仕事が押したり、関西に出かけたりしていて、このところレポートを書いていない「行ったもの」拾遺。
■板橋区立美術館 江戸文化シリーズNo.27『実況中継EDO』(2011年9月3日~10月10日)
9月19日に榊原悟先生の講演会を聴きに行って、展覧会のレポートはまた別稿、と思っていたら、書き逃した。宮内庁三の丸尚蔵館所蔵の応挙筆『群獣図屏風』が初見で、インパクトがあった。応挙の動物画のコラージュみたいで、あまり全体の構成とか考えていないのではないかと思われるのだが、その寄せ集め感が、かえって面白かった。東博の博物画コレクションは大好きなので、あらためて「美術」として展示されている図は、なんか勝手に面映ゆい感じがした。
■日本橋高島屋 『大和の尼寺 三門跡寺院の美と文化展』(2011年10月19日~11月1日)
法華寺、中宮寺、円照寺の歴史と儀礼、尼僧の修行生活を紹介する展覧会。近世~近現代の工芸品が中心だが、中には室町・鎌倉に遡るものもあった。小袖を裂いて仕立てたという中宮寺の幡(ばん)や打敷、円照寺の春日神鹿厨子が愛らしかった。円照寺の文秀女王御作という『男子一代出世競べ双六』は、四隅から官・農・工・商のいずれかを選んでスタートするもの。時代を写していて、面白い。
■浄土宗大本山 増上寺 『三解脱門』一般公開(2011年9月17日~11月30日)
戦後初の一般公開。楼上には釈迦三尊像、十六羅漢像および歴代上人像が安置されている。十六羅漢像は玉眼、色鮮やか。動物はいない。羅漢のステレオタイプにならず、個性を描き(造り)分けている。第十六尊者の注荼半諾迦(ちゅだはんたか)だけ、達磨ふうに赤い頭巾をかぶる。歴代上人像31体は、3~40世(欠落あり)の法主に定められている。小さな像だが、これもぶつぶつ喋り出しそうな人間味がある。
■東京国立博物館・本館特別2室 特集陳列『板谷家の絵画とその下絵』(2011年10月25日~12月4日)
住吉家から分立し、江戸中期に幕府の御用絵師に加わった板谷(いたや)家を紹介する。東博は、2010年3月、板谷家最後のご当主から、絵画・歴史資料1万点を寄贈いただき、現在整理中であるとのこと。いや~博物館の展示の裏で行われている整理や鑑定作業って大変なんだろうなあ、と思う。今後に期待。
■東京国立博物館・本館特別1室 『中国書画精華』(前期:2011年10月18日~11月13日)
久しぶりに、伝・毛松筆『猿図』を見た。東博のサイトにある短い説明「単なる写実を越えたすぐれた表現」に同感。「中国の猿ではなく日本猿」は不思議だなー。なぜそんな作品が描かれたんだろう。おなじみの館蔵品に混じって、山梨・久遠寺の伝・胡直夫筆『夏景山水図』や岐阜・永保寺の『千手観音図』が見られるのも嬉しい。後者は、白い雲に乗った白衣の千手観音で、様式化されない肉厚の腕が生々しい。