見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

行ったもの(美術館・見仏)

日本中世に根づく/唐絵(根津美術館)

〇根津美術館 企画展『唐絵:中国絵画と日本中世の水墨画』(2025年7月19日~8月24日) 日中間の交流は中世に入ると再び盛んとなり、院体画や水墨画の名品が日本にもたらされた。「唐絵」と呼ばれたこれらの作品は、足利将軍家をはじめとする武家の間で尊ば…

2025年8月展覧会拾遺

毎日、暑いのでぐったりしている。職場は涼しいのだけれど、帰宅すると、もう何もする気力が起こらない感じ。気がつけば8月も終わるので、あれこれ行ったものから。 ■文化学園服飾博物館 戦後80年企画『衣服が語る戦争』(2025年7月16日~9月20日) 戦勝への…

郷土のむかしむかし/世界遺産縄文(東北歴史博物館)

〇東北歴史博物館 夏季特別展『世界遺産縄文』(2025年7月12日~9月15日) 金曜に仕事で仙台に出張したので、自費で1泊付け加えて、この展覧会を見てきた。チラシの謳い文句は「遮光器土偶が見ていた世界」。2021年に世界文化遺産に登録された「北海道・北東…

復元・多賀城南門を訪ねる

金曜は仕事で仙台出張だったので、自費で1泊付け足して、土曜日は東北歴史博物館を訪ねた。前回と同じで、開館時間の少し前に国府多賀城駅に着いたので、まず多賀城碑(壺の碑)と多賀城政庁跡を見てきた。 前回というのは2023年、FaOI(ファンタジー・オン…

2025年7月展覧会拾遺

■太田記念美術館 『鰭崎英朋』(2025年5月31日~7月21日) 月岡芳年の孫弟子であり、明治末から昭和にかけて、小説の単行本や雑誌の口絵に美しい女性たちを描いた鰭崎英朋(1880-1968)の作品を展示する。木版画、石版画、オフセット印刷など、さまざまな印…

2025年7月関西旅行:日本美術の鉱脈展(大阪中之島美術館)

〇大阪中之島美術館 『日本美術の鉱脈展:未来の国宝を探せ!』(2025年6月21日~8月31日) 縄文から近現代まで、日本美術のいまだ知られざる鉱脈を掘り起こし、美しい宝石として今後の日本美術史に定着していくことを目標とする展覧会。山下裕二先生の監修…

浮世絵見て歩き/上野の森、千葉市美、慶応義塾

■上野の森美術館 『五大浮世絵師展-歌麿、写楽、北斎、広重、国芳』(2025年5月27日~7月6日) 大河ドラマ『べらぼう』の影響か、今年は浮世絵展が大流行りである。私は東京近郊の展覧会は全て見に行こうと決めている。この展覧会は、閉幕1週間前に出かけた…

さまざまな美女/上村松園と麗しき女性たち(山種美術館)

〇山種美術館 特別展・生誕150周年記念『上村松園と麗しき女性たち』(2025年5月17日~7月27日) 2025年、上村松園(1875-1949)が誕生して150年を迎えることを記念し、数々の名品を取り揃えてその画業をたどるとともに、松園と同時代の画家から現在活躍中の…

自然観察と書画工芸/花と鳥(三井記念美術館)

○三井記念美術館 美術の遊びとこころIX『花と鳥』(2025年7月1日~9月7日) この「美術と遊びとこころ」というシリーズ、私のメモでは2013年のVI(第6回)まで遡ってしまうのだが、最近も使われていたのかな。気づいていなかった。第9弾の今回のテーマは花と…

青銅器と青銅鏡の宇宙/死と再生の物語(泉屋博古館東京)

〇泉屋博古館東京 企画展『死と再生の物語(ナラティヴ)-中国古代の神話とデザイン』(2025年6月7日~7月27日) 京都の泉屋博古館所蔵の青銅鏡の名品を中心として、中国古代の洗練されたデザイン感覚、その背景となった神話や世界観を紹介する企画展。「動…

比べて味わう高野切/極上の仮名(五島美術館)

〇五島美術館 平安書道研究会900回記念特別展『極上の仮名 王朝貴族の教養と美意識』(2025年6月25日~8月3日) あ、次の展覧会は古筆ね、というくらいの軽い気持ちで見に行ったら、とんでもない特別展だった。仮名関係の展示は前後期併せて106件、そのうち7…

常設展の楽しみ/明代文人文化の華やぎ(東博)他

先週末、上野の森美術館の『五大浮世絵師展』を目指して上野に行ったら、開館前からものすごい行列だったので、予定を変更して東博に足を向けた。 ■東京国立博物館・東洋館8室(中国の絵画) 橋本コレクション受贈記念『明代文人文化の華やぎ』(2025年6月3…

2025年5-6月展覧会拾遺

■すみだ北斎美術館 企画展『北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで』(2025年3月18日〜5月25日) 大河ドラマ『べらぼう』人気を当て込んでか、今年は浮世絵や江戸文化をテーマにした展覧会が多い。私は、もともと浮世絵にあまり関心はないのだが、今…

「推し」は天平写経と元代墨蹟/写経と墨蹟(根津美術館)

〇根津美術館 企画展『はじめての古美術鑑賞-写経と墨蹟-』(2025年5月31 日~7月6日) 「はじめての古美術鑑賞」シリーズ。2019年の「絵画のテーマ」以来の開催という認識で合っているだろうか?それにしても「写経と墨蹟」って渋すぎるだろ!と思いなが…

不昧公との縁/花ひらく茶と庭園文化(荏原畠山美術館)

〇荏原畠山美術館 開館記念展III(急)『花ひらく茶と庭園文化-即翁と、二万坪松平不昧 夢の茶苑』(2025年4月12日~6月15日) リニューアル開館記念展の第3部は、畠山即翁をはじめ、近代茶人の憧れの存在だった大名茶人・松平不昧の茶の湯と庭園づくりに着…

2025年5月関西旅行:MIHOミュージアム、細見美術館

■MIHOミュージアム 春季特別展『うつくしきかな-平安の美と王朝文化へのあこがれ-』(2025年3月15日~6月8日) 先週末の関西旅行の記録、ようやく最終日に到達である。日曜は朝イチ、石山駅から路線バスに乗ってMIHOミュージアムに向かった。本展は、古筆…

2025年5月関西旅行:龍谷ミュージアム、京都文化博物館など

■龍谷ミュージアム 春季企画展『大谷探検隊 吉川小一郎-探究と忍耐 その人間像に迫る-』(2025年4月19日~6月22日) 関西旅行初日に訪ねた展覧会をあと2つ。明治時代後期、大谷探検隊の隊員として中国や中央アジアに赴いた吉川小一郎(よしかわ こいちろう…

2025年5月関西旅行:帰ってきた泉屋博古館(リニューアル)

〇泉屋博古館 リニューアル記念名品展I『帰ってきた泉屋博古館 いにしえの至宝たち』(2025年4月26日~6月8日) 関西旅行初日。京博のあとは、見たかった展覧会を順番に訪ねた。まずは1年の改修工事を経て再開した同館へ。建物へのアプローチがちょっときれ…

2025年5月関西旅行:美のるつぼ(京都国立博物館)

〇京都国立博物館 大阪・関西万博開催記念・特別展『日本、美のるつぼ-異文化交流の軌跡-』(2025年4月19日~6月15日) 5月最後の金曜に年休を取って、2泊3日で関西で遊んできた。最大の目的はこの展覧会、「大阪・関西万博開催記念」の3企画のうち、最後…

東京建築祭2025:慶応大学、旧近衛師団司令部庁舎、他

〇東京建築祭2025(2025年5月24日~25日) そういえば、昨年、初めて東京建築祭に参加したのは今頃だったなと思い出して検索してみたら、今年も開催されることが分かって大喜びした。今年は5月17~18日の週末から特別公開が始まっていたが、17日は大雨だった…

唯一無二の茶碗/黒の奇跡・曜変天目の秘密(静嘉堂文庫)

〇静嘉堂文庫美術館 『黒の奇跡・曜変天目の秘密』(2025年4月5日~6月22日) 工芸の黒い色彩をテーマとして、刀剣や鉄鐔など「黒鉄」とよばれる鉄の工芸品や「漆黒」の漆芸品を紹介するととも、中国と日本の黒いやきものの歴史をたどり、東洋陶磁の至宝、曜…

武士のイメージ/国宝の名刀と甲冑・武者絵(三井記念美術館)

〇三井記念美術館 『国宝の名刀と甲冑・武者絵、特集展示 三井家の五月人形』(2025年4月12日~6月15日) 国宝の短刀2点『名物 日向正宗』と『名物 徳善院貞宗』をはじめ、重要文化財7点を含む刀剣、および蒔絵の拵などを一挙に公開する。と聞いても、私はあ…

絵巻と能の異類退治物語/酒呑童子ビギンズ(サントリー美術館)

〇サントリー美術館 『酒呑童子ビギンズ』(2025年4月29日~6月15日) 週末に見に行った展覧会、順番が前後するが、こちらから紹介する。実は前日、三井記念美術館の『国宝の名刀と甲冑・武者絵』を見に行ったら、同館所蔵の『酒呑童子絵巻』(根津美術館本…

2025年4-5月展覧会拾遺(2)

■山種美術館 特別展『桜 さくら SAKURA 2025-美術館でお花見!-』(2025年3月8日~5月11日) 毎年楽しんでいる「桜」展。今年は会期ギリギリの5月の連休中に訪ねた。冒頭には松岡映丘の『春光春衣』。川合玉堂、小野竹喬、山本丘人など、比較的写実的な春…

2025年4-5月展覧会拾遺(1)

■東京藝術大学大学美術館 相国寺承天閣美術館開館40周年記念『相国寺展-金閣・銀閣 鳳凰がみつめた美の歴史』(2025年3月29日~5月25日) 確か4月29日に訪問したのだが、めちゃくちゃ混んでいた。私は年に数回京都に行くと、ほぼ必ず承天閣美術館に寄ってい…

大河ドラマともに楽しむ/蔦屋重三郎(東博)

〇東京国立博物館 特別展『蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児』(2025年4月22日~6月15日) 2025年の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)との連携展。江戸時代の傑出した出版業者である蔦重こと蔦屋重三郎(1750-1797)の活動をつぶさにみ…

三屏風揃い踏み/国宝・燕子花図と藤花図、夏秋渓流図(根津美術館)

〇根津美術館 財団創立85周年記念特別展『国宝・燕子花図と藤花図、夏秋渓流図:光琳・応挙・其一をめぐる3章』(2025年4月12 日~5月11日) 毎年、この時期に公開される光琳の国宝『燕子花図屏風』に加えて、今年は応挙『藤花図屏風』、其一『夏秋渓流図屏…

2025年4月関西旅行:大和文華館、大阪市立美術館など

■大和文華館 特別展・没後50年『矢代幸雄と大和文華館-芸術を愛する喜び-』(2025年4月12日~5月25日) 観劇と展覧会めぐりを目的にした2泊3日の関西旅行。初日は同館を訪ねた。本展は、初代館長・矢代幸雄(1890-1975)の没後50年を記念し、矢代が蒐集し…

超未来への祈り/超国宝(奈良国立博物館)

〇奈良国立博物館 開館130年記念特別展『超国宝-祈りのかがやき-』(2025年4月19日~6月15日) 2泊3日の関西旅行で展覧会もいくつか回ってきたのだが、本展のクオリティと満足度はずば抜けていた。 奈良国立博物館は明治28年(1895)4月29日に開館し、2025…

ここにも松平定信/書物ハンターの冒険(慶應義塾ミュージアム・コモンズ)

〇慶應義塾ミュージアム・コモンズ センチュリー赤尾コレクション×斯道文庫『書物ハンターの冒険:小松茂美旧蔵資料探査録I』(2025年3月17日~ 5月16日) 年度末でもないのに、この週末は自宅で持ち帰り仕事に忙殺されていた。それでも土曜日は、この展覧会…