見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

NHK大河ドラマ『龍馬伝』を振り返る

○NHK大河ドラマ『龍馬伝』第48回(最終回)「龍の魂」(2010年11月28日放送) 『龍馬伝』が終わった。だいたい完走。見逃した回や、ダレて斜め視聴になった回もあったけど、9割は見たと思う。私は、72年の『新・平家物語』から大河の記憶がある世代だが、完…

出版文化を救うもの?/電子書籍の衝撃(佐々木俊尚)

○佐々木俊尚『電子書籍の衝撃:本はいかに崩壊し、いかに復活するか?』(ディスカバー携書) ディスカバー・トゥエンティワン 2010.4 昨今、加速度的に目につくようになってきた「電子書籍」なるもの。本が電子化される世界は、私たちの「本を読む」「本を…

文豪の長男/耄碌寸前(森於菟)

○森於菟著、池内紀解説『耄碌寸前』(大人の本棚) みすず書房 2010.5 50歳を迎えると「老い」とか「晩年」という言葉に自然と目がとまる。未体験のワンダーランドの入口に立って、興味津々という心境である。それにしても「耄碌(モウロク)」ねえ。みんな…

誰でも読める巡礼指南/百寺巡礼・奈良(五木寛之)

○五木寛之『百寺巡礼 第1巻:奈良』(講談社文庫) 講談社 2008.9 学生の頃からずっと寺巡りが好きで、30年を経て今日に至る。当時、寺巡りの必携本といえば、和辻哲郎の『古寺巡礼』と亀井勝一郎の『大和古寺風物誌』が二大定番で、高三の修学旅行の前後か…

武闘派大集合/薬師如来と十二神将(鎌倉国宝館)

○鎌倉国宝館 特別展『薬師如来と十二神将~いやしのみほとけたち~』(2010年10月16日~11月23日) 気がつけば、久しぶりの鎌倉である。隣りの逗子市に住んでいた頃は、毎週末の散歩コースだったのに。鶴岡八幡宮の鳥居の前に立つと、今年の秋から、大銀杏の…

いくぶんの危惧/決闘 ネット「光の道」革命(孫正義、佐々木俊尚)

○孫正義、佐々木俊尚『決闘 ネット「光の道」革命』(文春新書) 文藝春秋社 2010.10 直前に読んだ『孫正義のデジタル教育が日本を救う』が、提灯持ちとまではいわないが、孫正義氏の意見を「ダダ漏れ」するだけみたいな本で、面白くなかったので、もう1冊と…

いくつかの疑問/孫正義のデジタル教育が日本を救う(中村東吾)

○中村東吾『孫正義のデジタル教育が日本を救う』(角川SSC新書) 角川書店 2010.11 このところ電子書籍のことを考えていたので、先々週末くらいに書店で本書を見て、「デジタル教育/電子教科書」というキーワードに引かれて読んだ。毀誉褒貶の多い孫正義と…

書斎の秘仏/近江の祈りと美(寿福滋、高梨純次)

○寿福滋・写真、高梨純次・文『近江の祈りと美』 サンライズ出版 2010.10 というわけで、33年に1度の「秘仏本尊ご開帳」を拝観に行った正明寺で、本書を衝動買いしてしまった顛末は報告のとおり。本書は、近江の仏像、神像200余点のカラー写真集成である(石…

秘仏のたのしみ/正明寺(滋賀県蒲生郡日野町)

○正明寺(滋賀県蒲生郡日野町):本尊・千手観音菩薩立像御開帳(2010年10月17日~11月23日) 秘仏ご本尊は「33年に1度のご開帳」だという。10月に行ってきた友人からは「とにかく不便」と聞いていたが、覚悟を決めて行くことにした。近江八幡駅の南口から1…

秘仏のたのしみ/秋篠寺(奈良):大元帥明王立像

○秋篠寺(奈良市秋篠町):大元帥明王立像ご開帳(2010年11月8日~11月21日) 金曜日に奈良で仕事があったので、後泊して見仏してきた。お目当ては、遷都1300年祭(11/7で終了)を記念して、まだまだ続く秘仏・秘宝公開のひとつ、秋篠寺の大元帥明王立像(重…

意外と人間臭い/国宝 源氏物語絵巻(五島美術館)

○五島美術館 開館50周年記念特別展『国宝 源氏物語巻』(2010年11月3日~11月28日) 改修休館前の最後の特別展だが、五島美術館所蔵の『源氏物語絵巻』は何度も見たことがあって、あまり気乗りがしなかった。徳川美術館所蔵分も展示されると分かって、それじ…

ハイビジョン工芸/幕末・明治の超絶技巧(泉屋博古館分館)

○泉屋博古館分館 特別展『幕末・明治の超絶技巧 世界を驚嘆させた金属工芸-清水三年坂美術館コレクションを中心に-』(2010年10月16日~12月12日) 幕末から明治時代にかけて世界を席巻した日本の金属工芸の展覧会。ネットの評判が妙にいいので見に行った…

東大で貴重書を見る/史料展覧会(史料編纂所)ほか

○東京大学史料編纂所 第35回 史料展覧会(2010年11月12~13日) 『大日本史料』等の編纂刊行で知られる同研究所が、秋の週末に行う史料展覧会。前回、参観したのは…と自分のブログを検索したら2005年、これが第34回である。ということは、4年間、私が行き逃…

中国的「国民の誕生」/革命とナショナリズム(石川禎浩)

○石川禎浩『革命とナショナリズム:1925-1945』(岩波新書:シリーズ中国近現代史3) 岩波書店 2010.10 これまで読んできた中国近代史とは、ちょっと毛色のちがう本だった。多くの日本人は、「日中関係」を基軸として中国の近現代史を眺めている。しかし、当…

顕教の美と六道絵/大津 国宝への旅(大津市歴史博物館)

○大津市歴史博物館 開館20周年記念企画展『大津 国宝への旅』(2010年10月9日~11月23日/後期:11月2日~) めずらしく仕事で京都に行ったので、半日の会議を終えて、あたふたと大津に向かった。10月に前期を観覧したこの展覧会の、後期を見るためである。…

みんなで考える/希望のつくり方(玄田有史)

○玄田有史『希望のつくり方』(岩波新書) 岩波書店 2010.10 2005年、著者の勤務する東京大学社会科学研究所が「希望学」というプロジェクトを始めると聞いたときは、正直、ええ~と思って引いてしまった。新興宗教じゃあるまいし。以来、このプロジェクトの…

守り伝えた人々/東大寺大仏(東京国立博物館)

○東京国立博物館 光明皇后1250年御遠忌記念特別展『東大寺大仏-天平の至宝-』(2010年10月8日~2010年12月12日) 大仏造立に関わる作品を通して天平文化の精華を紹介する展覧会。早くに行った友人からは「拍子抜けするほど空いている」と聞いていたが、せ…

東京のほとけ/救いのほとけ(町田市立国際版画美術館)

○町田市立国際版画美術館 企画展『救いのほとけ-観音と地蔵の美術-』(2010年10月9日~11月23日) 町田の国際版画美術館には、むかし1、2度来たことがあるはずだが、2004年から書いているこのブログに記事がないのだから、本当に久しぶりだ。本展は、観音…

民権運動という触媒/客分と国民のあいだ(牧原憲夫)

○牧原憲夫『客分と国民のあいだ:近代民衆の政治意識』(ニューヒストリー近代日本 1) 吉川弘文館 1998.7 誰が政権を握ろうとも、安穏に生活できればそれでいい。近世以来、「客分」意識の濃厚だった日本の民衆が、近代国家に適合した「国民」に変容できた…

遷都1300年祭大詰め(4):正倉院展2010

■奈良国立博物館 特別展『第62回正倉院展』(2010年10月23日~11月11日) 正倉院展も通い続けて9年目になった。むかしは日中とか夕方に来たこともあったが、このところ、混雑を避けて「朝一番に並ぶ」ことを通例にしてきた。ところが、最近は、開館と同時に…

遷都1300年祭大詰め(3):生駒宝山寺の獅子閣

明治初期、宝山寺第14世の乗空和尚が、宮大工・吉村松太郎に建てさせた客殿。和尚は、聖天堂再建の際に大工として働いていた吉村松太郎の腕を見込み、横浜に留学させたのち、洋風客殿建築の棟梁に抜擢した。この経緯は、明治8年建立の聖天堂の棟札には松太郎…

遷都1300年祭大詰め(2):奈良大和路 秘仏・秘宝特別開帳

■宝山寺(奈良県生駒市):獅子閣特別開帳(2010年10月15日~11月15日) 台風一過の日曜日。前日は雨を恐れてあきらめた郊外の「特別開帳」寺社めぐりへ。宮大工の吉村松太郎が設計した、明治初期の擬洋風建築、獅子閣が特別公開されている。内部公開(靴を…

遷都1300年祭大詰め:薬師寺、平城宮跡資料館、奈良県美

週末は台風とすれ違うように、遷都1300年祭のフィナーレが近づく奈良へ。もちろん目的は正倉院展だが、その前に。 ■薬師寺(奈良市西ノ京町) まもなく解体修理が始まる東塔初層の特別開扉(2010年4月8日~10月31日)をようやく見に行った。中に入れるのかと…