見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

読むひと・書くひと/「河出ブックス」創刊ニュース

○書評空間(紀伊国屋書店) 河出ブックス創刊!ブログ 長い夏休み旅行から帰って、変わったことはないかと思い、ネットを見ていたら、気になる記事を発見した。河出書房新社が、10月10日、「河出ブックス」という新シリーズを創刊するという。その創刊ライン…

延安の味/京劇・三打祝家荘(中国国家京劇院)

○東京芸術劇場 TOKYO京劇フェスティバル2009『水滸伝「三打祝家荘」(すいこでん さんだしゅくかそう)』 中国から「国家重点級」の4つの劇団が来日し、それぞれ得意の演目を披露するという、信じられないような豪華絢爛の京劇フェスティバルが、いま、東京…

中国土産2009(帰国しました)

10日間の夏休み中国旅行から帰国。写真は現地で入手してきた資料の数々。それ以上に、頭の中には今年も大量の収穫が詰まっている。 でも、とりあえず、本日から仕事。何事もなかったかのように、カタギの日本人に戻らなくては…。詳しい中国レポートは、週末…

北京・天津・河北省の旅2009【第10日】北京→帰国

10日間の夏休みも、あっというまに最終日。 智化寺。ガイドブックに「仏教音楽の演奏が聴ける」とあったので、朝、ホテルから歩いて行ってみたが、改修工事のため公開停止の張り紙がしてあった。残念。帰国して調べてみたら、美麗な明代の壁画も見どころだと…

北京・天津・河北省の旅2009【第9日】北京

北京では、雲居寺と石経山→法海寺→大葆台漢墓を見学。 雲居寺。多数の石経(石板に刻した仏経)を山上の石室に保存していることで有名。そのほかに、清の雍正・乾隆年間に勅命でつくられた大蔵経『龍蔵』の版木77,000余枚も所蔵している。写真は、20元(300…

北京・天津・河北省の旅2009【第8日】石家荘→保定→北京

石家荘市近郊の毘盧寺→定州市の開元寺塔→曲陽県の北岳廟→保定市の満城漢墓に立ち寄り、北上して北京に向かう。 毘盧寺。唐代創建といわれる古刹だが、現在は釈迦殿、毘盧殿の2つの建造物を残すのみ。前殿(釈迦殿)は、近代になって、寺の隣りに運河をつくる…

北京・天津・河北省の旅2009【第7日】石家荘(趙県、正定県)

石家荘では、流暢な日本語を話すローカルガイドの陳さん(女性)が加わった。石家荘市は河北省の省都だが、現在の市中心部は、20世紀以降、鉄道の敷設に伴って発展したもので、歴史は浅い。郊外に多くの史蹟が残る。 まず、趙県の安斎橋→趙州陀羅尼経幢を見…

北京・天津・河北省の旅2009【第6日】天津→滄州→石家荘

天津は、2006年に続く再訪のため、前回の心残りポイントのみ。天后廟→天津博物館→青柳鎮の石家大院。 天津博物館は、前回、3階の近代史展示だけでタイムアップしてしまったので、今回は2階に集中。2階は4つの専題陳列室と特展ホール、そして精品陳列室から成…

北京・天津・河北省の旅2009【第5日】秦皇島→天津

秦皇島は、不老不死の薬を求めて秦の始皇帝が訪れた(当時の小島が地殻変動で半島になった)という伝承を持つ。中国人民解放軍の基地があり、10月1日の建国60周年国慶節には、280キロ離れた北京の空まで、8分間で航空機が到着する予定だという(リハーサル中…

北京・天津・河北省の旅2009【第4日】承徳(避暑山荘)→秦皇島

承徳2日目は、避暑山荘。康熙帝が造営し、乾隆帝が整備し(イギリス大使ジョージ・マカートニーにも謁見)、咸豊帝は、屈辱的な天津条約、北京条約に署名し、京劇三昧に現実逃避したまま、この地で崩じた。大清帝国の栄枯盛衰が刻み込まれた故地であるが、何…

北京・天津・河北省の旅2009【第3日】承徳(外八廟)

承徳は旧名・熱河。清代には夏の離宮「避暑山荘」が営まれ、その外周を「外八廟」と呼ばれる寺廟が囲んでいる。「山荘」というのだから、どんな山の中かと想像していたら、「避暑山荘」の正門は繁華街の只中にあった。皇居の大手門みたいなものだ。外八廟へ…

北京・天津・河北省の旅2009【第2日】北京→長城→承徳

2日目は、河北省西北部の承徳に向けて出発。途中、司馬台と金水嶺の2ヵ所で万里の長城を見学。北京近郊の長城観光ポイントとしては、最も遠方に位置する(※地図)。北京からの日帰りツアー客の多い八達嶺や慕田峪と異なり、のんびりした雰囲気。日本人はひと…

北京・天津・河北省の旅2009【第1日】出発→北京

7月以来、何度も延期を余儀なくされた中国旅行だったが(私が原因)、9月の大型連休を利用して、なんとか出発にこぎつけた。行き先も当初の計画から二転三転、最後に選んだのが河北省。東は渤海湾に臨み、北京市、天津市という2つの直轄市を三方から包み込む…

【ただいま夏休み中】今年は中国10日間

明日から夏休み。そのまま、大型連休に突入して、10日間、中国を旅行してくる。「恒例の」と言いたいところだが、昨年の行き先は韓国だったので、2年ぶりである。ちなみに、一昨年は寧波+天台山+普陀山ツアーだった。2年後に奈良博の特別展のおかげで、「…

政権交代の今こそ/近代日本の国家構想(坂野潤治)

○坂野潤治『近代日本の国家構想:1871-1936』(岩波現代文庫) 岩波書店 2009.8 この夏、自民党から民主党への政権交代がほぼ確実と言われ始めた頃から、私は坂野先生のコメントが聞いてみたくてしかたなかった。選挙の結果が出たら、どこか、気の利いた記者…

文系も理系も楽し/大蔵経と東アジア、ほか(東大総合博物館)

○東京大学総合研究博物館 『大蔵経と東アジア-東京大学総合図書館所蔵嘉興蔵の世界』展(2009年8月25日~9月15日) この展示会を取り上げる物好きはあまりいないだろう、と思いながら書く。東京大学総合図書館は、明の万暦版大蔵経を所蔵している。貴重なも…

草原を渡る文化/ユーラシアの風、新羅へ(古代オリエント博物館)

○古代オリエント博物館 日韓共同企画展『ユーラシアの風、新羅へ』(2009年8月1日~9月6日) 今年の春、MIHOミュージアムで開催されていたときは、見たい見たいと思いながら、結局、行き逃してしまった。それが池袋の古代オリエント博物館に巡回してきていた…

リアリティに抗して/戦後日本スタディーズ1:40・50年代

岩崎稔ほか編著『戦後日本スタディーズ1:40・50年代』 紀伊国屋書店 2009.9 ③80・90年代→②60・70年代→①40・50年代と、”逆時代順”に刊行されてきた本シリーズの完結巻。当初、広告を見たときは、いちばん面白くなさそうだと思った本巻が、読んでみたら、いち…

沙翁に捧ぐ/文楽・天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)

○国立劇場 9月文楽公演『天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)』 たまたま、公演初日を見に行った。会場に漲る、そこはかとない緊張感に、いつもに増して胸が高鳴る。本作は、シェイクスピアの戯曲に題材を取り、坪内逍遥の翻訳『颶風(テムペスト)』…

さまざまな「あの日」/東アジアの終戦記念日(佐藤卓己、孫安石)

○佐藤卓己、孫安石編『東アジアの終戦記念日:敗北と勝利のあいだ』(ちくま新書) 筑摩書房 2007.10 7月30日、佐藤卓己さんと川島真さんのトークセッションを聞きに行き、引き続き、『1945年の歴史認識:「終戦」をめぐる日中対話の試み』(東京大学出版会…

理想の家庭生活/すずしろ日記(山口晃)

○山口晃『すずしろ日記』 羽鳥書店 2009.3 画家の山口晃さんの漫画エッセイ。東大出版会のPR誌『UP』に連載されて、5年目になるそうだ。美術制作にかかわる話は少なく、もっぱら、画伯と「カミさん」とふたりの、まったりした日常生活が題材である。オチもあ…

愛の対象/キリストの身体(岡田温司)

○岡田温司『キリストの身体:血と肉と愛の傷』(中公新書) 中央公論新社 2009.5 近年、私はすっかり東洋美術びいきになってしまった。それというのも、西洋美術は、自我に目覚めた芸術家の「作品」であって、それ以外の解釈を遮断されているように感じるの…