見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

風俗画、肉筆浮世絵、春画まで/浮世絵の別嬪さん(大倉集古館)

〇大倉集古館 特別展『浮世絵の別嬪さん-歌麿、北斎が描いた春画とともに』(2024年4月9日~6月9日) 本展は、いわゆる版画ではなく肉筆浮世絵に焦点をあて、17世紀の初期風俗画と岩佐又兵衛から始まり、菱川師宣、喜多川歌麿や葛飾北斎をはじめとした数々…

受け継がれる美意識/王朝文化へのあこがれ(五島美術館)

〇五島美術館 春の優品展『王朝文化へのあこがれ』(2024年4月6日~5月6日) 同館の春の優品展は、だいたい古筆や歌仙絵が中心で、大型連休に合わせて国宝『源氏物語絵巻』が展示される。近年、混雑は嫌で『源氏』原本の展示期間を避けていたのだが、今年は…

2024黄金週はじまる

2024年の大型連休が始まった。コロナ禍も一段落して、久しぶりの海外旅行を計画しようかとも思っていたのだが、時機を逸してしまった。新幹線は全席指定だし、ホテルはどこも高いし、その上、1ドル=158円を突破する円高…。 結局、連休はじっとして、5月の中…

古墳、治水から現代の再開発まで/大阪がすごい(歯黒猛夫)

〇歯黒猛夫『大坂がすごい:歩いて集めたなにわの底力』(ちくま新書) 筑摩書房 2024.4 私は東京生まれで箱根の西には暮らしたことがないが、ときどき大阪の本が読みたくなる。著者は大阪南部、岸和田市育ちで、大阪に拠点を置くライター。60年以上、ずっと…

ゆるくて、やさしい中国/古染付と中国工芸(日本民藝館)

〇日本民藝館 『古染付と中国工芸』(2024年3月30日~6月2日) 古染付とは、明代末期の中国・景徳鎮民窯で、日本への輸出品として作られたやきものを言う。だが、染付(そめつけ)という柔らかな和語の響きからも、私はこれが中国産であることを忘れてしまい…

現地調査から見えるもの/中国農村の現在(田原史起)

〇田原史起『中国農村の現在:「14億分の10億」のリアル』(中公新書) 中央公論新社 2024.2 著者の専門は農村社会学。20年にわたり、中国各地の農村に入り込んでフィールドワークを実践してきた経験をもとに本書は書かれている。 中国の農民とは、どういう…

虚構の遊楽世界/大吉原展(藝大美術館)

〇東京藝術大学大学美術館 『大吉原展』(2024年3月26日~5月19日) 「江戸吉原」の約250年にわたる文化・芸術を、海外からの里帰りを含む美術作品を通して検証し、仕掛けられた虚構の世界を紹介する展覧会。 備忘のために書いておく。私がこの展覧会の開催…

地獄極楽図の隠れた名品/ほとけの国の美術(府中市美術館)後期

〇府中市美術館 企画展・春の江戸絵画まつり『ほとけの国の美術』(2024年3月9日~5月6日) 3月に前期を見た展覧会、2回目は半額割引の制度を利用して、後期を見て来た。冒頭の京都・二尊院『二十五菩薩来迎図』が撤収かな、と勝手に思っていたら、ここはそ…

ICE STORY 2nd “RE_PRAY” TOURディレイビューイング

〇「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2nd “RE_PRAY” TOUR」宮城公演ディレイビューイング(2023年4月13日16:00~、TOHOシネマズ日本橋) 土曜日、羽生結弦くんの単独公演をディレイビューイングで見てきた。見ていた時間だけ、魂が別世界に跳んでいたような気分で、…

同時代の日本画を見る/第79回 春の院展(日本橋三越)

〇日本橋三越本店 『第79回 春の院展』(2024年3月27日~4月8日) 先週末の話になるのだが、日本橋の三越デパート前を通りかかったら「春の院展」という大きなポスターが出ていた。私は小学生の頃、近所の絵画教室に通っていた。大きな画用紙(学校で使うも…

「花だけ」と「人と花」/花・flower・華 2024(山種美術館)

〇山種美術館 特別展『花・flower・華 2024-奥村土牛の桜・福田平八郎の牡丹・梅原龍三郎のばら-』(2024年3月9日~5月6日) この時期恒例となっている、花の名品を一堂に集めた展覧会。見慣れた作品が多いので、今年はこの作品がこの位置か、という会場構…

金屏風の四季と生きものたち/ライトアップ木島櫻谷(泉屋博古館東京)

〇泉屋博古館東京 企画展『ライトアップ木島櫻谷-四季連作大屏風と沁みる「生写し」』(2024年3月16日~5月12日) 大正中期に大阪天王寺の茶臼山に建築された住友家本邸を飾るために描かれた木島櫻谷の「四季連作屏風」を全点公開するともに、リアルな人間…

静養と密談の空間/戦後政治と温泉(原武史)

〇原武史『戦後政治と温泉:箱根、伊豆に出現した濃密な政治空間』 中央公論新社 2024.1 扱われている時代は終戦の1945年から1960年代半ばまで、主な登場人物は、吉田茂、鳩山一郎、石橋湛山、岸信介、池田勇人などで、そんなに古い話ではないのだが、なんだ…

2024年3月関西旅行:東大寺~新薬師寺~大和文華館ほか

■華厳宗大本山 東大寺(奈良市雑司町) 関西旅行3日目は奈良スタート。早朝の奈良公園を大仏殿に向かう。廻廊の中門から中を覗くと、左(西)側の桜が、朝陽を受けてピンク色の雲のように輝いていた。 大仏殿の北側の、のんびりした裏参道を歩いて二月堂に登…

2024年3月関西旅行:大覚寺~仁和寺~東寺ほか

■旧嵯峨御所 大本山 大覚寺(右京区嵯峨大沢町) 新年度が始まったら、連日多忙で記事が書けていないのだが、これは先週末の関西旅行2日目の記録。京都駅から市バス28系統に乗って、大覚寺に向かった。あまり乗ったことのない路線で、四条通りをひたすら西へ…

2024年3月関西旅行:醍醐寺から山科散歩

■醍醐寺(伏見区醍醐) 3月最後の週末に金曜有休をプラスして、関西へ2泊3日の花見旅行に行ってきた。当初の計画では、東京の開花を見届けてから関西へ赴くはずだったが、今年のサクラは全くの予想外れ。関西方面もあまり期待はできないかなあと思いつつ、京…