見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

全ては本の中/都市のフランス、自然のイギリス(千葉市美術館)

○千葉市美術館『都市のフランス、自然のイギリス~18・19世紀絵画と挿絵本の世界~』 http://www.ccma-net.jp/ 春に地元の川越市立美術館を通りかかったときも、この展覧会のポスターを見た。けれど「都市のフランス、自然のイギリス」という大見出しだけ見…

甲府・週末ミニ旅行(その2)

○武田神社と宝物殿『山本勘助展』 http://www.takedajinja.or.jp/ 武田信玄を祭神とする武田神社は、大正4年(1915)に「武田神社奉建会」が設立され、同8年に社殿が竣工されたそうだから、実は新しい神社である。明治神宮並み(1915年創建の告示)というか…

甲府・週末ミニ旅行(その1)

○甲斐善光寺と甲州五山(東光寺、能成寺、長禅寺、円光寺、法泉寺) 山梨には、たぶん2001年と2003年くらいに来ている。塩山の恵林寺(武田信玄の墓がある寺)や清白寺(国宝の仏殿)を訪ねて、なかなかいいお寺があるものだな、と思った。けれども、甲府は…

男たちの物語/楊家将(北方謙三)

○北方謙三『楊家将』上下(PHP文庫) PHP研究所 2006.7 すごい小説を読んでしまった。読み終わって、しばらく震えが止まらないような。下巻に入ると、感涙が湧きどおしで、しばしば先が読めなくなった。あと数十ページのところで、どうにも我慢ができなくな…

土曜日の朝のカフェ

惨々な8月だった。連日、深夜まで職場に留め置かれて... 先週は土曜日が出勤だったので、今週末は3連休。 しかし、いつ呼び出されるか分からないので、結局、遠出は控えた。 なんとか無事に過ぎて、今日の朝食。 近所に1軒しかないカフェで。 考えてみる…

皇帝のうつわ・今昔/景徳鎮千年展(松濤美術館)

○松濤美術館 『景徳鎮千年展-皇帝の器から毛沢東の食器まで』 http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/museum/20070731_keitokutin.html この展覧会、昨年から岐阜や茨城(笠間)を巡回していて、行きたい行きたいと思っていたものである。とうとう都内にや…

僕らのヒーロー/江戸の怪し(太田記念美術館)

○太田記念美術館『AYAKASHI 江戸の怪し-浮世絵の妖怪・幽霊・妖術師たち-』 http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/ 浮世絵で知られる太田記念美術館は、実は初めて訪ねた。ふだん「浮世」の様態にはあまり興味がないのである。しかし、今回は、妖怪、幽霊、鬼、…

知らないことばかり/グアムと日本人(山口誠)

○山口誠『グアムと日本人:戦争を埋め立てた楽園』(岩波新書) 岩波書店 2007.3 グアムがかつて日本の領土だったこと、太平洋戦争の激戦地であったことくらいは、いちおう知識としては知っている。1972年、「最後の日本兵」横井庄一さんがグアム島で発見さ…

文豪の怪談/鼠坂ほか(森鴎外)

○東雅夫編『文豪怪談傑作選・森鴎外集:鼠坂』(ちくま文庫) 筑摩書房 2006.8 ちくま文庫の「文豪怪談傑作選」は全4巻。森鴎外のほか、泉鏡花、川端康成、吉屋信子が取り上げられている。鏡花、川端(表題作は「片腕」)は、納得の人選だろうが、え?鴎外が…

移動と思索/驢馬とスープ(四方田犬彦)

○四方田犬彦『驢馬とスープ:papers 2005-2007』 ポプラ社 2007.8 2004年12月から2007年1月にウェブマガジン「パブリディ」(現在は休刊)に連載された「週刊ヨモタ白書」を主とする時評エッセイ集である。 四方田さんの著作を単行本として読んだのは、意外…

甲冑の下の褌(ふんどし)

東京国立博物館の特集陳列「博物館のおもちゃ箱」で「甲冑着用備双六(かっちゅうちゃくようそなえすごろく)」というのを見つけた。江戸時代の双六である。褌(ふんどし)→襯衣(したぎ)→衣帯(おび)…という順序で装束をととのえ、最後は大鎧の大将ができ…

あれもこれも/アジアへの憧憬(大倉集古館)

○大倉集古館 『大倉コレクション-アジアへの憧憬』 http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/shukokan/asia.html 会場に掲げられた説明によれば、大倉喜八郎が東洋古美術の蒐集を始めたのは、明治32年(1899)義和団事件の混乱から欧米に流出しようとしていた中…

癒しとやすらぎ/花鳥礼讃(泉屋博古館分館)

○泉屋博古館分館 平成19年夏季展『花鳥礼讃-日本・中国のかたちと心』 http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/index.html 最初の展示室をひとまわりしたあと、隅のソファに腰を下ろした。ほどよい広さの展示室の全景が見渡せる。目に入るものは、全て花鳥画である…

仏像の道・博物画など(東京国立博物館)

○東京国立博物館 特集陳列・常設展示など特別展『京都五山 禅の文化』のあとは、特集陳列いくつかを見てまわった。http://www.tnm.jp/■本館特別5室 特集陳列『仏像の道-インドから日本へ』 ちょっと前から、盛んにポスターやチラシが撒かれていたので、いっ…

男の世界/禅の文化(東京国立博物館)

○東京国立博物館 足利義満六百年御忌記念『京都五山 禅の文化』展 http://www.tnm.go.jp/ 京都五山とは、鎌倉五山に倣って足利将軍家が定めた禅宗(臨済宗)の寺格制度。南禅寺を別格として、天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺と続く。おや、最後の万…

西の草双紙/チャップ・ブックの世界(小林章夫)

○小林章夫『チャップ・ブックの世界:近代イギリス庶民と廉価本』(講談社学術文庫) 講談社 2007.7 チャップ・ブックという言葉を知ったのは、2005年暮れのうらわ美術館の展覧会『挿絵本のたのしみ』だったかしら。2006年の『アラビアンナイト大博覧会』で…

あやしい常識/戦国時代の大誤解(鈴木眞哉)

○鈴木眞哉『戦国時代の大誤解』(PHP新書) PHP研究所 2007.3 近所の本屋に行ったら、本書が壁いっぱいにディスプレイされていた。オビに「ホンモノの武田信玄さんはだれだ!?」とあるくらいだから、大河ドラマ『風林火山』人気(というほど視聴率は伸びて…

東南アジア陶磁器の魅力ほか(茨城県陶芸美術館)

○茨城県陶芸美術館 夏の企画展『アジアの熱気-東南アジア陶磁器の魅力 町田市立博物館名品展』ほか http://www.tougei.museum.ibk.ed.jp/ ちょっと込み入った仕事があって、この数日、ブログの更新を怠っていたが、それを片付けに、今日は茨城県の笠間市に…

ディズニーの自己パロディ/魔法にかけられて(予告編)

○ディズニー映画『魔法にかけられて』(予告編) 2007年秋にアメリカ公開、2008年3月に日本公開予定のディズニー映画である。近いうちに話題にしようと思っていたら、既に複数のサイトやブログが取り上げている。いずれも、私と同じく、7月19日の「めざまし…

苦悩の愛と性/清兵衛と瓢箪・網走まで(志賀直哉)

○志賀直哉『清兵衛と瓢箪・網走まで』(新潮文庫) 新潮社 1968.9 懐かしいな。志賀直哉なんて読むのは、いつ以来だろう。本書は、著者の最も初期の作品を集めた短編集である。子供の頃に好きだった『菜の花と小娘』、逆に子供の頃にはよく分からなかった『…