 『パルマ-イタリア美術、もう一つの都』展 http://www.nmwa.go.jp/index-j.html 16世紀から17世紀にかけてイタリア北中部の都市パルマに花開いた美術を紹介する展覧会。最近、ヨーロッパ史、とりわけ美術史の本を立て続けに読んでいたので…