見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

仏を思い、寺を思う/仏具の世界(根津美術館)

〇根津美術館 企画展『仏具の世界 信仰と美のかたち』(2023年2月18日~3月31日) 主に館蔵品から、さまざまな場面で用いられる仏具を紹介し、仏の教えと仏具の造形美の関わりを探る。地味な展覧会だが、私のような仏教美術好きには面白かった。 はじめに目…

大明の普通の人々/中華ドラマ『顕微鏡下的大明之絲絹案』

〇『顕微鏡下的大明之絲絹案』全14集(愛奇藝、2023年) 明・万暦年間、江南地方の仁華県に住む豊宝玉とその友人・帥家黙は、賭場のトラブルから膨大な帳簿の整理を押し付けられる。帥家黙は「算呆子」(算術バカ)と呼ばれる青年で、帳簿の中にあった土地契…

識字陶工と文人ネットワーク/木米(サントリー美術館)

〇サントリー美術館 没後190年『木米』(2023年2月8日~3月26日) 江戸時代後期の京都を代表する陶工・画家・文人の青木木米(1767-1833)の名前は、いちおう知っていた。自分のブログを検索すると、2010年の出光美術館『茶 Tea -喫茶のたのしみ-』展が初…

科学者と軍人/三体0:球状閃電(劉慈欣)

〇劉慈欣;大森望、光吉さくら、ワン・チャイ訳『三体0(ゼロ):球状閃電』 早川書房 2022.12 中国ドラマ『三体』の熱がなかなか冷めないので、昨年12月に刊行された『三体』シリーズの新刊を読んでしまった。原作は『三体』に先行する2004年の刊行。『三体…

磁州窯の名品、刀剣もあり/中国の陶芸展(五島美術館)

〇五島美術館 館蔵『中国の陶芸展』(2023年2月18日~3月26日) 漢時代から明・清時代にわたる館蔵の中国陶磁器コレクション約60点を展観。会場に入って、まず全体を眺め渡し、おなじみのあの作品やこの作品が出ていることを確認する。やっぱり最初に引き寄…

オールドファッションの魅力/映画・崖上のスパイ

〇張藝謀(チャン・イーモウ)監督『崖上のスパイ』(新宿ピカデリー) 1930年代、抗日戦争下の満州国。ソ連で特殊訓練を受けた共産党のスパイ4人組(男性2人:老張、楚良、女性2人:王郁、小蘭)がパラシュートで雪原に降り立つ。彼らの任務は、日本軍の極…

門前仲町でごはん屋呑み

いつもの呑み仲間の友人と二人で、あまり飲めない友人をご飯に誘うことになり、お店の選択に迷った末、羽釜ご飯と酒の店「ごはん屋 おゝ貫」(大貫)にした。2020年12月にオープンした比較的新しいお店で、よく前を通るので、気になっていたのだ。 食事もお…

ショートステイ@金沢

1泊2日の出張で金沢に行ってきた。観光の時間は全くなかったので、初日のランチに金沢駅で食べた「ゴーゴーカレー」のチキンカツカレーと、 自分のお土産に買ってきた「ビーバー」(揚げあられ)の写真を上げておく。 たぶん前回、金沢を訪れたのも仕事で、…

仏像と歴史資料ほか/令和5年新指定国宝・重要文化財(東京国立博物館)

〇東京国立博物館・平成館・企画展示室 特別企画『令和5年新指定国宝・重要文化財』(2023年1月31日~2月19日) 新指定の展示は、なるべく見に行くようにしている。文化庁『新指定国宝・重要文化財展』のページに過去の記録がまとまっているが、コロナ前の平…

外交担当者と国内世論/近代日本外交史(佐々木雄一)

〇佐々木雄一『近代日本外交史:幕末の開国から太平洋戦争まで』(中公新書) 中央公論新社 2022.10 本書は、サブタイトルのとおり、幕末の開国から太平洋戦争まで(巻末の年表では、1792年の露・ラクスマン来航から1945年の終戦まで)の日本外交の軌跡を通…

不良息子の破滅/文楽・女殺油地獄

〇国立劇場 令和5年2月公演(2023年2月11日、18:30~) ・『女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)・徳庵堤の段/河内屋内の段/豊島屋油店の段』 今月は「近松名作集」で『心中天網島』『国性爺合戦』『女殺油地獄』と好きな演目が揃ったが、迷った末に…

中国SFの傑作映像化/中華ドラマ『三体』

〇『三体』全30集(上海騰訊企鵝影視、中央電視台他、2023年) 世界中で読まれている中国のSF小説、劉慈欣の『三体』(三部作の第1部)をドラマ化したもの。日本語訳は2019年に出版され、私もすぐに読んで堪能した。中国でこの作品が映像化されると聞いたと…

冷水寺の十一面観音坐像(東京長浜観音堂)を見る

〇東京長浜観音堂 『十一面観音坐像(脇仏)(長浜市高月町宇根・冷水寺蔵)』(2023年2月1日~2月28日) 今年度最後のお出ましは、冷水寺の十一面観音菩薩坐像。ご本尊の脇に安置されており、もとは出開帳仏であったと伝わる。冷水寺は初めて聞く名前だが、…

須賀川に愛された画家/亜欧堂田善(千葉市美術館)

〇千葉市美術館 企画展・没後200年『亜欧堂田善 江戸の洋風画家・創造の軌跡』(2023年1月13日~2月26日) 江戸時代後期に活躍した洋風画家、亜欧堂田善(あおうどうでんぜん)の大規模な回顧展。現在知られる銅版画約140点を網羅的に紹介するとともに、肉筆…

王朝から近代まで/隅田川の文学(久保田淳)

〇久保田淳『隅田川の文学』(岩波新書) 岩波書店 1996.9 「アンコール復刊」の帯をつけて書店に並んでいた1冊である。私はいま、縁あって隅田川の近くに住んでいるので題名に目が留まった。中を開けたら、近代俳句に始まり、芥川龍之介や川端康成に言及が…

赤坂・塩野の椿餅

このところ、ネットで椿餅の話題を見て、久しぶりに食べたくなった。椿餅は、椿の葉の間に道明寺粉の餅はさんだもの。椿の季節の1~2月に店頭に出る。基本的に関西(京都)の和菓子ではないかと思う。 私は、高校の修学旅行で京都に行ったとき、友人から、八…

プライスさんに感謝/江戸絵画の華(出光美術館)

〇出光美術館 『江戸絵画の華. 第1部 若冲と江戸絵画』(2023年1月7日~2月12日) おー出光美術館、久しぶりに江戸絵画の展覧会だ、としか思っていなかったのだが、「展示概要」を読んで、びっくりした。アメリカの日本美術コレクター、エツコ&ジョー・プラ…