見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

宮内庁楽部・舞楽公演『蘇合香』『狛桙』(国立劇場)

○国立劇場 舞楽公演『蘇合香(そこう)』『狛桙(こまぼこ)』(2011年2月26日) 久々に宮内庁式部職楽部による舞楽公演を見てきた。前売開始日を忘れていて、出遅れたのだが、運よくチケットを取ることができた。3階席だったが、全体が見通せるので、こうし…

お寺にとっての文化財を考える/宝物特別公開(薬師寺東京別院)

○薬師寺東京別院 宝物特別公開『薬師寺の文化財保護展』(2011年2月26日~3月6日) 薬師寺東京別院を訪ねるのは4回目。ようやく迷わずにたどりつけるようになった。今回の目的は、昨年9月に発見された奈良時代の大般若波羅蜜多経(永恩経)である。昭和57年…

生活を遊ぶ/京都アート+クラフト紀行(アリカ)

○アリカ編著『京都アート+クラフト紀行』(おんなのたび) 東京地図出版 2009.3 先々週の京都旅行の直前に、ふと思い立って買ってみた本。アートな感覚にあふれたお寺や美術館のほか、雑貨屋さん、カフェなどが紹介されている。河井寛次郎記念館は、本書の写…

経済学者のヘンな研究/競争と公平感(大竹文雄)

○大竹文雄『競争と公平感:市場経済の本当のメリット』(中公新書) 中央公論新社 2010.3 経済学者の書いた本だから難しいかな、と思っていたら、面白かった。最近の学者は(いい意味で)ヘンな研究ばかりやっているんだなあ…と感心した。以下は、本書に掲げ…

カタストロフの幕末/慶喜の捨て身:幕末バトル・ロワイヤル(野口武彦)

○野口武彦『慶喜の捨て身:幕末バトル・ロワイヤル』(新潮選書) 新潮社 2011.2 やったー野口武彦さんの「幕末バトル・ロワイヤル」シリーズ最新作だー!という具合で、書店で見つけるなり、即購入、一気に読み通してしまった。ご存知、「週刊新潮」連載の…

遅れてきた世代/琳派芸術・第2部 転生する美の世界(出光美術館)

○出光美術館 酒井抱一生誕250年『琳派芸術-光悦・宗達から江戸琳派-』第2部「転生する美の世界」(2011年2月11日~3月21日) 琳派第2部は、酒井抱一、鈴木其一ら江戸琳派の作品が中心。光悦、宗達、光琳という超ビッグネームを有する第1部に比べると、少し…

暴走せよ!/妄想力(茂木健一郎、関根勤)

○茂木健一郎、関根勤『妄想力』(宝島社新書) 宝島社 2009.9 関根勤さんは、私の好きな芸人である。子供の頃は、テレビで見ていても、気持ち悪くて、つまらなくて嫌いだった。それが深夜ラジオを聞くようになったら、すっかりハマってしまった。あれは私が…

良源から清盛へ/僧兵=祈りと暴力の力(衣川仁)

○衣川仁『僧兵=祈りと暴力の力』(講談社選書メチエ) 講談社 2010.11 僧兵とは武装した僧侶のことであるが、かなり読み進んでから、「僧兵」という言葉が中世史料にはなく、江戸時代にようやく登場する造語であり、武士階級による武力の独占を達成した江戸…

エンジニアの教え/工学部ヒラノ教授(今野浩)

○今野浩『工学部ヒラノ教授』 新潮社 2011.1 東大工学部応用物理学科を卒業後、筑波大、東工大、中央大で教鞭をとった著者が、40年間の体験をもとに綴った「工学部実録秘話」。タイトルは、1990年代はじめ、文学部教授の生態を白日の下にさらしてベストセラ…

写真と証言/パリ、娼婦の館(鹿島茂)

○鹿島茂『パリ、娼婦の館』 角川学芸出版 2010.3 19世紀(いわゆる長い19世紀)、パリの娼家風俗を紹介する。立ち読みで手に取って驚いたのは、意外なほどの資料写真の多さだった。いかにも、のエロチックな娼婦の姿態だけでなく(これは通勤電車の中で広げ…

河井寛次郎記念館

【gooフォトチャンネルから移行】2011年2月訪問。京都五条坂下。

寒波京都旅行:東山、美術館など見て歩き

■建仁寺両足院(東山区小松町) 初日、京都国立博物館のあと、「京の冬の旅」で特別公開中の同院を訪ねた。お目当ては、長谷川等伯の『竹林七賢図』と伊藤若冲の『雪梅雄鶏図』。どちらも美術館で見たものだけど、現地で見てみたかったのだ。初公開をうたっ…

安土散策:見寺(安土城跡)で曽我蕭白の屏風を見る

安土城考古博物館の帰り、少し周辺の史跡を歩いていくことにする。線路をくぐって安土城跡に抜ける近道が通行止めだったので、いったん駅の近くまで戻って大回り。安土駅から安土城跡に向かう間に、信長時代のセミナリヨ(神学校)跡があるらしいので、曖昧…

観音の里で/近江の観音像と西国三十三所巡礼(安土城考古博物館)

○滋賀県立安土城考古博物館 第41回企画展『近江の観音像と西国三十三所巡礼』(2011年2月11日~4月3日) 安土城考古博物館は久しぶりだ。10年ぶりくらいかしら。前回は、観音正寺から下ってきて、ここに寄り、最寄り駅までバスがあるだろうと思ったら、何も…

書と篆刻の優品/筆墨精神+園田湖城(京都国立博物館)

○京都国立博物館 特別展覧会『筆墨精神-中国書画の世界-』+特集陳列『生誕125年記念 篆刻家 園田湖城』(2011年1月8日~2月20日) 中国絵画はともかく、書となると、ちょっと敷居が高い。まして篆刻ねえと構えていたが、中国好きの友人に同行してもらった…

寒波京都旅行・まとめとお土産

この3連休、行ってきたところ。順次レポート書きます。 2/11(金):筆墨精神/篆刻家 園田湖城(京都国立博物館)~建仁寺両足院 2/12(土):近江の観音像と西国三十三所巡礼(安土城考古博物館)~セミナリヨ跡~安土城跡・見寺~石山寺~三井寺 2/13(…

寒波京都旅行・食べたもの

積雪予報にヒヤヒヤしていたが、無事に京都に到着。 初日は京都国立博物館で4時間(!)過ごしてしまった。もちろん昼食抜き。展覧会レポートはまた後日。 早めの夕食は、在京都の友人の案内で、京都大丸のデパ地下へ。名店・三嶋亭のすき焼きがカウンターで…

毛皮にくるまれて/もうすぐ絶滅するという紙の書物について(U. エーコ、J.C. カリエール)

○ウンベルト・エーコ、ジャン=クロード・カリエール『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』 阪急コミュニケーションズ 2010.12 電子書籍元年だというので、巷には関連本があふれている。本書も、いかにもそれふうのタイトルに加えて、「紙の本は、電子…

懐かしのシルクロード/仏教伝来の道(東京国立博物館)

○東京国立博物館 文化財保護法制定60周年記念 特別展『仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護』(2011年1月18日~3月6日) 気乗り薄の特別展だったが、まあ一応、と思って見てきた。冒頭では、写真、地図、水彩作品等で、平山郁夫氏(1930-2009)の取材旅行(15…

家族の絆/文楽・芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)

○国立劇場 2月文楽公演『芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)』『嫗山姥(こもちやまうば)』(2011年2月5日) 『芦屋道満大内鑑』は、見どころ「葛の葉子別れの段」と舞踊的な要素の強い「蘭菊の乱れ」。しっとりした、いい構成だった。初めて…

お腹の鳴る本/江戸グルメ誕生(山田順子)

○山田順子『江戸グルメ誕生:時代考証で見る江戸の味』 講談社 2010.11 出版社も売り方を心得たもので、帯にさりげなく「TVドラマ『JIN-仁-』の時代考証を担当する著者が…」とある。教えられるまでもない。2009年秋、ドラマ『JIN-仁-』にハマった私は、…

Googleアートプロジェクトの衝撃+e国宝など

昼休み、職場のパソコンでYahoo!ニュースをチェックしていたら「GoogleSVで美術館の作品鑑賞」という見出しが目に入った。「米グーグル(Google)は1日(現地時間)、メトロポリタン美術館やニューヨーク近代美術館をはじめ世界の17の美術館に収蔵されている…

光悦のウサギ/生誕250年 酒井抱一(畠山記念館)

○畠山記念館 平成23年冬季展『生誕250年 酒井抱一-琳派の華-』(前期:2011年1月23日~2月17日) 酒井抱一(1761~1828)生誕250年を記念して、畠山記念館が所蔵する抱一作品を一挙公開。あわせて光悦、宗達、光琳、乾山ら琳派の作品を紹介する。鈴木其一…

僕らのヒーロー/歴史を描く(山種美術館)

○山種美術館 『歴史を描く-松園・古径・靫彦・青邨-』(2011年1月8日~2月17日) 館蔵コレクションの歴史画による展覧会。ただし、本展の「歴史」の定義はかなり鷹揚で、神話や歴史物語、風俗図も広く含んでいる。なので、日本武尊像はともかく、中将姫や…