見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

戦後80年に読む/南京事件 新版(笠原十九司)

〇笠原十九司『南京事件 新版』(岩波新書) 岩波書店 2025.7 著者の旧版『南京事件』は1997年刊行だが、私は読んでいない。新版には新たな史料発見や研究の発展が取り込まれているが、旧版が日本軍史料を多用し「殺す側の論理・作戦」に従って叙述したのに…

涼を求めて幽霊画/2025幽霊画展(全生庵)

〇全生庵 『谷中圓朝まつり 幽霊画展』(2023年8月1日~8月31日) 今年も谷中の全生庵に幽霊画展を見に行ってきた。展示作品は、毎年おなじみのものも、入れ替わるものもある。毎年見ているのに、新しい発見をすることもある。高橋月庵『海上幽霊図』は、嵐…

日本中世に根づく/唐絵(根津美術館)

〇根津美術館 企画展『唐絵:中国絵画と日本中世の水墨画』(2025年7月19日~8月24日) 日中間の交流は中世に入ると再び盛んとなり、院体画や水墨画の名品が日本にもたらされた。「唐絵」と呼ばれたこれらの作品は、足利将軍家をはじめとする武家の間で尊ば…

2025年8月展覧会拾遺

毎日、暑いのでぐったりしている。職場は涼しいのだけれど、帰宅すると、もう何もする気力が起こらない感じ。気がつけば8月も終わるので、あれこれ行ったものから。 ■文化学園服飾博物館 戦後80年企画『衣服が語る戦争』(2025年7月16日~9月20日) 戦勝への…

ドラマ版と見比べ/映画・長安のライチ

〇董成鵬監督『長安の荔枝(ライチ)』(グランドシネマサンシャイン池袋) 先日、ドラマ版を見終わった『長安的荔枝』、実は映画版も作られていて、この夏、中国でヒットしたらしい。そして、なんと中国語字幕・英語字幕版(日本語字幕なし)が期間限定で日…

お化けの棲家2025(深川江戸資料館)と深川七不思議

〇深川江戸資料館 『お化けの棲家』(2025年8月15日~8月17日) 写真を主にしたイベント報告が続く。「お化けの棲家」は、毎年お盆の3日間に行われる深川江戸資料館の夏の風物詩らしいが、私は初めて行ってみた。 江戸末期の深川の町並みをリアルに再現した…

深川八幡祭り2025:二の宮神輿渡御

富岡八幡宮の例祭「深川八幡祭り」、8月17日(日)は丸一日かけて「御本社二の宮神輿渡御」が行われた。二の宮神輿は重さ2トンを誇る日本最大級の神輿。本来、3年ごとに渡御が行われるが、2022年は新型コロナの影響下でトラックに載せた「御車渡御」巡行とな…

深川八幡祭り2025:石見神楽

富岡八幡宮の例祭「深川八幡祭り」、8月16日(土)は夕方6時から石見神楽の公演があった。後半だけでいいかなと思ったので、6時半頃から出かけたら「塵輪(じんりん)」という演目を上演中だった。 仲哀天皇(帯中津日子/たらしなかつひこ)とその臣下・高麻…

深川八幡祭り2025:ガムラン演奏と舞踊

富岡八幡宮の例祭「深川八幡祭り」、2025年は「二の宮神輿渡御」が行われる蔭祭りの年である。私は門前仲町で暮らし始めて9年目、毎年この時期はお盆休みを利用して旅行などに出かけていたのだが、今年は(あまりに暑すぎるので)遠出を止めて、地元のイベン…

『史記』と任侠的心性/古代中国の裏社会(柿沼陽平)

〇柿沼陽平『古代中国の裏社会:伝説の任侠と路地裏の物語』(平凡社新書) 平凡社 2025.3 『史記』遊侠列伝にも取り上げられた大侠・郭解(前漢時代、紀元前170年頃~)の生涯をたどりながら、古代中国の裏社会を多面的に描き出す。著者は、前著『古代中国…

日本支配への抵抗/琉球処分(塩出浩之)

〇塩出浩之『琉球処分:「沖縄問題」の原点』(中公新書) 中央公論新社 2025.6 「琉球処分」とは、日中の両属国家だった琉球王国を日本が強制併合した過程をいう。これは本書のカバーの袖(折り返し)や帯に記載された説明であるが、著者は「まえがき」で、…

あの頃の少女たち/能狂言・日出処の天子

〇観世能楽堂 能 狂言『日出処の天子』(2025年8月10日、17:30~) 古典芸能の中で、能・狂言にはあまり縁がなく過ごしてきたのだが、今年は3月にアイスショー"notte sterrata"でMASAIボレロを見たのを皮切りに、4月に大阪で祝祭大狂言会を見て、6月に宝生会…

gooブログ引越し作業中

三連休に続いて、今日と明日は勤め先の夏季休業でお休みをいただいている。 この機に片付けたいと思っている個人的なタスクがいくつかあって、最重要の1つがブログの引越し作業である。 長年、お世話になってきたgooブログサービスが、本年11月18日で終了す…

権力の都を離れて/中華ドラマ『長安的荔枝』

〇『長安的荔枝』全35集(騰訊視頻他、2025年) ヒットメーカーの馬伯庸原作。しかも2019年にドラマ化された『長安十二時辰』と同じ曹盾監督にして雷佳音主演と聞いていたので楽しみにしていた。『長安十二時辰』とはずいぶんテイストの異なる仕上がりだった…

武将一家の嫁として/京劇・穆桂英、洪州の戦い(新潮劇院)

〇新潮劇院 京劇公演『穆桂英 洪州の戦い』(成城ホール、2025年8月9日18:00~) 久しぶりに京劇のナマの舞台を見てきた。最近、映画『さらば、わが愛』を見直したり、中国の古装ドラマ『蔵海伝』を見たりで、京劇への憧れが募っていたところ、この公演の情…

郷土のむかしむかし/世界遺産縄文(東北歴史博物館)

〇東北歴史博物館 夏季特別展『世界遺産縄文』(2025年7月12日~9月15日) 金曜に仕事で仙台に出張したので、自費で1泊付け加えて、この展覧会を見てきた。チラシの謳い文句は「遮光器土偶が見ていた世界」。2021年に世界文化遺産に登録された「北海道・北東…

復元・多賀城南門を訪ねる

金曜は仕事で仙台出張だったので、自費で1泊付け足して、土曜日は東北歴史博物館を訪ねた。前回と同じで、開館時間の少し前に国府多賀城駅に着いたので、まず多賀城碑(壺の碑)と多賀城政庁跡を見てきた。 前回というのは2023年、FaOI(ファンタジー・オン…