見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

初訪問/祈りの書-写経と経筒(センチュリーミュージアム)

○センチュリーミュージアム 『祈りの書-写経と経筒』(2011年4月11日~年7月30日) 2010年10月にオープンしたミュージアム。今年のはじめくらいに存在を知って、一度行ってみようと思っていた。最寄り駅は、東京メトロ東西線の早稲田駅。むかし、親戚がこの…

原先生に聞いてみよう!/「鉄塾」(中川家礼二×原武史)

○中川家礼二、原武史『「鉄塾」:関東vs関西 教えて! 都市鉄道のなんでやねん?』 ヨシモトブックス 2011.8 今年初め、明治学院大学の公開セミナーで行われたお二人の対談を、河出書房刊『「知」の十字路』で読んだばかりである。期待にたがわず、面白かった…

ハンドブックに好適/館蔵 古筆切(根津美術館)

○角田恵理子企画・編集『館蔵 古筆切』(鑑賞シリーズ12) 根津美術館 2011.7 根津美術館のコレクション展『古筆切 ともに楽しむために』を見たあとで、ミュージアムショップをのぞいたら、本書が目にとまった。今回の展覧会の図録というわけではないが、内…

災害カーニバルの中で/検証 東日本大震災の流言・デマ(荻上チキ)

○荻上チキ『検証 東日本大震災の流言・デマ』(光文社新書) 光文社 2011.5 東日本大震災の特徴として、本書は、(1)被害範囲が甚大であったこと、(2)情報技術が浸透して以降の大災害であったこと、(3)原発事故という要素があったこと、の3点を挙げている。私…

マジメにたのしむ/古筆切(根津美術館)

○根津美術館 コレクション展『古筆切 ともに楽しむために』(2011年7月13日~8月14日) 有無を言わせぬ名品がどーんと出ていて、ああ~いいな~(ヨダレ)という展覧会かと思ったら、マジメに勉強になる展覧会だった。初心者はもちろん、私のように、長年、…

新たな中世へ/大学とは何か(吉見俊哉)

○吉見俊哉『大学とは何か』(岩波新書) 岩波書店 2011.7 ずっと考え続けてきたことに、ひとつの「解」を与えてもらったような気がする本だった。今日、大学はかつてない困難な時代にある。そのことは、別に大学の運命など気にする必要のない、一介の事務職…

奈良国立博物館で遊ぶ:なら仏像館(2011/7月)ほか

○奈良国立博物館 なら仏像館(2011年7月5日~9月11日) 館内に入って、あれ?暗い、と思った。たまにしか来ないので、記憶がはっきりしないのだが、以前はもう少し全体がフツーに明るくなかったかしら。いつからスポットライトを多用するようになったのだろ…

初訪問/近代中国絵画 定静堂コレクション(和泉市久保惣記念美術館)

○和泉市久保惣記念美術館 常設展『近代中国絵画-定静堂(ていせいどう)コレクションの名品-』(2011年6月11日~7月31日)ほか 9つの所蔵館で順次開催中の「関西中国書画コレクション展」。全ての会場を訪ねてみようと計画している。 今回、初訪問の久保惣記…

小さないのち/花卉草蟲(高麗美術館)

○高麗美術館 2011年特別企画展Ⅰ『花卉草蟲(かき そうちゅう)-花と虫で綴る朝鮮美術展』(2011年7月16日~8月28日) 朝鮮・中国・日本の絵画を正しく弁別することは、専門家にも難しい作業らしい。素人の勝手な思い込みで、私が「あ、これは朝鮮絵画だ」と…

祇園祭・宵山(屏風祭り)2011

7月16日の祇園祭・宵山。今年は鉾には1つも上がらなかったが、屏風祭りをしている地域を重点的に歩く。旧家や老舗が、所蔵する屏風や諸道具を一般公開するもの。 予約や観覧券が必要な旧家もあるが、こんな感じに、通りがかりに窓越しに覗き込んでいける家も…

オトナの愉しみ/百獣の楽園(京都国立博物館)

○京都国立博物館 特別展観『百獣の楽園-美術にすむ動物たち-』(2011年7月16日~8月28日) いかにも夏休みの家族連れや子ども客をターゲットにしたようで、つまらない企画だなあ、と思っていた。が、行ってみたら、大間違い。スミマセンでした。やっぱり京…

あこがれの仏跡ガイド/天竺へ(奈良国立博物館)

○奈良国立博物館 特別展『天竺へ~三蔵法師3万キロの旅』(2011年7月16日~8月28日) 大阪の藤田美術館が所蔵する国宝絵巻『玄奘三蔵絵』全12巻の全場面を、前後期で公開する展覧会。昨年9月、藤田美術館で、初めて『玄奘三蔵絵』を見て、もっと多様な場面を…

地域の名刹/甚目寺観音展(名古屋市博物館)

○名古屋市博物館 仁王像修復記念『甚目寺観音展』(2011年7月16日~8月28日) 週末は、祇園祭とあわせて、大阪→京都→奈良→名古屋をまわってきたので、遡及的に記録を起こしていく。まず、名古屋から。私と逆まわりの関西周遊に出かけた友人から「面白かった…

中国でいちばん好きなもの/中国侠客列伝(井波律子)

○井波律子『中国侠客列伝』 講談社 2011.3 いまの時代に逆らうようだが、私は中国好きである。中国の美術が好き。文学が好き。料理が、演劇が、娯楽映画が、あやしい民間宗教が好き。しかし、何と言っても好きなのは、中国の歴史・文化を、華々しくいろどり…

祇園祭・山鉾巡行(辻回し)2011

久しぶりの祇園祭。2008年にも山鉾めぐりをしているが、巡行に来合わせるのは、10年ぶりくらいじゃないかと思う。 朝の「辻回し」を見るために四条室町の四つ辻に待機。はじめ西南の角にいたら「そこは道幅が狭いのでどいてください」と警備員さんに排除され…

漱石の女/橋口五葉展(千葉市美術館)

○千葉市美術館 『生誕130年 橋口五葉展』(2011年6月14日~7月31日) 橋口五葉(1881-1921)は、装飾美術家、挿絵画家、装丁家、版画家、浮世絵研究者。自分のブログ内を「五葉」で検索したら、埼玉近美の『小村雪岱とその時代』展しか出てこなかった。いや…

極める楽しさ/橋を見に行こう(平野暉雄)

○平野暉雄『橋を見に行こう:伝えたい日本の橋』 自由国民社 2007.5 三井記念美術館の『日本美術に見る「橋」ものがたり』を見たあと、ミュージアムショップで本書を見つけた。ま、関連がないとは言わないが、誰が買うんだ、こんな本、と思って手に取ったら…

異界へのかけはし/日本美術に見る「橋」ものがたり(三井記念美術館)

○三井記念美術館 特別展『日本美術に見る「橋」ものがたり-天橋立から日本橋まで-』(2011年7月9日~9月4日) 9月まで、2ヶ月間にわたる展覧会だが、急いで見にいったのにはわけがある。雪舟筆『天の橋立図』は、この週末と次の週末しか見られない(~7/21…

知識への回路/「知」の十字路(原武史編)

○原武史編『「知」の十字路:明治学院大学国際学部付属研究所公開セミナー3』 河出書房新社 2011.5 2009年度のセミナー2をまとめた『「知」の現場から』で、この公開連続セミナーの存在を知った。本書のもとになったセミナー3(2010年10月5日~2011年1月7日…

浅草寺のほおずき市(四万六千日)

浅草寺のほおずき市に行ってきた。たぶん物心ついてから初めての経験。東京下町育ちのわりには、東京の年中行事に全く疎いのである。京都の祇園祭とか、奈良の修二会には、あんなに熱心に通っているのに…。 どのお店も、江戸風鈴つきで、1鉢2,500円。 枝売り…

かわいいお茶会/もてなす悦び展(三菱一号館美術館)

○三菱一号館美術館 『もてなす悦び-ジャポニスムのうつわで愉しむお茶会』展(2011年6月14日~8月21日) 19世紀後半、欧米社会を席巻したジャポニズムを紹介する展覧会。ただし、高名な芸術家に与えた影響ではなく、新興富裕層のめざましい台頭を背景に、人…

そうだ、江戸へ行こう/JIN-仁- 完全シナリオ&ドキュメントブック

○TVガイド特別編集『JIN-仁- 完全シナリオ&ドキュメントブック』(TOKYO NEWS MOOK) 東京ニュース通信社 2011.7 ドラマ『JIN-仁-』第1シリーズ全11話、第2シリーズ全11話のシナリオを完全収録。各話の冒頭には、演出家のコメント付き。読みどころは、…

ふたりの歴史家/『史記』と『漢書』(大木康)

○大木康『「史記」と「漢書」:中国文化のバロメーター』(書物誕生:あたらしい古典入門) 岩波書店 2008.11 先日、同じ著者の『現代語訳 史記』(ちくま新書)を読んで、本書の存在を知った。「後世に大きな影響を与えた点で、いずれもひけをとらない『史…

われらが江戸っ子/破天荒の浮世絵師 歌川国芳(太田記念美術館)

○太田記念美術館 特別展『没後150年 破天荒の浮世絵師 歌川国芳』(2011年6月1日~7月28日) まだ今のように日本美術に詳しくなかった頃から、歌川国芳(1798-1861)は大好きだった。北斎よりも写楽よりも国芳だった。『相馬の古内裏』の巨大ガイコツとか、…

ファイナル記念/雑誌・芸術新潮「五百羅漢の絵師 狩野一信」

○『芸術新潮』2011年5月号「五百羅漢の絵師 狩野一信」 新潮社 2011.5 江戸東京博物館の特別展『五百羅漢-幕末の絵師狩野一信 増上寺秘蔵の仏画』が、今日で幕を閉じた。関係者の皆さん、ありがとう! 私は、5月15日のシンポジウムのあとに見てきたのだが、…

インターナショナルな空気/平常展+常盤山文庫の名宝(鎌倉国宝館)

○鎌倉国宝館 平常展+特集陳列『常盤山文庫の名宝』(2011年6月2日~7月3日) 国宝館はいつ行っても、見慣れた平常展でも和むので、ふらりと寄ってみた。そうしたら、特集陳列の常盤山文庫所蔵品が見応えありすぎて、唸ってしまった。これ「企画展」を名乗る…

鎌倉散歩:月と星のマーク

先週、思い立って鎌倉へアジサイを見に行った。海蔵寺から、久しぶりに亀ヶ谷坂の切り通しを抜け、巨福呂坂を下って、鶴岡八幡宮に出た。このとき、巨福呂坂洞門(落石防止のトンネル)の壁に並んだ円筒形の照明設備に、星と三日月のマークが付いているのが…

羅漢新聞

【gooフォトチャンネルから移行】江戸東京博物館『五百羅漢-幕末の絵師狩野一信 増上寺秘蔵の仏画』(2011年4月29日~7月3日)のショップエリアに貼られていた壁新聞です。撮影は7月2日。展覧会の終了と同時に忘れられてしまうのが惜しいので、ここに一部を…

集める・並べる/日本における辞書の歩み(静嘉堂文庫)

○静嘉堂文庫美術館 『日本における辞書の歩み-知の森への道をたどる-』(2011年6月25日~7月31日) 久しぶりの静嘉堂文庫。刀剣も雛人形も陶磁器も行き逃していたのだが、古典籍が出ると知って、いそいそと出かけてきた。 「プロローグ」として、どこの図…

大人のドラマ/日中国交回復(服部龍二)

○服部龍二『日中国交回復:田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦』(中公新書) 中央公論新社 2011.5 1972年9月の日中国交正常化交渉。政治家と官僚たちは、何を考え、どのように動いたかを、精緻な検証(巻末の注記がすごい)に基づき、再現ドラマを見るよう…