〇国立民族学博物館 特別展『シルクロードの商人(あきんど)語り-サマルカンドの遺跡とユーラシア交流-』(2026年3月19日〜6月2日)
5月の関西旅行の際、この特別展も見てくる予定だったのだが、休館日と知らずに水曜に出かけてしまったので見られなかった。悔しいので、会期末までにもう一度、大阪まで出かける計画を立てた。ところが、6月2日は近畿地方に台風上陸の恐れがあるという。ええ…悩んだが、予想進路は太平洋岸すれすれを通っていたので、運を天に任せて決行することにした。2日、大阪では降り始めた雨を警戒しながら、民博に向かう。
本展は、考古遺物に現代の刺繍・織物・楽器・民族衣装などを加え、シルクロードを行き交った文物を「商人(あきんど)」の活動に焦点を当てて、中央アジアにおける文化の多様性と広範な交流・交易の実態を紹介する。
中心となるのは、ウズベキスタンのサマルカンド市南郊に位置するカフィル・カラ遺跡のシタデル(城塞)から出土した考古遺物である。この遺跡は、6〜8世紀(ソグド人時代)の重要な都市・城塞遺跡と考えられている。2013年以降、サマルカンド考古学研究所と民博等による共同発掘調査が進められており、2017年にはゾロアスター教の女神ナナと供養者たちを彫刻した巨大な木板が発見されている。

会場では発掘資料の展示のほか、研究者が発掘の様子を紹介するビデオが流れていて、30分近くある全編を見てしまった。編集されたビデオの中では7~8年の月日が流れていて、本当に根気のいる仕事(研究)だなあと思った。
入口付近に「シルクロード」各所の遺跡の写真が展示されており、その中に中国・玉門関の写真があった。私が訪ねたのは2000年代のはじめだったろうか? 荒涼とした砂漠にポツンと立っていた光景を記憶していたのに、今ではアクセスしやすい板張りの道が付いていて驚いた。それから見ると、カフィル・カラ遺跡の風景は、90年代に見た新疆の風景によく似ていた。遺跡のまわりは乾いた赤土の丘だが、すぐ横を豊かな水量の川が流れ、緑豊かな畑も広がっていた。
私はむかしからソグド人に興味があって、いろいろ関連書を読んできたのだが、ソグド人の根拠地だった「ソグディアナ」の位置がなかなか頭に入らなかった。ようやく今回の展示で、風景のイメージとセットで理解できたように思う。
これは中国寧夏回族自治区の塩池何氏墓地(ソグド人墓地)の墓門の拓本(個人蔵)。男性が!胡旋舞を舞っている! !

実は初めて見るお宝がけっこうあり、「個人蔵」のほか「平山郁夫シルクロード美術館」「浜名梱包輸送シルクロード・ミュージアム」が目についた。どちらもまだ行ったことのない博物館なので、いつかは行きたい。
2階は現代の刺繍・織物・楽器・民族衣装など。絣(かすり)は、かつて新疆ウイグル自治区を旅行したときもたくさん見たもので懐かしかった。

ついでに常設展エリアもひとまわり。ブログ内で調べたら、2024年5月以来なので2年ぶりである。いつ来ても変わらず楽しいが、細部はちょこちょこリニューアルされているように思う。
インドネシアの魔女ランダと聖獣バロン。昨年2025年8月、富岡八幡宮の深川八幡祭りでガムランの演奏と舞踊を見て以来、私はすっかり魅了されている。

ヒンドゥー教の女神ドゥルガー。カッコいい。

この子はアフリカ・ザンビアのニャウ・ヨレンバ。葬送儀礼に登場し、死者の霊を祖先の世界に送り届ける役割を担うのだそうだ。水木しげるのマンガにもいそう。

外へ出ると雨は小降りになっていた。続きは別稿。