見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

離洛帖・スピードの美学/畠山記念館

○畠山記念館 春季展II『墨跡と古筆-書の美』 http://www.ebara.co.jp/socialactivity/hatakeyama/index.html 禅僧の筆跡「墨跡」と仮名の美「古筆」を取り混ぜた書の展覧会である。畠山記念館の展示室には、細長い座敷がしつらえてあって、最も重要な展示品…

唐の鏡・女性好みの美/泉屋博古館分館

○泉屋博古館分館 特別展『唐の鏡』 http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html 泉屋博古館東京分館の存在を知ったのは、ごく最近のこと。実際に訪ねるのは、今回が初めてである。南北線の六本木一丁目で下りると、ガラスと鉄骨をふんだんに使った高…

ポスターの時代、戦争の表象(東大情報学環シンポジウム)

○東大情報学環シンポジウム『ポスターの時代、戦争の表象』 http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/gnrl_info/news/list06/08.html 上記のリンク先では『第一次世界大戦期プロパガンダ・ポスターコレクション デジタル・アーカイブ公開記念シンポジウム』という長い…

つくられた日本の貴族/華族(小田部雄次)

○小田部雄次『華族:近代日本貴族の虚像と実像』(中公新書) 中央公論新社 2006.3 明治2年(1869)、「公卿諸侯之称廃せられ、改めて華族と称す可し」と定められたのが華族の始まりである。そして明治17年(1884)、公侯伯子男の五爵制を定めた華族令が決定…

鈴木大拙没後四十年/鎌倉国宝館

○鎌倉国宝館 鈴木大拙没後四十年記念展『円覚・東慶・松ヶ岡の至宝』 http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/index.htm 仏教学者・鈴木大拙(1870-1966)の没後40年を記念する展覧会。大拙の遺品と、ゆかりの深い、円覚寺、東慶寺、松ヶ岡文庫(…

古文書いろいろ/金沢文庫

○神奈川県立金沢文庫 企画展『金沢文庫古文書への誘い』 http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm この金沢文庫では、仏像・絵画・工芸など、さまざまな文化財を扱っているが、こうした古文書の展示こそ、本来の面目をあらわすものだ。とは言…

排除される人々/はじめての部落問題(角岡伸彦)

○角岡伸彦『はじめての部落問題』(文春新書) 文藝春秋 2005.11 東京育ちの私は、部落問題というのを実感したことがない。たまに関西に遊びに行くと「差別はやめよう」みたいな標語が街に大きく貼り出してあって、ああ、そんな問題があったなあ、と思い出す…

進歩を疑う/おじさんはなぜ時代小説が好きか(関川夏央)

○関川夏央『おじさんはなぜ時代小説が好きか』(ことばのために) 岩波書店 2006.2 山本周五郎、吉川英治、司馬遼太郎、藤沢周平、山田風太郎、長谷川伸、村上元三など、時代小説の代表的な作家と作品を取り上げて論じたもの。 最も典型的な「時代小説」は、…

中公・日本の歴史/近代国家の出発(色川大吉)

○色川大吉『近代国家の出発』(中公文庫) 中央公論新社 2006.5改版 1965~67年に刊行された中央公論社の『日本の歴史』全26巻は、評価の高い通史である。姉妹編の『世界の歴史』シリーズは、何冊か、高校の図書室で借りて読んだ記憶がある。たぶん『日本の…

黒のバッグ(いただきもの)

あるとき、自分が「ハンドバッグ」と呼べるものを1つも持っていないことに気づいた。ブランド物どころか、ビニール製の安物さえも。堅気の社会人生活を続けて20年余りになるというのに、なんということか。 いちばん困るのは、冠婚葬祭の「葬」のときだが、…

骨董誕生/松涛美術館

○松涛美術館 開館25周年記念特別展『骨董誕生』 http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/museum/ 20代の頃は、いや、30代の頃だって、まさか自分が「骨董」に目覚めようとは思ってもいなかった。絵画や彫刻は、それなりに好きだったが、まさかね、と思ってい…

和解のために/花よりもなほ

○映画 是枝裕和監督・脚本『花よりもなほ』 http://kore-eda.com/hana/ 週末、ちょっと気分を変えるために、時代劇映画が見たいと思った。何かやっていないかなあ、と思って探してみたら、たまたま、この映画を見つけた。だから、是枝裕和が、カンヌ国際映画…

ひらがなの愉悦/MOA美術館

○MOA美術館 所蔵書跡展 国宝手鑑『翰墨城』 http://www.moaart.or.jp/japanese/top.html MOA美術館を訪ねるのは何年ぶりだろう。東京から熱海までは、ずいぶん遠いと思っていたが、新幹線に乗るまでもなく、快速アクティーで、約1時間半である。こんなに近い…

オヤジの妄言/日・中・韓のナショナリズム(松本健一)

○松本健一『日・中・韓のナショナリズム:東アジア共同体への道』 第三文明社 2006.6 著者の名前は、ずっと気になっていた。いちばん読みたいと思っているのは、大著『評伝・北一輝』なのだが、なかなか踏ん切りがつかない。とりあえず、本書は活字も大きい…

成就院のアジサイ

今週は水木金と、慣れない仕事が続いて、ちょっと疲れた。 善通寺のご開帳が来週半ばまでなんだけど、月曜は休めないし。 今から明日の宿を予約して、週末の2日間だけ四国まで行って来るプランを、 さっきまで本気で練っていたのだが、 どうやっても「とん…

キリスト者の半生/境界線を超える旅(池明観)

○池明観『境界線を超える旅:池明観自伝』 岩波書店 2005.8 本書は、1970~80年代、岩波書店の雑誌『世界』に匿名記事を書いていた池明観氏の自伝である。本としてまとまった『韓国からの通信』は、昨年の夏に初めて読んだ。 池明観氏は、1924年、平安北道定…

随身庭騎絵巻と男の美術/大倉集古館

○大倉集古館 『国宝「随身庭騎絵巻」と男(をとこ)の美術』 http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/shukokan/ 『随身庭騎絵巻(ずいじんていきえまき)』は、実在した9名の随身を描いた”似絵(にせえ)”の画巻である。合戦絵巻の武者のように、華麗な大鎧こそまと…

オンリーワンの罠/他人を見下す若者たち(速水敏彦)

○速水敏彦『他人を見下す若者たち』(講談社現代新書) 講談社 2006.2 はじめ、書店で見かけたときは、ああ、相も変らぬ若者論か、と思って、一顧だにしなかった。が、『書評空間』の早瀬晋三さんのブログが、本書は「下手な評論家の際物」ではなく、著者は…

名品に向き合う・その2/出光美術館

○出光美術館 『開館40周年記念名品展』第1弾 http://www.idemitsu.co.jp/museum/ 『名品展I』の後期である。かなり大量の展示替えがあったので、もう1回、行ってきた。ずいぶん珍しいものを見ることができた。 『橘直幹申文絵巻』(鎌倉時代)は、今年3月の…

梁楷の三幅対と「唐物」/東京国立博物館

○東京国立博物館 国宝室『梁楷の三幅対』、特集陳列『東洋の名品・唐物』 http://www.tnm.jp/ もしかしたら、今日(6/4)のうちに、この記事に目を留めてくれる人がいるかも知れないと思って、取り急ぎ、上げる。どちらも本日限りの展示である。 私は昨日(6…

若冲の動植綵絵 ・第3期/三の丸尚蔵館

○三の丸尚蔵館 第40回展『花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に>』 http://www.kunaicho.go.jp/11/d11-05-06.html 第2期が駆け込み観覧になってしまったので、第3期は余裕を持って、初日の朝から出かけた。この判断は大正解。今期のラインナップは、ものす…

写真に残る幕末ニッポン/横浜開港資料館

○横浜開港資料館 『外国人カメラマンが撮った幕末ニッポン-F.ベアト作品展-』 http://www.kaikou.city.yokohama.jp/ フェリーチェ・ベアトは文久元年(1861)に来日、横浜に写真館を開業し、幕末から明治初期の日本を撮影した写真家である。 私は元来、文…

ブログ3年目の弁

先月21日からブログ生活3年目に入った。 ちょうど持ちネタが切れたところなので、3年目の弁を書いておく。 最近、アドバイスに従って「行ったもの2(公演・講演)」のカテゴリーを立てた。 それから、まだ記事は書いていないけど「街の本屋さん」を新設。 「…