見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

パリへ-洋画家たち百年の夢/東京藝術大学大学美術館

○東京藝術大学大学美術館 創立120周年企画『パリへ-洋画家たち百年の夢~黒田清輝、藤島武二、藤田嗣治から現代まで~』 http://www.geidai.ac.jp/museum/ 日本固有の「洋画」というジャンルの、100年の歩みを振り返る企画展。この展覧会のポスターは、たぶ…

近代絵画の名品展/神奈川県立近代美術館

○神奈川県立近代美術館(鎌倉館) 春の所蔵品展示『近代絵画の名品展-高橋由一から昭和前期まで』 http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/ そうか、この展覧会、「所蔵品展示」なんだ――。神奈川県立近代美術館は、1951年の開館当時から日本の近現代美術…

イギリス人というもの/映画・クィーン

○スティーヴン・フリアーズ監督 映画『クィーン』 ※公式サイト(音が出ます) http://queen-movie.jp/ 久しぶりに映画を見てきた。いや全く、イギリス人って食えないヤツらだなあ~と呆れてしまった。1997年8月、元皇太子妃ダイアナがパリで交通事故に遭って…

好きなものは散歩と古本/内田魯庵(明治の文学)

○鹿島茂編集解説『内田魯庵』(明治の文学 第11巻) 筑摩書房 2001.3 一昨年だったろうか、明治の世相について調べる必要があって、初めて魯庵の全集を開いた。前後の文章を拾い読みして、これは面白いと思ったのだが、手軽に読める文庫や単行本がない。重た…

澁澤龍彦・カマクラノ日々/鎌倉文学館

○鎌倉文学館 企画展『澁澤龍彦 カマクラノ日々』 http://www.kamakurabungaku.com/ 先日の埼玉県立近代美術館の『幻想美術館』に続く、澁澤龍彦企画である。埼玉の企画のほうが、コアな澁澤ファンとおぼしき熱心な観客が多かった。こちらは、ちょうど見頃の…

読んだもの・落穂拾い

2004年5月から始めたこのブログ、実はひそかに4年目に入った。よく続いているものだと我ながら感心する。この春は転職(異動)と引越しが重なって、ちゃんと読んだのに、感想を残しておけなかった本がある。ここらで、まとめて片付けておきたい。 ■坂野潤治…

動乱の日々/朝鮮紀行(I・バード)

○イザベラ・バード著、時岡敬子訳『朝鮮紀行:英国婦人の見た李朝末期』(講談社学術文庫) 講談社 1998.8 イザベラ・バード(1831-1904) は、『大英帝国という経験』(井野瀬久美恵)の表現を用いれば、帝国の生んだ「レディ・トラベラー」のひとりである。…

永遠のドラコニア・澁澤龍彦-幻想美術館/埼玉県立近代美術館

○埼玉県立近代美術館 企画展『澁澤龍彦-幻想美術館-』 http://www.momas.jp/003kikaku/k2007/3.02.2007.k.htm 日曜で終わってしまった展覧会だが、書いておこう。今年、没後20年を迎える澁澤龍彦が愛した美術・芸術作品で構成した展覧会である。 私が澁澤…

揺れ続けるアイデンティティ/大英帝国という経験(井野瀬久美恵)

○井野瀬久美恵『大英帝国という経験』(興亡の世界史16) 講談社 2007.4 本書の「あとがき」にいうとおり、最近「帝国」が大流行りである。超大国アメリカを語るキーワードとして。あるいは、戦前の日本の社会・文化・思潮を捉える枠組みとして。しかし、「…

関西美術館めぐり拾遺2・日高川草紙

○京都国立博物館・平常展示から http://www.kyohaku.go.jp/jp/index_top.html 特別展『藤原道長』のあとは、いつものように平常展示館を訪ねた。まっすぐ2階に上がって、絵画エリア(中国絵画→近世絵画→絵巻→水墨画→仏画)を順にまわるのが、私の定番コース…

関西博物館めぐり拾遺・MIHOミュージアムのカフェ

特別展『中国・山東省の仏像』を見たあと、バスの時間が中途半端だったので、 「季節のロールケーキ」(熊本産イチゴ)でロハスなティータイム。 同時開催中の企画展『小さきものみな美し』も見ていくことにした。 創立者・小山美秀子氏のコレクションを紹介…

朝鮮通信使来日400年/高麗美術館

○高麗美術館 特別展『誠信のまじわり-通信使の息吹』 http://www.koryomuseum.or.jp/ 朝鮮通信使は、文禄・慶長の役により一時途絶えたが、慶長12年(1607)に復活し、文化8年(1811)まで、12回を数えた。今年は、江戸時代初の通信使来日から、ちょうど400…

埋経一千年・藤原道長/京都国立博物館

○京都国立博物館 特別展覧会 金峯山埋経一千年記念『藤原道長-極めた栄華・願った浄土』 http://www.kyohaku.go.jp/jp/index_top.html 道長といえば、「この世をばわが世とぞ思ふ 望月の欠けたることもなしと思へば」の歌で知られるとおり、この世の栄華を…

速報・若冲展!/承天閣美術館

○承天閣美術館 足利義満600年忌記念『若冲展』 http://jakuchu.jp/jotenkaku/ いまさら説明不要だとは思うが、後年のために書いておく。若冲と深い縁故を持ち、「釈迦三尊像」を持つ相国寺承天閣美術館が、本来はこの「釈迦三尊像」を荘厳するために描かれ、…

肉体と装飾/山東省の仏像(MIHO MUSEUM)

○MIHO MUSEUM 開館10周年記念特別展『中国・山東省の仏像-飛鳥仏の面影』 http://miho.jp/japanese/index.htm 金曜日は埼玉で夜の9時頃まで飲んでいた。それから東京駅に出て、10時の新幹線に乗った。日付が変わる前に名古屋に到着して、予約していた駅前の…

新出・運慶作の大威徳明王/神奈川県立金沢文庫

○神奈川県立金沢文庫 特別展『金沢文庫の仏像』 http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm 金沢文庫では久しぶりの仏像展に加えて、先ごろ、仏師・運慶の作であることが確認された大威徳明王坐像が特別公開されているというので、楽しみに見に…

市民、あるいは共和主義者の祝祭/パトロンたちのルネッサンス(松本典昭)

○松本典昭『パトロンたちのルネッサンス:フィレンツェ美術の舞台裏』(NHKブックス) 日本放送出版協会 2007.4 レオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』、ボッテイチェリの『ビーナスの誕生』、あるいはミケランジェロの『ダビデ』。我々は美術作品を、芸術…

帝国の経験/大正デモクラシー(成田龍一)

○成田龍一『大正デモクラシー』(岩波新書:シリーズ日本近現代史4) 岩波書店 2007.4 今月(4月)の岩波新書のラインナップは、惹かれる新刊揃いだった。なので、これが3冊目。多彩な言論や社会運動が花開き、政党内閣の成立へと結実した、いわゆる「大正デ…

西のみやこ、東のみやこ/国立歴史民俗博物館

○国立歴史民俗博物館 企画展『西のみやこ 東のみやこ-描かれた中・近世都市-』 http://www.rekihaku.ac.jp/events/o070327.html これも連休と同時に終わってしまった展覧会だが、記録のために書いておく。我が国の中・近世都市がいかに描かれてきたのか、…

イタリア・ルネサンスの版画/国立西洋美術館

○国立西洋美術館『チューリヒ工科大学版画素描館の所蔵作品によるイタリア・ルネサンスの版画~ルネサンス美術を広めたニュー・メディア』 http://www.nmwa.go.jp/index-j.html 連休中日の4日のことだ。上野駅は大混雑。公園口の改札に乗客が殺到して出られ…

鎌倉宮の草鹿(くさじし)神事

久しぶりに鎌倉まで遠征。5月5日といえば、鶴岡八幡宮の菖蒲祭(舞楽の奉納あり)が気になるところだが、今年は趣向を変えて、鎌倉宮の草鹿(くさじし)を見に行った。 10人の射手たちが2組に分かれ、鹿をかたどった的を狙って弓の腕を競う神事である。「草…

休日は列車に乗って/鉄道ひとつばなし2(原武史)

○原武史『鉄道ひとつばなし2』(講談社現代新書) 講談社 2007.4 2003年に刊行された『鉄道ひとつばなし』の続編。著者の専門は近現代政治思想史で(私はそちら方面の読者でもある)、鉄道の専門家ではない。「序」によれば、著者が興味を持つのは「鉄道その…

図書館より、もっと図書館/ジュンク堂の提言

○雑誌『情報の科学と技術』57(4) 2007.4 「特集:図書館への提言」 とりあえず、言い訳――別に読もうと思って手に取ったわけではなくて、回覧物として職場の机に載っていた雑誌である。ついでに言うと、「重要」として付箋が付いていたのとは全く違う記事に、…