見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

大阪の名建築・ダイビル

先だって大阪に行ったとき、少し時間があって、中之島あたりを散策した。素敵な外装のビルディングがあって、見とれてしまった。 大正14年(1925)に中之島の北側を流れる堂島川畔の田蓑橋のたもとに竣工した「大阪ビルヂング」、通称「大ビル=ダイビル」。設…

南島から来た人間/西郷隆盛紀行(橋川文三)

○橋川文三『西郷隆盛紀行』(文春学藝ライブラリー) 文藝春秋 2014.10 何度か書いているが、私は西郷隆盛という人物の魅力がよく分からない。ほうっておけばよさそうなものだが、時々、思わぬ人が西郷を礼賛しているので、どうしても気になる。たとえば、内…

目で見る日本の精神史/途中下車で訪ねる駅前の銅像(川口泰生)

○川口泰生『途中下車で訪ねる駅前の銅像:銅像から読む日本の歴史と人物』(交通新聞社新書) 交通新聞社 2014.10 「日本のように駅前に数多くの銅像、石像、モニュメントが設置、建立されている国は他にないであろう」と著者は語る。私は外国の駅をあまり利…

中国の楽しい絵画史料/描かれた倭寇(東京大学史料編纂所)

○東京大学史料編纂所編『描かれた倭寇:「倭寇図巻」と「抗倭図巻」』 吉川弘文館 2014.10 え、昨年のうちにこんな本が出ていたの!? 3ヶ月近くも気づかなかったことが無念でならない(※後注あり)。はじめに、おさらいをしておこう。「倭寇」とは、14世紀…

文化の三点測量/日本語で生きる幸福(平川祐弘)

○平川祐弘『日本語で生きる幸福』 河出書房新社 2014.10 今、日本の社会は、グローバリゼーションとやらに前のめりに向かっている。私の勤める職場も、若手から管理職まで、英語の習得は奨励ではなく、もはや義務となってきた。やれやれ。もっと大事なことは…

文人・画人が多数/中国人物伝VI. 明・清・近現代(井波律子)

○井波律子『中国人物伝VI. 変革と激動の時代:明・清・近現代』 岩波書店 2014.12 『中国人物伝』全4巻は、去年の9月から毎月1冊ずつ刊行されていたらしい。年末に東京に帰省して、あ!こんなの出てる!と気づいた。買うのをガマンして札幌に戻ったら、最新…

時流に媚びず/青池保子 華麗なる原画の世界(京都国際マンガミュージアム)

○京都国際マンガミュージアム 漫画家生活50周年記念『青池保子 華麗なる原画の世界~「エロイカ」から「ファルコ」まで~』(2014年11月1日~2015年2月1日) 京都国際マンガミュージアムの存在は、ずいぶん前から気になっていたけれど、一度も訪ねたことがな…

島根鰐淵寺の名宝+ゆっくり常設展(京都国立博物館)

1月17日(土)は、新千歳空港8:30発の便に乗り、10:50には関西空港に着いているはずだった。ところが、折からの猛吹雪。除雪が追いつかず、飛行機がターミナルビルに近寄れないので、バスで滑走路に移動し、タラップ(さすがに屋根付き)で乗り込んだ。天候…

初春は賑やかに/文楽・彦山権現誓助剣、冥途の飛脚、他

○国立文楽劇場 新春文楽特別公演(2015年1月18日) 今年も大阪の国立文楽劇場まで、新春文楽特別公演を見て来た。第1部は、床の真横のボックス席で、視界はこんな感じ。 正面の天井には、吉例「にらみ鯛」と、干支の「羊」字の大凧。揮毫は真言宗智山派総本…

若狭から初荷

正月休みが終わって、東京から帰ってきたら、福井県の「おおい町観光協会」からの封筒がポストに届いていた。昨年、「おおい・高浜の秘仏めぐりバスツアー」に参加したので、もしかして新年度ツアーの案内?それにしては早すぎる、と思って、中を開けたら、…

ふんわり、じわじわ/パンの漫画(堀道広)

○堀道広『パンの漫画』 ガイドワークス 2014.6 「パンにまつわるものごと」を焼き上げた、だいたいふんわりと、時々ハードなパンのような漫画集、というのが、本書のオビ(というか、表紙の一部)に印刷されたコピーである。正月に帰省した折、吉祥寺のパル…

東京に山あり谷あり/地形で読み解く鉄道路線の謎:首都圏編(竹内正浩)

○竹内正浩『地形で読み解く鉄道路線の謎:首都圏編』 JTBパブリッシング 2015.1 首都圏には、さまざまな鉄道路線が走っている。地図で見ると、最短距離を直線で結ぶ路線もあれば、でこぼこと曲がりくねった路線もあり、不自然な急カーブを描くものもある。鉄…

初春は雅楽から/伶楽舎・雅楽コンサート

○札幌コンサートホール(Kitara)主催 『ニューイヤーコンサート 雅楽』(1月12日、14:00~)(出演:伶楽舎) 中島公園にある札幌コンサートホール「Kitara」まで、雪を踏み分けて、雅楽コンサートを聴きに行った。演目は、第1部が管弦「双調音取(そうじょ…

古びない認識/支那論(内藤湖南)

○内藤湖南『支那論』(文春学藝ライブラリー) 文藝春秋 2013.10 内藤湖南(1866-1934)は、ジャーナリストから京都帝国大学教授に転身した東洋史学者で、私の大好きな大学者のひとりである。本書は『支那論』と『新支那論』の二編から成る。大正3(1914)年…

東京の味/立ち食いそば図鑑(マイウェイ出版)

○本橋隆司企画編集『立ち食いそば図鑑:ディープ東京編』(Myway Mook) マイウェイ出版 2014.12 年末に東京に帰省して、神保町の書店街をぶらぶらしているときに見つけた。何もこんな本を東京で買わなくても…と思いながら買ってしまった。札幌で暮らし始め…

一兆円敷地総掘り計画/雑誌・なごみ「探検!東京国立博物館」

○雑誌『なごみ』2014年10月号「大特集・藤森照信×山口晃と行く 探検!東京国立博物館」 淡交社 2014.10 東京国立博物館の『博物館に初もうで』を見に行ったついでに、ミュージアムショップの書籍コーナーをひやかしていて、この雑誌を見つけた。ああ、アレだ…

今年はヒツジ年/2015博物館に初もうで(東京国立博物館)

今年も1月2日に東京国立博物館の吉例『博物館に初もうで』に出かけた。ホームページによると、今年で12年目。「申」から始まった干支も今年の「未」でひと回りしたそうだ。もちろん私は12年間、皆勤である。参観者は年々増えているのではないかと思う。年間…

日本とイスラエル/こんにちは、ユダヤ人です(ロジャー・パルバース、四方田犬彦)

○ロジャー・パルバース、四方田犬彦『こんにちは、ユダヤ人です』(河出ブックス) 河出書房新社 2014.10 私がユダヤ人について知っていることはきわめて少ないが、四方田犬彦さんがイスラエル滞在について書いた本(『心は転がる石のように』2004)が面白か…

史料研究者のとっておき/日本史の森をゆく(東京大学史料編纂所)

○東京大学史料編纂所編『日本史の森をゆく:史料が語るとっておきの42話』(中公新書) 中央公論新社 2014.12 東京大学には、学部・研究科(大学院)のほかに「附置研究所」と呼ばれる組織がある。史料編纂所は「研究所」と名乗ってこそいないけれど、この「…

2014-15年末年始・食べたもの

本日、東京から札幌に戻ってきた。東京が寒かったので、札幌の室内の暖かさがうれしい(灯油ストーブ~LOVE)。 昨年は、一度「水抜き」からの復旧に失敗して、風呂釜を壊した苦い経験があるので、慎重に対処。たぶん大丈夫だと思う。 東京では、29日に横浜…

箱館府から開拓使へ/明治維新と幕臣(門松秀樹)

○門松秀樹『明治維新と幕臣:「ノンキャリア」の底力』(中公新書) 中央公論新社 2014.11 明治維新は、薩長土肥の志士が中心となって成し遂げた。旧態依然として「遅れている」幕府と、進取の気風に富み、「進んでいる」薩長両藩との間で衝突が起これば、薩…

ねらわれた日本/勝海舟と幕末外交(上垣外憲一)

○上垣外憲一『勝海舟と幕末外交:イギリス・ロシアの脅威に抗して』(中公新書) 中央公論新社 2014.12 一昨年から北海道で暮らすことになって、自然と日露関係史を考える機会が増えた。その結果、自分にこの方面の知識が乏しいことを実感するようになった。…

2015年元旦と私的電子書籍元年?

○「群書類従」も電子化、2014年の国内電子書籍は専門書が充実の傾向 (INTERNET Watch 2014/12/26) 明けましておめでとうございます。 この数年(十数年?)正月三が日は実家で過ごしている。私も含めて、年ごとに家族が老いて行くことを除けば、ずっと変わ…