見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

いまどきの新聞漫画/まんが政治vs.政治まんが(佐藤正明)

○佐藤正明『まんが政治vs.政治まんが:七人のソーリの10年』 岩波書店 2016.8 2005年9月から2016年7月までの間に、中日新聞・東京新聞・西日本新聞に掲載された政治風刺まんがから約170点を収録。登場する「七人の総理」は、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫…

パーフェクト櫟野寺(らくやじ)/滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち(東京国立博物館)

○東京国立博物館 特別展『平安の秘仏-滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち』(2016年9月13日~12月11日) 東博で櫟野寺展があると知ったときは驚いた。福生山(ふくしょうざん)自性院櫟野寺(らくやじ)は滋賀県甲賀市に位置する、天台宗総本山延暦寺の末…

秘仏五大明王を東京で拝観/松島 瑞巌寺と伊達政宗(三井記念美術館)

○三井記念美術館 特別展『松島 瑞巌寺と伊達政宗』(2016年9月10日~11月13日) 東日本大震災復興を祈念し、瑞巌寺国宝「本堂」の平成大修理完成と伊達政宗生誕450年を記念する特別展。瑞巌寺の寺宝のほかに、仙台市博物館等から、伊達家ゆかりの文書や武具…

海外と国内での歴史戦/海を渡る「慰安婦」問題(山口智美他)

○山口智美、能川元一、テッサ・モーリス-スズキ、小山エミ『海を渡る「慰安婦」問題:右派の「歴史戦」を問う』 岩波書店 2016.6 「歴史戦」と称して、日本の右派が「慰安婦」問題を中心とした歴史修正主義のメッセージを海外に向けて発信する動きが活発にな…

人口動態と家族観の変化/喪失の戦後史(平川克美)

○平川克美『喪失の戦後史:ありえたかもしれない過去と、ありうるかもしれない未来』 東洋経済新報社 2016.9 声と語りのダウンロードサイト「ラジオデイズ」が企画した全六回の講演をもとに戦後史を中心とした話をまとめたもの。著者の名前や発言は、SNSを通…

カミとほとけの姿(岡山県立博物館)+尾道浄土寺ご開帳、他

■岡山県立博物館 特別展『カミとほとけの姿-岡山の信仰文化とその背景-』(2016年9月9日~10月16日) 三連休中日は岡山からスタート。本展は、彫刻を中心に岡山を代表する宗教美術を紹介するもので、展示替えを含め64件を展示。近年は、こうした展覧会がさ…

若狭国と絵巻(京都国立博物館)+ノンカウ展(楽美術館)

三連休は関西方面に出かけてきた。初日が京都、二日目が岡山と尾道、三日目が名古屋。この連休は、東京の展覧会めぐりで過ごすつもりでいたのだが、どうしても見たいものができて、上洛してしまった。↓その理由がこれ。 ■京都国立博物館 『若狭国と絵巻』(2…

歴史のものさしで考える/戦争まで(加藤陽子)

○加藤陽子『戦争まで:歴史を決めた交渉と日本の失敗』 朝日新聞社 2016.8 大きな反響を呼んだ『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(2009)の続編と言っていいだろう。前作は神奈川県の男子校で、中学一年生から高校二年生までの17名の生徒を相手に行っ…

皇帝と庶民の国/ネオ・チャイナ(E.オズノス)

○エヴァン・オズノス著;笠井亮平訳『ネオ・チャイナ:富、真実、心のよりどころを求める13億人の野望』 白水社 2015.7 読む前の予想とはずいぶん異なる内容だったが、面白かった。まず、新刊だと思ったら2015年(1年前)の刊行だった。原著は2014年刊。著者…

週末は北海道:植物園+北大総合博物館

日曜日は、北海道立近代美術館の『ゴジラ展』を見に行く前に、二年前まで住んでいた宿舎の近くを散歩してみた。札幌市有形文化財の清華亭は看板などが新しくなって、以前よりきれいになった印象。正面の偕楽園緑地は、こんなに緑が深かったかなあ。緑地の隅…

週末は北海道:ガロ展(小樽文学館)+ゴジラ展(道近美)

週末1泊2日で北海道に行ってきた。見たい展覧会が2つあったので。土曜の昼過ぎ、小樽に着いて、駅舎の中にある立ち食い寿司「伊勢寿司」で軽い食事。ここ、札幌に住んでいたときも何度か通りがかっていたけど、気後れして入れなかった。今日は旅行者なので、…

地図と写真で歩く/真田一族(平山優)

○平山優執筆・監修;サンニチ印刷真田丸プロジェクト企画・編集『戦国サバイバルを生き抜いた真田三代の軌跡:真田一族』 サンニチ印刷 2016.3 NHK大河ドラマ『真田丸』が、まもなく関ヶ原合戦を迎え、佳境に入っている。私は、久しぶりに初回から一度の見逃…

博物学者として官僚として/田中芳男(国立科学博物館)

○国立科学博物館 企画展『没後100年記念 田中芳男-日本の博物館を築いた男-』(2016年8月30日~9月25日) 企画展といっても常設展エリアの展示である。確か始まっているはずだと思って行ったのだが、館内に入ってしまったら何も案内がなくて、どこでやって…

江戸っ子の愛した水滸伝/国芳ヒーローズ(太田記念美術館)

○太田記念美術館 『国芳ヒーローズ~水滸伝豪傑勢揃』(2016年9月3日~10月30日) 『通俗水滸伝』シリーズのほぼ全点に加え、歌川国芳(1797-1861)が手がけた「水滸伝」に関連する多彩な作品を展示する。うわーたまりませんね! 「奇想」「ユーモア」「役者…

千家の楽茶碗を拝見/千家十職の軌跡展(日本橋三越)

○日本橋三越本店ギャラリー 『茶の湯の継承 千家十職の軌跡展』(2016年8月31日~9月12日) 茶道の家元・三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)それぞれの好みの茶道具を制作する十の職家を「千家十職」という。ずいぶん前に、どこかの展覧会で覚えた言葉…

2016幽霊画展(全生庵)

○全生庵(台東区谷中) 『幽霊画展』(2016年8月1日~8月31日) 三遊亭円朝(1939-1900)ゆかりの全生庵は、毎年8月に幽霊画コレクションを公開している。…という話を初めて聞いたのは、もう30年くらい昔のことではないかと思う。なかなか実際に行ってみる機…

「作品」としての知/学術書の編集者(橘宗吾)

○橘宗吾『学術書の編集者』 慶応義塾大学出版会 2016.7 「名古屋大学出版会の編集長として、数々の記念碑的な企画を世に送り出し、日本の学術書出版を牽引する著者が、編集・本造りの実際について縦横に語る、現役編集者必携、志望者必読のしなやかな鋼のご…